4 / 29
11月4日【コバンザメはサメじゃなくスズキの仲間】
しおりを挟む
今日は仕事は休みなんだけど私情の仕事があってノートパソコン持ち込んで従妹の家に安寧を求めてやって来た。
家って言っても由緒正しい家系だから立派な和城に住んでいる。
こんなんじゃ落ち着いて仕事ができないんじゃないかって思うかもしれないが、近くの団子屋の団子を貪りながら気楽に仕事するのが楽しみでね。
「こんにちーっす。 お邪魔するぜ。」
「お邪魔するですよ……それにしてもお城にすんでるとなると将軍様かなにかですか?」
マルもさすがに驚くだろうが俺の血縁関係はすさまじく根深いからこう言う繋がりがあることを覚えておかないと、この程度で驚くようじゃまだまだだ。
手ぶらじゃなんだからお土産の団子も持ってきては居間へと我が家面でノシノシと進む。
子供の頃この城でかくれんぼして迷ってトイレを見つけられず漏らした記憶が懐かしいし、こんなに広大な敷地なのだからいまだにすべての部屋に入ったことはない……それくらいでかい。
それを母親と父親、双子の姉妹の四人で住んでるから部屋もとうぜん余し放題と言うわけでなぜか俺専用の部屋も貸し与えられてるが寒いから冬場はあまり行きたくはない。
「こんちっちー、おぉ……ツボミ、お邪魔するぜ。」
「こんちっちーですわ。 あら、カツラの彼女さんですの。 こんにちは。」
「こ、こんにちわ……です。」
俺は机にノートパソコンを置いて、お構いなしに料理の勉強や旅館の経費などの仕事を次々と集計していく。
お茶を運んできてくれたツボミが背面から画面を覗き込んでは頭のネジがぶっとんだ発言なんかするんだ。
いつものことだがな。
「今月の売り上げがイマイチですわね。 ふふっ、3000万円ほど投資でもしてあげてもよろしいのですわ。」
正直こう言う投資、稀に寄付はしてくれるがツボミはそういう女だ。
なにかと相手の努力に比例してはこういうことをしてくれる。
「足りなくて? なら1億円でもカツラの頑張りならこれくらいの投資は妥当ですの。」
「本当に困ったときにお願いはするけど、そういう優しさに漬け込んで変な男に騙されないか心配だぜ……ツボミ。」
まぁ根はしっかりしてるから、それ以前にそういう性格だから彼氏ができるなんて想像つかないが。
「ツボミさんはお金持ちです……いったいどうやってそんな大金をですか?」
「女には秘密が多い方がミステリアスでしてよ!! まぁ強いて言うならちゃっかり投資からのコバンザメ商法でしてよ!! おほほのほ~。」
「コバンザメ商法の意味きちんとわかってるか? まぁいいや。」
せっかく持ってきてくれたお茶を団子と共にすする。
そろそろ雪でも降るこの季節に熱々のお茶はなかなかどうしてうまい。
「サメかぁ、アブラツノザメとかなら激ウマだから今度刺身でもやってみるかぁ。」
「ちなみにコバンザメはサメじゃなくてスズキの仲間らしいですよ。 私はカツラにくっつくコバンザメなのです。」
「私はカツラの会社にぴったりとくっつくコバンザメですわ!!」
やめてくれ、あまりいろいろくっつくとややこしくなりそうだ。
だけど賑やかな方が楽しいから俺は良いんだけど……なぁ。
母さんが許してくれるかどうかだ。
家って言っても由緒正しい家系だから立派な和城に住んでいる。
こんなんじゃ落ち着いて仕事ができないんじゃないかって思うかもしれないが、近くの団子屋の団子を貪りながら気楽に仕事するのが楽しみでね。
「こんにちーっす。 お邪魔するぜ。」
「お邪魔するですよ……それにしてもお城にすんでるとなると将軍様かなにかですか?」
マルもさすがに驚くだろうが俺の血縁関係はすさまじく根深いからこう言う繋がりがあることを覚えておかないと、この程度で驚くようじゃまだまだだ。
手ぶらじゃなんだからお土産の団子も持ってきては居間へと我が家面でノシノシと進む。
子供の頃この城でかくれんぼして迷ってトイレを見つけられず漏らした記憶が懐かしいし、こんなに広大な敷地なのだからいまだにすべての部屋に入ったことはない……それくらいでかい。
それを母親と父親、双子の姉妹の四人で住んでるから部屋もとうぜん余し放題と言うわけでなぜか俺専用の部屋も貸し与えられてるが寒いから冬場はあまり行きたくはない。
「こんちっちー、おぉ……ツボミ、お邪魔するぜ。」
「こんちっちーですわ。 あら、カツラの彼女さんですの。 こんにちは。」
「こ、こんにちわ……です。」
俺は机にノートパソコンを置いて、お構いなしに料理の勉強や旅館の経費などの仕事を次々と集計していく。
お茶を運んできてくれたツボミが背面から画面を覗き込んでは頭のネジがぶっとんだ発言なんかするんだ。
いつものことだがな。
「今月の売り上げがイマイチですわね。 ふふっ、3000万円ほど投資でもしてあげてもよろしいのですわ。」
正直こう言う投資、稀に寄付はしてくれるがツボミはそういう女だ。
なにかと相手の努力に比例してはこういうことをしてくれる。
「足りなくて? なら1億円でもカツラの頑張りならこれくらいの投資は妥当ですの。」
「本当に困ったときにお願いはするけど、そういう優しさに漬け込んで変な男に騙されないか心配だぜ……ツボミ。」
まぁ根はしっかりしてるから、それ以前にそういう性格だから彼氏ができるなんて想像つかないが。
「ツボミさんはお金持ちです……いったいどうやってそんな大金をですか?」
「女には秘密が多い方がミステリアスでしてよ!! まぁ強いて言うならちゃっかり投資からのコバンザメ商法でしてよ!! おほほのほ~。」
「コバンザメ商法の意味きちんとわかってるか? まぁいいや。」
せっかく持ってきてくれたお茶を団子と共にすする。
そろそろ雪でも降るこの季節に熱々のお茶はなかなかどうしてうまい。
「サメかぁ、アブラツノザメとかなら激ウマだから今度刺身でもやってみるかぁ。」
「ちなみにコバンザメはサメじゃなくてスズキの仲間らしいですよ。 私はカツラにくっつくコバンザメなのです。」
「私はカツラの会社にぴったりとくっつくコバンザメですわ!!」
やめてくれ、あまりいろいろくっつくとややこしくなりそうだ。
だけど賑やかな方が楽しいから俺は良いんだけど……なぁ。
母さんが許してくれるかどうかだ。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる