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第3章【火曜の火山《燎煉》】
鳥居にその身をくぐらせて
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あのあと寝付きが悪いと思いきや、ものの20分くらいで睡眠へと落ちていったのだが、20時から6時と言えども案外寝てしまえば一瞬で朝はすぐにでもやって来るものだ。
どんなに充分すぎるほど寝ても朝はどうしてもたくさん寝ていたい主義だから早寝しても意味がない気がしてなら無いよね……ふわぁああっ。
それにしても羨ましいほどの寝顔で起こすのが悪いようなほどの爆睡っぷりを見せつけてくれる結愛と瑞穂だが、悪いな……仕事に遅刻は許されたものじゃない、ここは強制的に起こさせてもらうぞ。
まずやってみたかった典型的な起こし方といえばこれ、フライパンとお玉の目覚まし……あっ、エプロンは残念ながらしないからな? 期待させておいてすまないけどそういうのは趣味似合わないんだ。
「ほら、朝だぞッ!! 起きろ。」
【コンコンッ……コンコンッ】
さすがに力量を加減して音量は軽くしておいたからガンガンって響き渡るレベルじゃなくコンコンって感じ。
こんなんじゃ小さな音じゃ起きないし効果も薄いのは知ってる、けどやっぱり大きな音ってやりにくいんだよなぁ……迷惑がられるのはさ。
「むぅう、もう朝?」
「ふぁ、よく寝た。」
「おはよう。」
とろーんと寝ぼけた瞳で見つめられへにゃんとした結愛のアホ毛が彼女の感情を物語っているのがわかるだろう?
結愛はあまり朝に強くなくてね、もちろん同一の存在の私も例外じゃない……それでも早起きと言うのは時としてしなきゃいけないこともあり今がその時なのさ。
それに見てみ? 私のアホ毛も元気がなくペッタリとしているでしょ?
とりあえず朝御飯は昨日の残りで代用するとしても、今は1分1秒も惜しいから二人とも着替えている間に布団を押し入れにたたんで詰め込むも、こうして考えてみると時間を朝から余すことなく考えて行動する様はまさに子持ちの主婦の気持ちだ。
なんと言うか不思議な忙しさだ……。
しばらくは燎煉で寝泊まりするはめになるだろうからここの布団が恋しくなるかもしれないが通気性をよくするためには開けっぱなしにさせてもらう。
普段は開けっぱなしだとモヤモヤして閉めたくなるが我慢だぞ……って、ん?
「結愛さんってそれが普段着なの?」
「えっ? おかしい……かしら?」
これに関しては文化や世界の違いだろうか?
もとよりどちらの世界にも神社という存在はあれど普通神社の家系に生まれることなんてほぼ無いからこういうのは何も知らない瑞穂にとっては新鮮味があって面白そうなのかもしれないし、目をキラキラと輝かしては羨ましそうにしているのが純粋で可愛らしい。
でも結愛にとっては巫女服が普段着と仕事着のデフォルト、真面目な時だから着るのであってお出掛けするときはたまにだが私服だって着ないことはない……まっ、十中八九私服なんて着ることはないだろうけどね、お気に入りらしいし。
私だって結愛と付き合いは長いけど私服姿なんて月に3回くらいしか見たことはないくらいだからね。
けどよく考えるとここは神社だ、巫女が巫女服を着る事が当たり前のようなもの。
というか結愛って女神でありながらそれを祀る巫女、ようするに自画自賛ってことになるけど……ツッコんじゃいけない。
「それで冥綾さんは相変わらずゴシックなドレスだよね。」
巫女服には尊敬の眼差しを向けるのになんでこのドレスにだけは視線を背けるような感じなんだ!?
差別だ差別。
あとで着てみたいって言っても貸してあげないからな。
「ハロウィンとかならこういうフリフリとか見ても痛々しくないわよね!!」
「好き好んで着てるから良いじゃないッ!!」
一番指摘されたくない所を容赦なく言われると心にグサッとクリティカルヒットが。
事前に防御バフかけてなかったらたぶん即死してたかもしれないわ。
……もちろんそんなバフなんてかけてないし言ってみただけだけど、本当は心を強く持たないといざ言われてみるとズタボロにされて吐血しそうなんだけど、子供って素直だから残酷よね。
……でも私だってわかってるんだよッ!!
こんな服装は受けないし、いけないのは私だって百も承知の上なのにコイツらは何も知らないで好き放題ズバズバと言って……。
確かにこんなゴスロリ着てたら視線は痛いのは知ってる、でもあいにく七刻だと別になにも言われない。
けどそれはあくまで主たちの世界軸やその他の類似した魔法の存在がおとぎ話と言われるようなファンタジー要素のないシリアスな世界だけの話。
それにそういう世界へ仮に行ったとしても私は不可視の存在になれるから別に誰になにも言われないなら別に良いもん。
と言うか朝御飯食べなきゃもう6時半だぞ?
さてさて、朝ご飯もしっかり食べたし眠気が襲ってくるのもこらえてなんとか顔を洗ってシャキッと気を引き閉めれば準備完了!!
2人ともいい表情じゃないか。
結愛は御幣に瑞穂はリュック……私は鎌を持参して靴を履き、境内に出てみると鳥居の前で結愛が立ち止まっては見上げた。
「さてっ、ワープゲートを開くわよっ!!」
結愛が神社の鳥居に手を振りかざし魔法をかけると紅いような半透明のような膜がユラユラと揺らめきながら展開されたがこれに瑞穂が驚いたのは言うまでもないだろう。
「わっ、何これ? なんか模様みたいな壁がウネウネと動いてるけど……。」
「ん? ワープゲートよ? 入ると別な場所に一瞬で移動できるの、便利でスゴいでしょっ!!」
燎煉は夜朧の隣だがよく考えてみればここから燎煉、実質夜朧と考えてくれても構わないが前回の事を思うと玄弥のキャンピングトラックで丸1日かけて神社へ到着できる距離となるとたった3時間では足りず、しかも徒歩でなんて到底無理なのは言わなくたってわかるだろう?
けどこの神社には各地方へと瞬時に移動できるワープゲートが管理されてるって訳。
「入るときとか痛くない?」
「痛いわけ無いでしょ……ほらっ行くわっ!!」
そういうとビシィっとお決まりのポーズをしながらニュッと元気よく入って行く結愛を見つめ、瑞穂も決意をし決めたのか恐る恐る飛び込んだが、なんか変だったな。
なんと言うかクロスチョップみたいなポーズで入って行ったが……。
まぁ私も入るとしま……ちょちょちょっ、時間切れ!?
ワープゲート閉じちゃったんだけど私おいてけぼりじゃない。
どんなに充分すぎるほど寝ても朝はどうしてもたくさん寝ていたい主義だから早寝しても意味がない気がしてなら無いよね……ふわぁああっ。
それにしても羨ましいほどの寝顔で起こすのが悪いようなほどの爆睡っぷりを見せつけてくれる結愛と瑞穂だが、悪いな……仕事に遅刻は許されたものじゃない、ここは強制的に起こさせてもらうぞ。
まずやってみたかった典型的な起こし方といえばこれ、フライパンとお玉の目覚まし……あっ、エプロンは残念ながらしないからな? 期待させておいてすまないけどそういうのは趣味似合わないんだ。
「ほら、朝だぞッ!! 起きろ。」
【コンコンッ……コンコンッ】
さすがに力量を加減して音量は軽くしておいたからガンガンって響き渡るレベルじゃなくコンコンって感じ。
こんなんじゃ小さな音じゃ起きないし効果も薄いのは知ってる、けどやっぱり大きな音ってやりにくいんだよなぁ……迷惑がられるのはさ。
「むぅう、もう朝?」
「ふぁ、よく寝た。」
「おはよう。」
とろーんと寝ぼけた瞳で見つめられへにゃんとした結愛のアホ毛が彼女の感情を物語っているのがわかるだろう?
結愛はあまり朝に強くなくてね、もちろん同一の存在の私も例外じゃない……それでも早起きと言うのは時としてしなきゃいけないこともあり今がその時なのさ。
それに見てみ? 私のアホ毛も元気がなくペッタリとしているでしょ?
とりあえず朝御飯は昨日の残りで代用するとしても、今は1分1秒も惜しいから二人とも着替えている間に布団を押し入れにたたんで詰め込むも、こうして考えてみると時間を朝から余すことなく考えて行動する様はまさに子持ちの主婦の気持ちだ。
なんと言うか不思議な忙しさだ……。
しばらくは燎煉で寝泊まりするはめになるだろうからここの布団が恋しくなるかもしれないが通気性をよくするためには開けっぱなしにさせてもらう。
普段は開けっぱなしだとモヤモヤして閉めたくなるが我慢だぞ……って、ん?
「結愛さんってそれが普段着なの?」
「えっ? おかしい……かしら?」
これに関しては文化や世界の違いだろうか?
もとよりどちらの世界にも神社という存在はあれど普通神社の家系に生まれることなんてほぼ無いからこういうのは何も知らない瑞穂にとっては新鮮味があって面白そうなのかもしれないし、目をキラキラと輝かしては羨ましそうにしているのが純粋で可愛らしい。
でも結愛にとっては巫女服が普段着と仕事着のデフォルト、真面目な時だから着るのであってお出掛けするときはたまにだが私服だって着ないことはない……まっ、十中八九私服なんて着ることはないだろうけどね、お気に入りらしいし。
私だって結愛と付き合いは長いけど私服姿なんて月に3回くらいしか見たことはないくらいだからね。
けどよく考えるとここは神社だ、巫女が巫女服を着る事が当たり前のようなもの。
というか結愛って女神でありながらそれを祀る巫女、ようするに自画自賛ってことになるけど……ツッコんじゃいけない。
「それで冥綾さんは相変わらずゴシックなドレスだよね。」
巫女服には尊敬の眼差しを向けるのになんでこのドレスにだけは視線を背けるような感じなんだ!?
差別だ差別。
あとで着てみたいって言っても貸してあげないからな。
「ハロウィンとかならこういうフリフリとか見ても痛々しくないわよね!!」
「好き好んで着てるから良いじゃないッ!!」
一番指摘されたくない所を容赦なく言われると心にグサッとクリティカルヒットが。
事前に防御バフかけてなかったらたぶん即死してたかもしれないわ。
……もちろんそんなバフなんてかけてないし言ってみただけだけど、本当は心を強く持たないといざ言われてみるとズタボロにされて吐血しそうなんだけど、子供って素直だから残酷よね。
……でも私だってわかってるんだよッ!!
こんな服装は受けないし、いけないのは私だって百も承知の上なのにコイツらは何も知らないで好き放題ズバズバと言って……。
確かにこんなゴスロリ着てたら視線は痛いのは知ってる、でもあいにく七刻だと別になにも言われない。
けどそれはあくまで主たちの世界軸やその他の類似した魔法の存在がおとぎ話と言われるようなファンタジー要素のないシリアスな世界だけの話。
それにそういう世界へ仮に行ったとしても私は不可視の存在になれるから別に誰になにも言われないなら別に良いもん。
と言うか朝御飯食べなきゃもう6時半だぞ?
さてさて、朝ご飯もしっかり食べたし眠気が襲ってくるのもこらえてなんとか顔を洗ってシャキッと気を引き閉めれば準備完了!!
2人ともいい表情じゃないか。
結愛は御幣に瑞穂はリュック……私は鎌を持参して靴を履き、境内に出てみると鳥居の前で結愛が立ち止まっては見上げた。
「さてっ、ワープゲートを開くわよっ!!」
結愛が神社の鳥居に手を振りかざし魔法をかけると紅いような半透明のような膜がユラユラと揺らめきながら展開されたがこれに瑞穂が驚いたのは言うまでもないだろう。
「わっ、何これ? なんか模様みたいな壁がウネウネと動いてるけど……。」
「ん? ワープゲートよ? 入ると別な場所に一瞬で移動できるの、便利でスゴいでしょっ!!」
燎煉は夜朧の隣だがよく考えてみればここから燎煉、実質夜朧と考えてくれても構わないが前回の事を思うと玄弥のキャンピングトラックで丸1日かけて神社へ到着できる距離となるとたった3時間では足りず、しかも徒歩でなんて到底無理なのは言わなくたってわかるだろう?
けどこの神社には各地方へと瞬時に移動できるワープゲートが管理されてるって訳。
「入るときとか痛くない?」
「痛いわけ無いでしょ……ほらっ行くわっ!!」
そういうとビシィっとお決まりのポーズをしながらニュッと元気よく入って行く結愛を見つめ、瑞穂も決意をし決めたのか恐る恐る飛び込んだが、なんか変だったな。
なんと言うかクロスチョップみたいなポーズで入って行ったが……。
まぁ私も入るとしま……ちょちょちょっ、時間切れ!?
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