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9皿目 霧の中のトルティーヤ
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霧耐性は、濃い霧に包まれてもある程度の視界や方向感覚を確保できるバフだ。
「落ち着いて離れないように。武器は大きく振り回さないようにな」
ハリスが冷静に告げる。
コハクがリリアナの足元に寄り添ってくれた。
その時、突然テオが叫んだ。
「リリアナ! いるか!?」
「ここにいるわよ」
テオはリリアナの横に立っていたが、顔はリリアナがいる方向とは逆を向いている。
そこまではわかるが、テオがどうしてそんな確認をしたのか理由がわからない。
テオの袖を掴もうとした時だった。
「じゃあ、おまえ誰だよ! あ、待てコラ!」
リリアナの手は空を切り、テオが濃い霧の中へ駆け出していく。
「どこに行くの、待って!」
追いかけていこうとしたリリアナの腕をハリスが強く掴む。
「待て! 勝手に行くな!」
叱責されてリリアナは冷静さを取り戻した。ここでリリアナまで離れたらそれぞれ迷子になってしまう。
「テオー! 戻ってらっしゃい!」
大声で呼んでみたものの返事はなく、もう足音も聞こえない。
試しにテオが走っていった方向へ魔法で閃光弾を放ってみたが、光は乱反射して霧に吸い込まれテオの姿は見えなかった。
******
(テオ視点)
「オイ! 待てよっ!」
テオはハリスの言っていた注意事項を完全に無視して、人影を追い続ける。
リリアナたちとともに歩き出そうとした時、リリアナがいる右側とは反対方向、左側になにか気配を感じた。
首を向ければ至近距離にエメラルドの双眸があったのだ。
目が合うと、その双眸がパチパチと瞬きをした。まるっきりリリアナのように見える。しかし彼女は逆側にいるはずだ。
名前を呼ぶとリリアナの返事が逆側から聞こえる。
じゃあ、これは誰だ?
ジョセフの容姿は、ネイビーブルーの目にダークブラウンの髪だと聞いているから別人だろう。
「じゃあ、おまえ誰だよ!」
謎のエメラルドの目がくすっとわらったように細められ、離れていこうとする。一瞬ハニーブロンドの髪が見えた。
「あ、待てコラ!」
迷わず追いかけた。
魔物がリリアナに化けているんだろうか。誘っているなら乗ってやろうじゃねーか!
追いかけているうちに霧が薄くなり、怪しい人物の後ろ姿がくっきり見えるようになった。
長い髪を後ろでまとめたハニーブロンド、冒険服、マジックポーチを腰に着けている姿は、やはりどう見てもリリアナだ。
「オイ!」
もう一度呼びかけると、偽のリリアナは立ち止まってテオを振り返った。
テオは斧を振るおうとして逡巡する。彼女がにっこり笑ったからだ。
「リリアナ……?」
もしも本物のリリアナだったらどうする?
戸惑って斧を下ろしたテオに向かって、リリアナがとびきりの笑顔で駆け寄ってきた。
そして、そのまま顔を近づけて唇同士が触れそうになった時――。
「はい、そこまでー!」
突然横から割り込んできた男の声とともにテオの視界が霧に包まれる。
「うわっ!」
驚いて後ろへ飛び退いた。
「火ですよ、火! あれは霧の魔物です。物理攻撃はききません。火でやっつけてください!」
テオの首にしがみつくようにまとわりつく濃い霧が男の声でしゃべりつづける。
「火? 魔法使えねーし!」
すると霧がため息をついた。
「ですよねえ。あなたどう見ても脳筋だし」
「うるせえ、知るか!」
再びリリアナの姿をした霧の魔物が迫ってくる。
テオは慌ててセーフティーカードを取り出すと地面に置いた。招かざる者をシャットアウトする結界が張られ、霧の魔物はテオに近寄れなくなった。
テオの首にまとわりついている謎の霧は、成り行きで一緒に結界内へ入ってしまったが。
「それで? あんた誰?」
男の声の霧はおぼろげながら人の形をしている。
「私はジョセフと言いまして……」
「ああ、ジョセフか! あんたのこと探してたんだよ。俺はテオ」
テオがジョセフの言葉を遮って、手をポンと打つ。
「つーか、なんで霧になってんだ?」
「それはですね――」
ジョセフが霧になってしまった経緯を語り始めた。
ジョセフが仲間と一緒にこのエリアを訪れた時、濃い霧に包まれたと思ったら突然、目の前に故郷で暮らす娘が現れたという。
こんな場所に娘がいるはずがない。
そう思いながらも追いかけずにはいられなかった。娘が立ち止まり、かわいらしい笑顔で抱き着いてキスしてきた。
そして娘の唇から吐き出される霧を吸った瞬間、自分も霧になっていたらしい。
「霧になっちゃったんで指輪が抜け落ちて、帰れなかったんですよ! 一応、拠点には戻ってみたんですけどね、霧のままだと門へ帰還させてもらえなくって」
なるほど、そういうことだったのかとテオは頷いた。
「チャーリーたちが何度か探しにきたみたいだが、会えなかったのか?」
ジョセフは大きなため息を吐く。
「会えましたよ。でも話しかけても注意を引こうとしても無反応だったんです。私、まだいっぱしの霧にはなりきれていなかったんでしょうね、ハハハ」
どうにも能天気な男だなと思いながら、テオの頭にふとした疑問が浮かぶ。
「いっぱしの霧は、人間と会話できるのか?」
「私の声が届いて会話できたのは、テオさんが初めてですよ! どういう能力です?」
霧と会話できるスキルなど持ち合わせていない。
ということは、霧耐性アップのバフのおかげかもしれない。
「バフが切れたらもう会話できなくなるかもしんねえから、いまのうちに言っときたいこと全部教えろ」
「ええっ!?」
会話できる冒険者を見つけて安堵し、くつろぎモードになっていたジョセフが慌てはじめた。
「落ち着いて離れないように。武器は大きく振り回さないようにな」
ハリスが冷静に告げる。
コハクがリリアナの足元に寄り添ってくれた。
その時、突然テオが叫んだ。
「リリアナ! いるか!?」
「ここにいるわよ」
テオはリリアナの横に立っていたが、顔はリリアナがいる方向とは逆を向いている。
そこまではわかるが、テオがどうしてそんな確認をしたのか理由がわからない。
テオの袖を掴もうとした時だった。
「じゃあ、おまえ誰だよ! あ、待てコラ!」
リリアナの手は空を切り、テオが濃い霧の中へ駆け出していく。
「どこに行くの、待って!」
追いかけていこうとしたリリアナの腕をハリスが強く掴む。
「待て! 勝手に行くな!」
叱責されてリリアナは冷静さを取り戻した。ここでリリアナまで離れたらそれぞれ迷子になってしまう。
「テオー! 戻ってらっしゃい!」
大声で呼んでみたものの返事はなく、もう足音も聞こえない。
試しにテオが走っていった方向へ魔法で閃光弾を放ってみたが、光は乱反射して霧に吸い込まれテオの姿は見えなかった。
******
(テオ視点)
「オイ! 待てよっ!」
テオはハリスの言っていた注意事項を完全に無視して、人影を追い続ける。
リリアナたちとともに歩き出そうとした時、リリアナがいる右側とは反対方向、左側になにか気配を感じた。
首を向ければ至近距離にエメラルドの双眸があったのだ。
目が合うと、その双眸がパチパチと瞬きをした。まるっきりリリアナのように見える。しかし彼女は逆側にいるはずだ。
名前を呼ぶとリリアナの返事が逆側から聞こえる。
じゃあ、これは誰だ?
ジョセフの容姿は、ネイビーブルーの目にダークブラウンの髪だと聞いているから別人だろう。
「じゃあ、おまえ誰だよ!」
謎のエメラルドの目がくすっとわらったように細められ、離れていこうとする。一瞬ハニーブロンドの髪が見えた。
「あ、待てコラ!」
迷わず追いかけた。
魔物がリリアナに化けているんだろうか。誘っているなら乗ってやろうじゃねーか!
追いかけているうちに霧が薄くなり、怪しい人物の後ろ姿がくっきり見えるようになった。
長い髪を後ろでまとめたハニーブロンド、冒険服、マジックポーチを腰に着けている姿は、やはりどう見てもリリアナだ。
「オイ!」
もう一度呼びかけると、偽のリリアナは立ち止まってテオを振り返った。
テオは斧を振るおうとして逡巡する。彼女がにっこり笑ったからだ。
「リリアナ……?」
もしも本物のリリアナだったらどうする?
戸惑って斧を下ろしたテオに向かって、リリアナがとびきりの笑顔で駆け寄ってきた。
そして、そのまま顔を近づけて唇同士が触れそうになった時――。
「はい、そこまでー!」
突然横から割り込んできた男の声とともにテオの視界が霧に包まれる。
「うわっ!」
驚いて後ろへ飛び退いた。
「火ですよ、火! あれは霧の魔物です。物理攻撃はききません。火でやっつけてください!」
テオの首にしがみつくようにまとわりつく濃い霧が男の声でしゃべりつづける。
「火? 魔法使えねーし!」
すると霧がため息をついた。
「ですよねえ。あなたどう見ても脳筋だし」
「うるせえ、知るか!」
再びリリアナの姿をした霧の魔物が迫ってくる。
テオは慌ててセーフティーカードを取り出すと地面に置いた。招かざる者をシャットアウトする結界が張られ、霧の魔物はテオに近寄れなくなった。
テオの首にまとわりついている謎の霧は、成り行きで一緒に結界内へ入ってしまったが。
「それで? あんた誰?」
男の声の霧はおぼろげながら人の形をしている。
「私はジョセフと言いまして……」
「ああ、ジョセフか! あんたのこと探してたんだよ。俺はテオ」
テオがジョセフの言葉を遮って、手をポンと打つ。
「つーか、なんで霧になってんだ?」
「それはですね――」
ジョセフが霧になってしまった経緯を語り始めた。
ジョセフが仲間と一緒にこのエリアを訪れた時、濃い霧に包まれたと思ったら突然、目の前に故郷で暮らす娘が現れたという。
こんな場所に娘がいるはずがない。
そう思いながらも追いかけずにはいられなかった。娘が立ち止まり、かわいらしい笑顔で抱き着いてキスしてきた。
そして娘の唇から吐き出される霧を吸った瞬間、自分も霧になっていたらしい。
「霧になっちゃったんで指輪が抜け落ちて、帰れなかったんですよ! 一応、拠点には戻ってみたんですけどね、霧のままだと門へ帰還させてもらえなくって」
なるほど、そういうことだったのかとテオは頷いた。
「チャーリーたちが何度か探しにきたみたいだが、会えなかったのか?」
ジョセフは大きなため息を吐く。
「会えましたよ。でも話しかけても注意を引こうとしても無反応だったんです。私、まだいっぱしの霧にはなりきれていなかったんでしょうね、ハハハ」
どうにも能天気な男だなと思いながら、テオの頭にふとした疑問が浮かぶ。
「いっぱしの霧は、人間と会話できるのか?」
「私の声が届いて会話できたのは、テオさんが初めてですよ! どういう能力です?」
霧と会話できるスキルなど持ち合わせていない。
ということは、霧耐性アップのバフのおかげかもしれない。
「バフが切れたらもう会話できなくなるかもしんねえから、いまのうちに言っときたいこと全部教えろ」
「ええっ!?」
会話できる冒険者を見つけて安堵し、くつろぎモードになっていたジョセフが慌てはじめた。
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