52 / 66
デビュタント(5)
しおりを挟む
そこへ、先ほどリリカと遭遇していた給仕係がやって来た。
「飲み物はいかがですか?」
若い男性だが、具合でも悪いのか顔色が冴えないし、どことなく不自然だ。
頼んでもいないのに給仕係がわざわざバルコニーまで飲み物を持ってくるだろうか。
もしやバルコニーでわたしたちがいけないことでもしていると勘ぐられ、誰かに様子を見てこいとでも言われたんだろうか。
グラスを受け取ったオスカーが飲む……のではなく、香りを嗅いで険しい顔をした。
「何を入れた」
低い声で問われた給仕係がトレーを捨てて逃げようとする。
その手首をすかさずオスカーが掴み、ひねり上げた。
どういうこと? 飲み物に何か入って――!
大変、リリカが!!
わたしはアデルと談笑しているリリカに向かって駆け出した。
リリカは笑いながらいまにもグラスに口をつけようとしている。
「リリカっ!!」
大声で叫び、飛びつくようにグラスを叩き落した。
間に合ってよかった……。
ホッとしたのも束の間、周囲がしん、と静まり返っていることに気付いてハッとする。
「ドリスちゃん……?」
リリカが驚いて目を見開いてこちらを見ている。
叩き落したグラスは角度が悪く、アデルのドレスにかかって大きなシミを作っている。
ああ、やってしまった。
事情を知らない人が見たら、これはまるっきり悪役令嬢ドリスがヒロインをいじめているシーンと重なる。
「どうなさったの?」
カタリナもやってきた。
「リリカの飲み物に……」
確証はないのに咄嗟に体が動いてしまった。どう説明しようか。
迷っていると、背後からオスカーの声がした。
「飲み物に何か混入していたようです」
給仕係をひねりあげて引きずりながらこちらへやって来るオスカーがいる。
リリカとアデルは青ざめ、周りはどういうことだとザワつきはじめる。
そこへ騒ぎを聞きつけたアルトと数名の騎士が駆けつけた。
事情を説明するため、わたしたちは別室へと移動することになった。なぜかカタリナまでついてくる。
「カタリナは関係ないから、舞踏会を楽しんでちょうだい」
廊下を歩く途中で言ってみたけれど、カタリナはあごをツンと上げ冷たい視線をこちらに向ける。
「仲間外れはよろしくなくってよ」
こんな時なのに、カタリナの反応に思わず笑みが漏れる。
「わたしたちを心配してくれているのね。ありがとう」
「違いますわっ」
耳を少々赤くしてカタリナがそっぽを向く。そんないつもの様子に、少し緊張がほぐれた。
ホールから少し離れた個室に全員入ると、もう逃げられないと観念したのか給仕係は騎士たちの尋問に素直に答えはじめた。
「金をやるから、飲み物にこの薬を入れてドリス・エーレンベルク伯爵令嬢に飲ませろと見知らぬ男に頼まれました……」
どういうこと? ターゲットはわたしだったの!?
男がポケットから小瓶を取り出した。
アルトが受け取ってふたを開け、匂いを嗅ぐ。
「この甘ったるい香りは……媚薬かな?」
「俺もそうだと思う」
オスカーが頷いている。
この男が白状した話によれば、ギャンブルで借金がかさみ首が回らなくなっているところへ、いい仕事があると持ち掛けられたようだ。
リリカはターゲットではなかったが、渡さないと不自然におもわれるだろうと仕方なく渡してしまったらしい。
挙句、挙動不審すぎてわたしにもオスカーにも疑われてしまったのだから、結局意味がなかったのだけれど。
「媚薬を使った目的はなに?」
アルトが問うと、男は首を激しく左右に振った。
「知りません! この薬を飲み物に混ぜて飲ませろと言われただけです。瓶の中身がどんな薬なのかも聞いていません!」
もしもわたしがあのグラスの中身を飲んでいたとしたら……?
オスカーに迫って痴態を晒していたかもしれない。
わたしに恥をかかせたかったってこと?
依頼者の人相を問われた男は、これもあっさり白状した。
「ネズミみたいな顔の男でした」
ああ……。
オスカーと顔を見合わせて小さく頷きあう。
もしもローレンの仕組んだことなのだとしたら、どうしてそこまでしつこくわたしたちを狙うんだろうか。
「国王主催の舞踏会でこのようなことが起きて、陛下は大変お怒りだよ」
アルトが冷え切った声と表情で男に告げる。
そう、これがアルトの裏の顔だ。
自分のしでかした罪の大きさをようやく悟ったのか、男が蒼白な顔でブルブル震えはじめた。
騎士たちが男を縛って連れて行った。
残ったアルトがこちらを振り返り、いつもの人懐っこそうな笑顔を見せる。
この切り替えの早さも怖いのよね。
「僕らが警備していたのにこんなことになってしまって、申し訳ありません」
アルトに頭を下げられて、わたしたちは恐縮してしまう。
ただしオスカーを除いて。
「まったくだ。おまえらがいながら誰もあの男のことを怪しいと思わなかったのか?」
「だから、ごめんって!」
わたしはリリカたちに向き直った。
「突然リリカに飛び掛かってごめんね。アデルも、せっかく素敵なドレスを台無しにしてごめんなさい。弁償で済む話ではないけど、代わりのドレスを仕立ててお返しするわ」
謝罪すると、リリカとアデルが笑った。
「ちょっと驚いただけだから大丈夫だよう! それよりもありがとう」
「ドリスさんの身のこなしはお見事でした! ドレスは気にしないでください。みなさん何事もなくて結果オーライです!」
ここでカタリナが口をはさむ。
「わたくし、替えのドレスを持参していますの。丈が少々合わないかもしれないけど、アデルさんそれに着替えたらいかが?」
「ありがとうございます!」
アデルの顔がパッと輝いた。
さすが公爵家のご令嬢だ。
不測の事態に備えて替えのドレスまで持ってきているとは!
「わーい! わたしにもある?」
「ありませんわ!」
「まあまあ」
いつものやり取りに妙に安心する。
3人が着替えに向かったところで、わたしとオスカーはそのネズミ顔の不審者に心当たりがあることと、その経緯をアルトに説明しておいた。
「飲み物はいかがですか?」
若い男性だが、具合でも悪いのか顔色が冴えないし、どことなく不自然だ。
頼んでもいないのに給仕係がわざわざバルコニーまで飲み物を持ってくるだろうか。
もしやバルコニーでわたしたちがいけないことでもしていると勘ぐられ、誰かに様子を見てこいとでも言われたんだろうか。
グラスを受け取ったオスカーが飲む……のではなく、香りを嗅いで険しい顔をした。
「何を入れた」
低い声で問われた給仕係がトレーを捨てて逃げようとする。
その手首をすかさずオスカーが掴み、ひねり上げた。
どういうこと? 飲み物に何か入って――!
大変、リリカが!!
わたしはアデルと談笑しているリリカに向かって駆け出した。
リリカは笑いながらいまにもグラスに口をつけようとしている。
「リリカっ!!」
大声で叫び、飛びつくようにグラスを叩き落した。
間に合ってよかった……。
ホッとしたのも束の間、周囲がしん、と静まり返っていることに気付いてハッとする。
「ドリスちゃん……?」
リリカが驚いて目を見開いてこちらを見ている。
叩き落したグラスは角度が悪く、アデルのドレスにかかって大きなシミを作っている。
ああ、やってしまった。
事情を知らない人が見たら、これはまるっきり悪役令嬢ドリスがヒロインをいじめているシーンと重なる。
「どうなさったの?」
カタリナもやってきた。
「リリカの飲み物に……」
確証はないのに咄嗟に体が動いてしまった。どう説明しようか。
迷っていると、背後からオスカーの声がした。
「飲み物に何か混入していたようです」
給仕係をひねりあげて引きずりながらこちらへやって来るオスカーがいる。
リリカとアデルは青ざめ、周りはどういうことだとザワつきはじめる。
そこへ騒ぎを聞きつけたアルトと数名の騎士が駆けつけた。
事情を説明するため、わたしたちは別室へと移動することになった。なぜかカタリナまでついてくる。
「カタリナは関係ないから、舞踏会を楽しんでちょうだい」
廊下を歩く途中で言ってみたけれど、カタリナはあごをツンと上げ冷たい視線をこちらに向ける。
「仲間外れはよろしくなくってよ」
こんな時なのに、カタリナの反応に思わず笑みが漏れる。
「わたしたちを心配してくれているのね。ありがとう」
「違いますわっ」
耳を少々赤くしてカタリナがそっぽを向く。そんないつもの様子に、少し緊張がほぐれた。
ホールから少し離れた個室に全員入ると、もう逃げられないと観念したのか給仕係は騎士たちの尋問に素直に答えはじめた。
「金をやるから、飲み物にこの薬を入れてドリス・エーレンベルク伯爵令嬢に飲ませろと見知らぬ男に頼まれました……」
どういうこと? ターゲットはわたしだったの!?
男がポケットから小瓶を取り出した。
アルトが受け取ってふたを開け、匂いを嗅ぐ。
「この甘ったるい香りは……媚薬かな?」
「俺もそうだと思う」
オスカーが頷いている。
この男が白状した話によれば、ギャンブルで借金がかさみ首が回らなくなっているところへ、いい仕事があると持ち掛けられたようだ。
リリカはターゲットではなかったが、渡さないと不自然におもわれるだろうと仕方なく渡してしまったらしい。
挙句、挙動不審すぎてわたしにもオスカーにも疑われてしまったのだから、結局意味がなかったのだけれど。
「媚薬を使った目的はなに?」
アルトが問うと、男は首を激しく左右に振った。
「知りません! この薬を飲み物に混ぜて飲ませろと言われただけです。瓶の中身がどんな薬なのかも聞いていません!」
もしもわたしがあのグラスの中身を飲んでいたとしたら……?
オスカーに迫って痴態を晒していたかもしれない。
わたしに恥をかかせたかったってこと?
依頼者の人相を問われた男は、これもあっさり白状した。
「ネズミみたいな顔の男でした」
ああ……。
オスカーと顔を見合わせて小さく頷きあう。
もしもローレンの仕組んだことなのだとしたら、どうしてそこまでしつこくわたしたちを狙うんだろうか。
「国王主催の舞踏会でこのようなことが起きて、陛下は大変お怒りだよ」
アルトが冷え切った声と表情で男に告げる。
そう、これがアルトの裏の顔だ。
自分のしでかした罪の大きさをようやく悟ったのか、男が蒼白な顔でブルブル震えはじめた。
騎士たちが男を縛って連れて行った。
残ったアルトがこちらを振り返り、いつもの人懐っこそうな笑顔を見せる。
この切り替えの早さも怖いのよね。
「僕らが警備していたのにこんなことになってしまって、申し訳ありません」
アルトに頭を下げられて、わたしたちは恐縮してしまう。
ただしオスカーを除いて。
「まったくだ。おまえらがいながら誰もあの男のことを怪しいと思わなかったのか?」
「だから、ごめんって!」
わたしはリリカたちに向き直った。
「突然リリカに飛び掛かってごめんね。アデルも、せっかく素敵なドレスを台無しにしてごめんなさい。弁償で済む話ではないけど、代わりのドレスを仕立ててお返しするわ」
謝罪すると、リリカとアデルが笑った。
「ちょっと驚いただけだから大丈夫だよう! それよりもありがとう」
「ドリスさんの身のこなしはお見事でした! ドレスは気にしないでください。みなさん何事もなくて結果オーライです!」
ここでカタリナが口をはさむ。
「わたくし、替えのドレスを持参していますの。丈が少々合わないかもしれないけど、アデルさんそれに着替えたらいかが?」
「ありがとうございます!」
アデルの顔がパッと輝いた。
さすが公爵家のご令嬢だ。
不測の事態に備えて替えのドレスまで持ってきているとは!
「わーい! わたしにもある?」
「ありませんわ!」
「まあまあ」
いつものやり取りに妙に安心する。
3人が着替えに向かったところで、わたしとオスカーはそのネズミ顔の不審者に心当たりがあることと、その経緯をアルトに説明しておいた。
20
お気に入りに追加
99
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢が可愛すぎる!!
佐倉穂波
ファンタジー
ある日、自分が恋愛小説のヒロインに転生していることに気がついたアイラ。
学園に入学すると、悪役令嬢であるはずのプリシラが、小説とは全く違う性格をしており、「もしかして、同姓同名の子が居るのでは?」と思ったアイラだったが…….。
三話完結。
ヒロインが悪役令嬢を「可愛い!」と萌えているだけの物語。
2023.10.15 プリシラ視点投稿。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

やり直し令嬢の備忘録
西藤島 みや
ファンタジー
レイノルズの悪魔、アイリス・マリアンナ・レイノルズは、皇太子クロードの婚約者レミを拐かし、暴漢に襲わせた罪で塔に幽閉され、呪詛を吐いて死んだ……しかし、その呪詛が余りに強かったのか、10年前へと再び蘇ってしまう。
これを好機に、今度こそレミを追い落とそうと誓うアイリスだが、前とはずいぶん違ってしまい……
王道悪役令嬢もの、どこかで見たようなテンプレ展開です。ちょこちょこ過去アイリスの残酷描写があります。
また、外伝は、ざまあされたレミ嬢視点となりますので、お好みにならないかたは、ご注意のほど、お願いします。

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる