15 / 29
11月14日【ナスはバラの仲間だからトゲがある】
しおりを挟む
とうとうこちらも初雪が降り冬を告げる帰路の中、後ろから相変わらずストーキングしてくる不届きな輩がいたと来る。
まぁ可愛い女の子に付け回されるなら悪くはないが野郎なら身内や知り合いを除けば即通報してやるがな。
下校中の買い物は本来禁止されてるがそこはコッソリすれば問題はないだろう。
運悪く教師と鉢合わせしたら終わるが……。
マルは論外としよう。
ところでちょっとイタズラしてやろうか。
俺は立ち止まってポケットフォンをいじりまくる。
ながらフォンはダメだぞ?
「か、カツラ!! 早く歩くです!! ストーキングができないのです。」
「まったく……隠密行動したいなら待つことも大事だがな。 マル、一緒に行こうぜ。 この付近ならもう学校のヤツらにも見られないだろうし。」
煮えを切らして催促してくるマルを見ると、なんだかんだ言って俺もバカな生き物かもしれない。
今日は独りで何かしら作りたいと思っていたのに、マルの顔を見ただけでそれが簡単にひっくり返ってしまうんだ。
一度決めたことを女の顔を見ただけで途中変更をするなんて軟派な男だろうな。
別に良いけどな。
俺はバカだしマルの事好きだからさ。
「ところで今日は何を作るですか?」
「ナスで何かしら作る。 それ以外は特になにも。 目についたナスを勢いで買ったからなぁ。」
鞄の中には野菜の詰め合わせがあるが一際目立つのはやはり大きな秋ナス。
これを油炒めにしようか、はてまたは味噌汁にしてやろうかと考えれば考えるほど悩ましい。
ホテルの厨房は今日はほとんどスタッフがいないから思いきって特別にマルを見学扱いで入れておこう。
割烹着は母さんのを着させておけばいい……と言うかサイズが無いからな、これしか。
「ナスはこうやって開いて……おっと、ヘタのところのトゲには気を付けてと。」
「ナスもバラの仲間なのです!! トゲトゲしてるのは新鮮な証拠です。」
結局はナスを開いて焼いて蒲焼きにしてみたが何ら鰻と遜色ない出来上がりに仕上がって俺も大満足だ。
出来たら出来たで写真に保存して終わりと言いたいが今はマルがいるから特別に食べさせてやる。
秋ナスは何に食わせるなとはよく言うが誰も食べずに昔捨ててた俺は誰かに美味しいって言ってもらって食ってくれるなら喜ばしいこと。
それを気づかせてくれたのがマルなんだ。
「マル、こっちこっち!!」
「ふむ?」
笑顔な割烹着姿のマルを1枚、ポケットフォンのデータに記録しておく。
こんな表情のマルは俺だけの特権だからなぁ。
まぁ可愛い女の子に付け回されるなら悪くはないが野郎なら身内や知り合いを除けば即通報してやるがな。
下校中の買い物は本来禁止されてるがそこはコッソリすれば問題はないだろう。
運悪く教師と鉢合わせしたら終わるが……。
マルは論外としよう。
ところでちょっとイタズラしてやろうか。
俺は立ち止まってポケットフォンをいじりまくる。
ながらフォンはダメだぞ?
「か、カツラ!! 早く歩くです!! ストーキングができないのです。」
「まったく……隠密行動したいなら待つことも大事だがな。 マル、一緒に行こうぜ。 この付近ならもう学校のヤツらにも見られないだろうし。」
煮えを切らして催促してくるマルを見ると、なんだかんだ言って俺もバカな生き物かもしれない。
今日は独りで何かしら作りたいと思っていたのに、マルの顔を見ただけでそれが簡単にひっくり返ってしまうんだ。
一度決めたことを女の顔を見ただけで途中変更をするなんて軟派な男だろうな。
別に良いけどな。
俺はバカだしマルの事好きだからさ。
「ところで今日は何を作るですか?」
「ナスで何かしら作る。 それ以外は特になにも。 目についたナスを勢いで買ったからなぁ。」
鞄の中には野菜の詰め合わせがあるが一際目立つのはやはり大きな秋ナス。
これを油炒めにしようか、はてまたは味噌汁にしてやろうかと考えれば考えるほど悩ましい。
ホテルの厨房は今日はほとんどスタッフがいないから思いきって特別にマルを見学扱いで入れておこう。
割烹着は母さんのを着させておけばいい……と言うかサイズが無いからな、これしか。
「ナスはこうやって開いて……おっと、ヘタのところのトゲには気を付けてと。」
「ナスもバラの仲間なのです!! トゲトゲしてるのは新鮮な証拠です。」
結局はナスを開いて焼いて蒲焼きにしてみたが何ら鰻と遜色ない出来上がりに仕上がって俺も大満足だ。
出来たら出来たで写真に保存して終わりと言いたいが今はマルがいるから特別に食べさせてやる。
秋ナスは何に食わせるなとはよく言うが誰も食べずに昔捨ててた俺は誰かに美味しいって言ってもらって食ってくれるなら喜ばしいこと。
それを気づかせてくれたのがマルなんだ。
「マル、こっちこっち!!」
「ふむ?」
笑顔な割烹着姿のマルを1枚、ポケットフォンのデータに記録しておく。
こんな表情のマルは俺だけの特権だからなぁ。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる