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冒険者協会の会合に参加しました②
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冒険者協会の敷地を囲む植栽の土までワープした。
そこから走って建物の中に入り、少々遅刻して会議室の後ろの扉を開ける。
「遅れて申し訳ありません。ロイパーティーです」
円卓にはすでにほかの参加者たちが着席している。
開いている椅子に座ると、左隣が懇意にしてもらっているユリウスパーティーのリーダーだった。
「ヴィーちゃん、なにその恰好」
「知らないんですか? ニンジャスタイルですよ」
なにそれと言いながらユリウスさんが笑うと、ゴージャスにカールしたハニーブロンドの長髪が揺れる。
顔立ちには中性的な美しさがあり、彼のことを女性だと勘違いしている人も多いようだ。
物語によく登場する「エルフ」という種族がもしも実在するのなら、たぶんユリウスさんのような容姿に違いないと思う。
「そろそろ始めてもいいか」
ユリウスさんと笑みを交わしていたら、旦那様のピリっとした声が響いた。
姿勢を正して「お願いします」と一礼し、顔を上げた時に旦那様と一瞬目が合う。
旦那様は眉間にしわを寄せて険しい顔をしている。
遅刻してきてヘラヘラするなと思われただろうか。
わたしの正体に気付かれてはいないと思う。
気付かれるはずがない、目元以外は全部隠しているんだもの。
今日の会合は、我々ロイパーティーの要請で集まってもらっている。
マーシェスダンジョン最下層のボス討伐の協力を仰ぎたいという内容だ。
座長である旦那様から、
「ではロイパーティーの代表者からひと言お願いします」
と促されて立ち上がった。
「本日はお忙しい中ご足労いただきありがとうございます。地下48階のボスレイドでご一緒した方も、そうでない方も協力してマーシェスダンジョンの完全制覇を目指しましょう。どうぞよろしくお願いします」
大きな声でハキハキと挨拶をして、頭をぺこりと下げる。
リアルでは旦那様の前で小さな声しか出していないため、そんなお飾り妻がこんな大きな声を出せることも知らないだろう。
着席しながらもう一度チラリと座長席を見ると、なぜか旦那様は笑っていた。
ロイパーティーが初めて他のパーティーに協力を仰いだのは、地下48階のボス討伐だ。
この時すでにロイさんはいなかった。
ロイさんがいなくなったのは、地下47階をクリアした日。
酒場での祝杯の後、武器である大剣をわたしに「磨いといて」と手渡し、ふらっと酒場を出て行った。
まさかそれっきりロイさんが戻ってこないなんて思っていなかったわたしたちは、次の地下48階の攻略を進めてボス部屋まで辿り着き、そこから数日間ロイさんの帰還を待った。
しかし何の音沙汰もなく、ロイさん抜きでボス討伐という難関に立ち向かうにあたり、話し合いを重ねた末に他のパーティーに協力してもらうこととなったのだ。
合同討伐会への参加資格は、地下40階まで到達しているパーティーという条件付きで。
それに手を挙げてくれたのは、ユリウスさんと、元ロイパーティーのメンバーでわたしの加入と入れ違いぐらいに「友人と新しいパーティーを結成することにした」との理由で脱退したトミーさんだけだった。
BAN姉さんに手を焼き、そこで足止めを食っているパーティーは他にもたくさんある。
ロイパーティーのビジター扱いで地下48階の討伐に参加してボスを倒せば、クリアできていないBAN姉さんをスキップして次に進めるため、もっとたくさん集まることを期待していたのだが……。
その理由は、あまりにもロイパーティーが嫌われていたためだ。
そこから走って建物の中に入り、少々遅刻して会議室の後ろの扉を開ける。
「遅れて申し訳ありません。ロイパーティーです」
円卓にはすでにほかの参加者たちが着席している。
開いている椅子に座ると、左隣が懇意にしてもらっているユリウスパーティーのリーダーだった。
「ヴィーちゃん、なにその恰好」
「知らないんですか? ニンジャスタイルですよ」
なにそれと言いながらユリウスさんが笑うと、ゴージャスにカールしたハニーブロンドの長髪が揺れる。
顔立ちには中性的な美しさがあり、彼のことを女性だと勘違いしている人も多いようだ。
物語によく登場する「エルフ」という種族がもしも実在するのなら、たぶんユリウスさんのような容姿に違いないと思う。
「そろそろ始めてもいいか」
ユリウスさんと笑みを交わしていたら、旦那様のピリっとした声が響いた。
姿勢を正して「お願いします」と一礼し、顔を上げた時に旦那様と一瞬目が合う。
旦那様は眉間にしわを寄せて険しい顔をしている。
遅刻してきてヘラヘラするなと思われただろうか。
わたしの正体に気付かれてはいないと思う。
気付かれるはずがない、目元以外は全部隠しているんだもの。
今日の会合は、我々ロイパーティーの要請で集まってもらっている。
マーシェスダンジョン最下層のボス討伐の協力を仰ぎたいという内容だ。
座長である旦那様から、
「ではロイパーティーの代表者からひと言お願いします」
と促されて立ち上がった。
「本日はお忙しい中ご足労いただきありがとうございます。地下48階のボスレイドでご一緒した方も、そうでない方も協力してマーシェスダンジョンの完全制覇を目指しましょう。どうぞよろしくお願いします」
大きな声でハキハキと挨拶をして、頭をぺこりと下げる。
リアルでは旦那様の前で小さな声しか出していないため、そんなお飾り妻がこんな大きな声を出せることも知らないだろう。
着席しながらもう一度チラリと座長席を見ると、なぜか旦那様は笑っていた。
ロイパーティーが初めて他のパーティーに協力を仰いだのは、地下48階のボス討伐だ。
この時すでにロイさんはいなかった。
ロイさんがいなくなったのは、地下47階をクリアした日。
酒場での祝杯の後、武器である大剣をわたしに「磨いといて」と手渡し、ふらっと酒場を出て行った。
まさかそれっきりロイさんが戻ってこないなんて思っていなかったわたしたちは、次の地下48階の攻略を進めてボス部屋まで辿り着き、そこから数日間ロイさんの帰還を待った。
しかし何の音沙汰もなく、ロイさん抜きでボス討伐という難関に立ち向かうにあたり、話し合いを重ねた末に他のパーティーに協力してもらうこととなったのだ。
合同討伐会への参加資格は、地下40階まで到達しているパーティーという条件付きで。
それに手を挙げてくれたのは、ユリウスさんと、元ロイパーティーのメンバーでわたしの加入と入れ違いぐらいに「友人と新しいパーティーを結成することにした」との理由で脱退したトミーさんだけだった。
BAN姉さんに手を焼き、そこで足止めを食っているパーティーは他にもたくさんある。
ロイパーティーのビジター扱いで地下48階の討伐に参加してボスを倒せば、クリアできていないBAN姉さんをスキップして次に進めるため、もっとたくさん集まることを期待していたのだが……。
その理由は、あまりにもロイパーティーが嫌われていたためだ。
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