白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます

時岡継美

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エピローグ

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 大樹は二日間花を咲かせ、ダンジョンのアップデート終了と同時に元の木に戻った。

 ロイパーティーはハットリがリーダーとなり、名前は「ロイパーティー」のままで存続することとなった。

 サイクロプス戦でのハットリの活躍を聞いた冒険者の一部がハットリに弟子入りを希望し、マーシェスダンジョンでは空前の「ニンジャブーム」が起きている。

 短期間で大量の金貨を稼いだハットリは、故郷から許嫁いいなづけのサヨちゃんを呼び寄せて結婚した。
 街の外れに土地を買い、そこに道場兼自宅を建てて夫婦でニンジャの育成とダンジョン攻略を並行していくという。
 引継ぎを全て終え、わからないことがあればいつでも相談に乗るしこれからも一緒に冒険しようと約束してわたしはロイパーティーを脱退した。

 冒険者名が「会長」である旦那様は、色々な兼ね合いからロイパーティーに所属するのはよろしくないだろうということになり、わたしと二人っきりの「会長パーティー」を創設した。

 旦那様とくまーがいれば大抵はどうにかなるため、わたしたちはのんびり気ままに攻略を続けている。
 旦那様がロイさんの姿に変身することはないけれど、ダンジョン内で気分が高揚して興奮した状態になるとたまにその瞳がクリムゾンレッドに染まることがある。

 この人、本当に人間なんだろうかと思うことがたまにあるけれど、破天荒な人だから何でもオッケーだ。


 わたしはマーシェス侯爵家の若き当主の「お飾り妻」ではなく本当の妻になった。
 そしてこれからもダンジョン攻略を続けていくだろう。


【完】
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