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第2章【月曜の荒野《夜朧》】

二人でお散歩へ

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 天音が作った料理はやはり最高だ。
 コクがあって濃厚で……劇的に太りそうなほど高カロリーのカルボナーラを頬張る私。
 玄弥が居たって構うものか、まぐまぐと一心不乱に食べ続ける。
 女が上品に食べないなどとどこの誰がそんなことを言ったんだ……ってね、だから私は空腹に勝てぬあまりカルボナーラを食い尽くしてやってるのさ。



 とは言うものの少し多目に持ってきてはくれたが空腹の前ではなんとも無意味、食べ終わるのに10分もかからなかったがいかんせん眠くなってくる。
 プレハブなのに適度に涼しくてポカポカと太陽光が照らしてくれて眠いのなんの。
 わかる? この気持ち……いや、わかって。

「うーん、食べたら眠くなってきた。 わたしゃここで帰る時間になるまで寝てる。」

 テーブルに頭を伏せてアホ毛をピョコピョコ動かしてはジェスチャーで対応する。
 これに反応して聖奈のも玄弥のも、挙げ句のはてには天音のアホ毛もつられてゆらりゆらりと……。
 これだけで意思の疎通が大半可能だから面白いものだ。

「私もめ~ちゃんにつられて眠くなっちゃったかも~。 それじゃあねぇ。」

 私らご一行に腕を振ったのちベッドに潜り込む。
 彼女は1度寝てしまえば【軽く寝る】という概念があまり無いので放っておいたら普通に8時間は眠ってしまう。
 だから寝る前に保険としてバイバーイって挨拶しておいたのさ。

「んじゃ、俺は聖奈を連れて港をグルッと見て回らせるとするか……1時間もあれば上出来だ。」

 私がビクッとジャーキング現象の様に勝手に反応する。
 それもそうだ、玄弥と聖奈も2人っきりにさせたら核融合より恐ろしいことが起きそうで怖くてたまらないが、眠気が強かったからそんなことなんてどうでもよく思えてきた。
 もう2人でどこにでも好きなところへ行ってきてくれ……私はここで待ってるからな。



 ……私の記憶はここら辺で深い眠りについた。















 プレハブから出たらすぐそこはもう港が見える海の広場。
 彼女の視線が美しいレンガ造りの港に釘付けになって立ち尽くすのにも無理はないだろう。
 つい最近まではきれいな海が見えるだけの場所が、今やどうだろう……景色と調和してさらに美しい街並みとなっている。

 それと同時に帰ったら夜朧がどのように生まれ変わるのかが想像にもできないくらい嬉しくて、心が高鳴る。
 皆で作った長屋、そして玄弥が独りで一生懸命に作った和風のお城。

 スゴく心の脈拍が速くなりドキドキするのは夜朧が生まれ変わる事に嬉しさを感じているからだろうか?
 それとも……。



 ……彼が隣にいるからだろうか?



 理由はわからないものの、聖奈は微笑んだ。

「港の他にも陽光の設備は急ピッチで色々作られていくからな、夜朧も負けてられないぜ? お城とかできたら次は大きな田園を作って米をたくさん作りたいぜ。 あとは酒場とか……その他もろもろだな。」

「いい考えですね。」

 物事が終わったら【ハイ、そこで終わり】ではない。
 次へ次へと仕事を進めるのが彼の流儀。
 夜朧にただ長屋とお城を建築しただけだと住まいがグレードアップしただけに過ぎず、食べ物の事情は全く解消されない。
 まぁ、酒場に至っては完璧彼の趣旨で建てようとしてるのかもしれないのだが……。

 それに玄弥は決して困っている場所や人を見捨てたりはするような人でもなければ性格でもなく、ましてや七刻の神ならなおさらである。

 七刻を愛している、己の持ち場の風見も……美しい海の見える陽光も、そして今はまだ発展途上の夜朧も、その他の場所もみんなみんな愛している。
 それがわかる男だ。

 ……だからだろうか。
 別な意味でドキドキするのは……。
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