21 / 24
第21話
しおりを挟む
「それじゃあエリーゼ。俺は向こうに守るから。」
『分かったわ。でも4日以内には戻って来なさい。それ以降は聖なる結界の修復は出来なくなるわよ。』
「分かった。」
アンデットオブアナザーワールドをログアウトし、更にそこからセイヴァーオンラインのログアウトを終わらせた。
そうして現実に戻った俺は遅くなった夕食を食べる為にリビングへと移動しようとした時、左腕に違和感を感じた。
「な、なんでこれがあるんだ?」
俺の左腕には聖なる腕輪オルゴーがあった。これはゲームの中の物だ。それがなんで現実にあるのか。そんな疑問が頭の中に溢れているとエリーゼの声が聞こえてきた。
『ここがアカメの世界なのね。魔力が薄いし、瘴気が全くないわ。ここなら実体化してもアンデットにはならないわね!』
そして目の前にエリーゼが姿を現す。その姿は洞窟内で初めて遭遇した時よりも透明感があるが、そこに確実にエリーゼがいるのが分かった。
「なんでエリーゼが居るんだ!?」
『それはアカメとアタシはオルゴーで繋がっているもの。オルゴーは契約者と魂で繋がるのを忘れたの?』
エリーゼにそう言われて確かに聖なる腕輪オルゴーの能力にそんな力があったのは覚えている。だが、なんでゲームの中の存在であるエリーゼやオルゴーがあるのかが分からない。
そして1つの予感のようなものが湧いて出た。それはアンデットオブアナザーワールドの世界は本当にある何処かの異世界の現実でセイヴァーオンラインは世界を繋いで本当に世界の救済を行なえるゲームなのかも知れないと。
でもそうなると楽しくゲーム自体が出来なくなる。俺は当たっているかも知れない予感を無視することにした。そんな別のことを気にしてやるゲームなんて楽しくないからだ。
どうせなら俺が楽しくゲームをやっていてその過程で世界が救われる。そんな感じで良いだろう。
アンデットオブアナザーワールドにはない機械類が気になって仕方のない様子のエリーゼに声を掛ける。
『あっ、もう考え事は終わったのね。それでアタシ気になるんだけど、これってなんなの?』
「ああ、それは……。」
それから俺はエリーゼからの質問攻めを受けることになる。家電や日本語で書かれた本や電気を使った明かりなど本当に色々なことが知りたいエリーゼからの質問攻めに俺が分かる範囲で夕食が出来るまでの間に教えていく。
『本当に不思議な世界なのね。魔力で動かないで電気?で動くなんて。』
「こっちに魔力とか魔法なんてないからな。まあ、もしかしたら昔はあったのかも知れないけど。昔は陰陽師や妖怪なんてのが本当に居たのかも?」
『昔より今は世界から魔力がなくなってるのかもね。だから、電気?で発展したんじゃない?』
「そうかもな。おっ、出来たみたいだ。」
電子レンジから温まったことを知らせる音が流れると、俺は電子レンジの中に入れていた冷凍パスタを取り出した。
『こっちの世界の料理ね。気になるわ。』
俺はエリーゼと五感を同期させられるとパスタを一口食べる。
『こんな味なのね。美味しいわ。』
「冷凍食品も美味しくなったからな。色々買えば毎日でも飽きないし。」
それから夕食を食べ終え洗い物を済ませた俺はシャワーに向かう。
「じゃあ俺はシャワーを浴びてくるからゆっくりしててくれ。テレビは付けて置くからさ。」
『テレビ、この薄い奴ね。本当にどうなってるのかしら?気になるわぁ。』
ジッとテレビの前で陣取るエリーゼを置いて、俺はシャワーを浴びに向かった。
そうしてシャワー浴びている間、俺はエリーゼやオルゴーが実際にあるのだから、もしかしたら俺自身もアンデットオブアナザーワールドのスキルが使えるのではないか、そう思って分かりやすい魔力感知を使ってみることにした。
『分かったわ。でも4日以内には戻って来なさい。それ以降は聖なる結界の修復は出来なくなるわよ。』
「分かった。」
アンデットオブアナザーワールドをログアウトし、更にそこからセイヴァーオンラインのログアウトを終わらせた。
そうして現実に戻った俺は遅くなった夕食を食べる為にリビングへと移動しようとした時、左腕に違和感を感じた。
「な、なんでこれがあるんだ?」
俺の左腕には聖なる腕輪オルゴーがあった。これはゲームの中の物だ。それがなんで現実にあるのか。そんな疑問が頭の中に溢れているとエリーゼの声が聞こえてきた。
『ここがアカメの世界なのね。魔力が薄いし、瘴気が全くないわ。ここなら実体化してもアンデットにはならないわね!』
そして目の前にエリーゼが姿を現す。その姿は洞窟内で初めて遭遇した時よりも透明感があるが、そこに確実にエリーゼがいるのが分かった。
「なんでエリーゼが居るんだ!?」
『それはアカメとアタシはオルゴーで繋がっているもの。オルゴーは契約者と魂で繋がるのを忘れたの?』
エリーゼにそう言われて確かに聖なる腕輪オルゴーの能力にそんな力があったのは覚えている。だが、なんでゲームの中の存在であるエリーゼやオルゴーがあるのかが分からない。
そして1つの予感のようなものが湧いて出た。それはアンデットオブアナザーワールドの世界は本当にある何処かの異世界の現実でセイヴァーオンラインは世界を繋いで本当に世界の救済を行なえるゲームなのかも知れないと。
でもそうなると楽しくゲーム自体が出来なくなる。俺は当たっているかも知れない予感を無視することにした。そんな別のことを気にしてやるゲームなんて楽しくないからだ。
どうせなら俺が楽しくゲームをやっていてその過程で世界が救われる。そんな感じで良いだろう。
アンデットオブアナザーワールドにはない機械類が気になって仕方のない様子のエリーゼに声を掛ける。
『あっ、もう考え事は終わったのね。それでアタシ気になるんだけど、これってなんなの?』
「ああ、それは……。」
それから俺はエリーゼからの質問攻めを受けることになる。家電や日本語で書かれた本や電気を使った明かりなど本当に色々なことが知りたいエリーゼからの質問攻めに俺が分かる範囲で夕食が出来るまでの間に教えていく。
『本当に不思議な世界なのね。魔力で動かないで電気?で動くなんて。』
「こっちに魔力とか魔法なんてないからな。まあ、もしかしたら昔はあったのかも知れないけど。昔は陰陽師や妖怪なんてのが本当に居たのかも?」
『昔より今は世界から魔力がなくなってるのかもね。だから、電気?で発展したんじゃない?』
「そうかもな。おっ、出来たみたいだ。」
電子レンジから温まったことを知らせる音が流れると、俺は電子レンジの中に入れていた冷凍パスタを取り出した。
『こっちの世界の料理ね。気になるわ。』
俺はエリーゼと五感を同期させられるとパスタを一口食べる。
『こんな味なのね。美味しいわ。』
「冷凍食品も美味しくなったからな。色々買えば毎日でも飽きないし。」
それから夕食を食べ終え洗い物を済ませた俺はシャワーに向かう。
「じゃあ俺はシャワーを浴びてくるからゆっくりしててくれ。テレビは付けて置くからさ。」
『テレビ、この薄い奴ね。本当にどうなってるのかしら?気になるわぁ。』
ジッとテレビの前で陣取るエリーゼを置いて、俺はシャワーを浴びに向かった。
そうしてシャワー浴びている間、俺はエリーゼやオルゴーが実際にあるのだから、もしかしたら俺自身もアンデットオブアナザーワールドのスキルが使えるのではないか、そう思って分かりやすい魔力感知を使ってみることにした。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが
米俵猫太朗
ファンタジー
ただのサッカーマニアである青年ショーキチはひょんな事から異世界へ転移してしまう。
その世界では女性だけが行うサッカーに似た球技「サッカードウ」が普及しており、折りしもエルフ女子がミノタウロス女子に蹂躙されようとしているところであった。
更衣室に乱入してしまった縁からエルフ女子代表を率いる事になった青年は、秘策「Tバック」と「トップレス」戦術を授け戦いに挑む。
果たしてエルフチームはミノタウロスチームに打ち勝ち、敗者に課される謎の儀式「センシャ」を回避できるのか!?
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる