明新館職員連続殺人事件

文字の大きさ
上 下
12 / 15
2.鍵

2-3

しおりを挟む
時刻は、19時過ぎ。
辺りは、もう暗くなっていた。 
美緒は、夕食を済ませクラス会の
お知らせに載っていた指定の部屋にいる。
ベットがふかふかで心地いい。
まだ、皆がいるであろう第一ホールに
居づらかったのもある。
どうしてこんなことになってしまったのだろう?
本当は、あんなことがあって
すぐさま帰りたがったが、
どうもまだ帰れないようだ。
きっと、このクラス会に来ている人物こそが
加害者であるに違いない。
警察もきっと、そう考えているのだと思う。
こんなことを考えても仕方がないと思い、
持ってきていた学校の課題を
終わらせようと 体を起こす。
しばらく、課題に取り組み
気がつけば22時を回っていた。
もう、いつもは眠っている時刻なので
課題を片付け、風呂に入り寝ることにした。

就寝して、数時間たってから何か下から
ドンドンと何やら走っているような音で
目が覚めたが、
睡魔に負けてしまい結局朝まで、
眠ってしまっていた。

朝になり、いつも通りの時間に起床し、
部屋から出ると、何やら下の階が騒がしかった。
三階へと続く階段を降りて、何やら
人が大勢集まっている祭の部屋の前まで、
近づいてみた。
「ねえ、このドア壊しちゃおうよ。そんでさ、
祭を驚かせよっ。」
と、茶髪の女子が言い出したのが耳に入った。
何を言っていんだと馬鹿らしく思う。
「何、言ってんだよ。壊れたドアは、
どうするんだよ。」
と、豊橋君が止めに 入った。
豊橋君、ナイス! もっと言ってやれ!
私は心の中で、応援していた。
「だーれにも迷惑かけませーん。 
大丈夫でーす。」
と、茶髪の女子が馬鹿に
したような口調で言う。
サッカーボールを蹴るように足を振り上げ、
ドアを蹴った。
すると、ドンっという音が廊下中に響き渡る。
茶髪の女子は、何の躊躇もなく
部屋に 入って行き、
「祭! まーつーり!
いるんなら、返事くらい…」
そう言いかけ、しばらく沈黙が続く。
すると、物凄い勢いで茶髪の女子が 
青白い顔をし、部屋から出てきた。


しおりを挟む

処理中です...