ワールドダンジョンキー

ゴロヒロ

文字の大きさ
上 下
11 / 24

第11話

しおりを挟む
 ラビットや採取ポイントで手に入れたアイテムをポイントに変えると、シルクがショップから食材や調理器具を購入していく。

 「それでは私は夕食の準備をして来ますね。」

 「うん、よろしくね、シルク。」

 シルクが夕食を作りにキッチンへと向かうのを見送ると、俺はショップで装備品の一覧を確認する。

 今の装備は木の剣と盾しかなく、それだとまだ他の装備の枠が空いている。だから、その空きを埋めるような装備品を探すことにした。

 頭部の装備、上半身の装備、下半身の装備、腕の装備、足の装備、アクセサリーの装備が3つ、これが今の空いている装備枠だ。

 武器の方もいずれは新調したいが今のところは攻撃担当にシルクがいるお陰で、武器を変える問題はそこまでではないだろう。

 そうして俺はショップの装備品の一覧を見て行くが、1番安いのは普通の布製の装備品たちだ。

 これならアクセサリー以外の防具系装備は全て今あるポイントで購入することも可能であるが、これはシルクと相談して防具を購入するのかどうかを決めよう。

 装備一覧を眺めながらいずれはミスリルやオリハルコンなどの高価な装備を購入したいと思いながら、俺は次に無限ダンジョンの探索の役に立ちそうな魔道具やアイテムを探すことにした。のだが、これは思いの外に早く発見することになる。

 見つけたのは階段のある方向を示すコンパスの魔道具である階段探しのコンパス、ダンジョン内のフィールドを自動で描いてくれる真っ白な何も書かれていない地図の白紙の地図、この2つが次の階層へと向かうのに役に立つ魔道具だ。

 購入するのに必要なポイントはそれなりにするが、今回の探索で手に入ったポイントでは購入することが出来ないくらいには高価な魔道具ではある。

 「はぁ、これもシルクと相談して決めないとな。他にもないか探してみよ。」

 俺はこの2つの魔道具よりも値段の安い物はないかを探すが、あっても使い捨ての物ばかりで値段的には安いが毎回使うと考えると高くなる。

 他にも探索中に休憩するのに使えるような魔道具、モンスターを寄せ付ける臭い袋や反対の効果の香水など購入はしないが役に立ちそうな物を眺めていく。

 「やっぱり何度も使うことが出来る魔道具は高くなるな。使い捨ては使い捨てで安いのが魅力だけど、これもこれでなぁー……。」

 どうした物かと悩んでしまうが、やはりシルクと協力して手に入れたポイントでもあるし、ここはやはり相談して決めるしかない。

 そうして俺は色々と悩みながらショップの購入一覧を眺めていると、キッチンの方から良い匂いがして来た。

 一体シルクは夕食に何を作っているのか気になるが、食欲が湧いてくる匂いに口の中に唾液が溜まり始めている。

 ここからはシルクの料理を作る姿は見えないので、シルクがどんな料理を使っているのかは分からないが、それでもラビットの後ろ足の肉を使った料理なのは確定しているが、俺はウサギの肉を地球でも食べたことがないので味がどんなものなのか分からないが楽しみだ。

 それから待っていること10分が経った頃にシルクがお盆を持ってやって来た。

 「お待たせしました、ご主人様。ラビットのトマト煮込みとサラダです。ご飯とパンがありますが、どちらにしますか?」

 「ご飯で!」

 「分かりました。これからお茶碗によそって来ます。」

 テーブルに並べられたラビットのトマト煮込みの匂いが、あの時俺の食欲を誘っていた匂いの正体のようだ。

 イスに座りテーブルに付いた俺はシルクが戻って来るのを早く早くと待ち望んでしまう。

 「ご飯の量はこれくらいで大丈夫ですか、ご主人様。」

 「うん。それくらいでいいよ。今の身体だとどれくらい食べられるのか分からないからさ。」

 トマトソースで煮込まれたラビットの後ろ足の肉をシルクが切り分け、それを2つの皿によそい夕食が始まった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

収納大魔導士と呼ばれたい少年

カタナヅキ
ファンタジー
収納魔術師は異空間に繋がる出入口を作り出し、あらゆる物体を取り込むことができる。但し、他の魔術師と違って彼等が扱える魔法は一つに限られ、戦闘面での活躍は期待できない――それが一般常識だった。だが、一人の少年が収納魔法を極めた事で常識は覆される。 「収納魔術師だって戦えるんだよ」 戦闘には不向きと思われていた収納魔法を利用し、少年は世間の収納魔術師の常識を一変させる伝説を次々と作り出す――

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

異種族ちゃんねる

kurobusi
ファンタジー
ありとあらゆる種族が混在する異世界 そんな世界にやっとのことで定められた法律 【異種族交流法】 この法に守られたり振り回されたりする異種族さん達が 少し変わった形で仲間と愚痴を言い合ったり駄弁ったり自慢話を押し付け合ったり そんな場面を切り取った作品です

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

処理中です...