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「マデリーヌ…私の、私だけの可愛い女……」
激しい情交の末、マデリーヌは意識を失い深い眠りについていた。
すやすやと寝息を立てて眠るマデリーヌの頬を、ベルゼーガは愛おしげにそっと撫でる。
ひとしきりマデリーヌの寝顔と体温を堪能すると、いまだ彼女と繋がったままの陰茎を名残惜しみながら、ゆっくりと引き抜いた。
すると、肉栓を抜いた秘裂から泡だった精液と愛液、そして破瓜の血が混ざった赤みを帯びた体液が糸を引きながらドロリと流れ出した。
その淫らな情景は、ベルゼーガの身の内をジリジリと燃やし、焦燥感にも似た狂おしい肉欲をもたらしてくる。
今しがた、愛する女の胎内に思いの丈を全て放出したばかりだというのに。
しかし射精を終えてから力を失ったはずの肉茎は再び硬く隆起しており、互いの体液をべったりとまとわりつかせてテラテラと濡れ光っている。
愛欲の残滓に濡れた陰茎にまとわりつく一筋の鮮血――それは、ベルゼーガがマデリーヌの処女を貫いた証だ。
その罪深くも甘美な朱がベルゼーガを陶然とさせ、目を眩ませる。
不可解な事はもう一つあった。
女を抱き、一度欲望を満たしてしまえばたとえ情を交わした相手であろうと、まるで潮が引いていくように熱と感心が醒めていく、あの白けた感覚。
しかしそれが、どういうことか今は全く湧いてこなかった。
それどころか、もっと貪り尽くしたいという欲求が芽生え、欲情を抑えきれない程だ。
身を焼き尽くさんばかりに燃え滾る肉欲の焔が全身を燻り、喉がひどく渇いてくる。
気がつけば、屈託なく清らかな寝顔を浮かべながら眠るマデリーヌに手を伸ばしていた。
――ああ、この甘く芳しい柔らかな肌に触れたい。
思うがままに貪り、肉欲の飢えを、渇きを満たし癒やしたいという邪な欲求が高まってくる。
だが、ベルゼーガの手はマデリーヌにいよいよ触れる直前という所でピタリと止まった。
背中を炙られるような欲望の渦を無言で堪え、じっとマデリーヌを見据える。
マデリーヌに触れようとした手が宙を掻き、幾ばくかの逡巡の後、その手は陰茎の根元に添えられた。
愛しくてたまらないのに、この腕にかき抱いていっそ壊してしまいたい――背反する矛盾した気持ちはしかし、確かに彼女を恋うる想いに他ならない。
無垢な寝姿を傍らで見ているだけだというのに、こんなにも自分を昂ぶらせる情人が愛しく、憎らしい。
どうしようもない愛憎の狭間で、ベルゼーガは無心で剛直を扱いていた。
「くあっ……出る、マデリーヌッ……!」
数回扱いただけで吐精出来るほどに張り詰めた自身をマデリーヌに向け、獣のような咆哮を上げながら、勢いよく精を解き放った。
二度、三度と数回に渡り吐き出された精は、弧を描きながらマデリーヌに降り注ぎ、全身を白濁で染めていく。
饐えた性臭を放つ体液に塗れながらも、マデリーヌは穢れを知らぬ眠れる乙女の姿でベルゼーガを魅了し続けていた。
翌朝、マデリーヌは全身の痛みと鉛のように重い身体を抱えたまま目覚めた。
秘所がヒリヒリと痛み、昨夜の荒淫の代償といえる疼痛に眉を顰める。
目覚めてすぐは頭痛が酷くて周囲の様子に気づけなかったが、痛みが引いてからここが昨夜ベルゼーガと肌を重ねた舞踏会の一室ではないことを知った。
目覚めた時にはベルゼーガの姿はなく、一人見知らぬ部屋の寝台で寝かされていたのだった。
汗と体液に塗れて汚れていた身体は綺麗に拭かれていたし、ベルゼーガの手で破られた薄紫色のドレスは脱がされ、代わりに薄い絹の寝間着に着替えさせられていた。
見覚えのない室内、白い天井。
まだ眠気が残るマデリーヌを窓から差し込む温かな光りが包んでいる。
ふと、寝台の横に備え付けられている猫足のサイドテーブルに視線を注ぐ。
そこには目にも鮮やかな紅い薔薇が三本、花瓶に生けられていたのだった。
まだ瑞々しい花びらと葉から早朝に摘み取ったものと知れる。
一体誰が置いたのだろうか――という疑問も、その芳しい香りを嗅いでいる間に対して気にならなくなっていた。
慎ましやかで可憐に咲き誇る花姿は、マデリーヌの痛む身体と心をを和ませてくれていたのだった。
激しい情交の末、マデリーヌは意識を失い深い眠りについていた。
すやすやと寝息を立てて眠るマデリーヌの頬を、ベルゼーガは愛おしげにそっと撫でる。
ひとしきりマデリーヌの寝顔と体温を堪能すると、いまだ彼女と繋がったままの陰茎を名残惜しみながら、ゆっくりと引き抜いた。
すると、肉栓を抜いた秘裂から泡だった精液と愛液、そして破瓜の血が混ざった赤みを帯びた体液が糸を引きながらドロリと流れ出した。
その淫らな情景は、ベルゼーガの身の内をジリジリと燃やし、焦燥感にも似た狂おしい肉欲をもたらしてくる。
今しがた、愛する女の胎内に思いの丈を全て放出したばかりだというのに。
しかし射精を終えてから力を失ったはずの肉茎は再び硬く隆起しており、互いの体液をべったりとまとわりつかせてテラテラと濡れ光っている。
愛欲の残滓に濡れた陰茎にまとわりつく一筋の鮮血――それは、ベルゼーガがマデリーヌの処女を貫いた証だ。
その罪深くも甘美な朱がベルゼーガを陶然とさせ、目を眩ませる。
不可解な事はもう一つあった。
女を抱き、一度欲望を満たしてしまえばたとえ情を交わした相手であろうと、まるで潮が引いていくように熱と感心が醒めていく、あの白けた感覚。
しかしそれが、どういうことか今は全く湧いてこなかった。
それどころか、もっと貪り尽くしたいという欲求が芽生え、欲情を抑えきれない程だ。
身を焼き尽くさんばかりに燃え滾る肉欲の焔が全身を燻り、喉がひどく渇いてくる。
気がつけば、屈託なく清らかな寝顔を浮かべながら眠るマデリーヌに手を伸ばしていた。
――ああ、この甘く芳しい柔らかな肌に触れたい。
思うがままに貪り、肉欲の飢えを、渇きを満たし癒やしたいという邪な欲求が高まってくる。
だが、ベルゼーガの手はマデリーヌにいよいよ触れる直前という所でピタリと止まった。
背中を炙られるような欲望の渦を無言で堪え、じっとマデリーヌを見据える。
マデリーヌに触れようとした手が宙を掻き、幾ばくかの逡巡の後、その手は陰茎の根元に添えられた。
愛しくてたまらないのに、この腕にかき抱いていっそ壊してしまいたい――背反する矛盾した気持ちはしかし、確かに彼女を恋うる想いに他ならない。
無垢な寝姿を傍らで見ているだけだというのに、こんなにも自分を昂ぶらせる情人が愛しく、憎らしい。
どうしようもない愛憎の狭間で、ベルゼーガは無心で剛直を扱いていた。
「くあっ……出る、マデリーヌッ……!」
数回扱いただけで吐精出来るほどに張り詰めた自身をマデリーヌに向け、獣のような咆哮を上げながら、勢いよく精を解き放った。
二度、三度と数回に渡り吐き出された精は、弧を描きながらマデリーヌに降り注ぎ、全身を白濁で染めていく。
饐えた性臭を放つ体液に塗れながらも、マデリーヌは穢れを知らぬ眠れる乙女の姿でベルゼーガを魅了し続けていた。
翌朝、マデリーヌは全身の痛みと鉛のように重い身体を抱えたまま目覚めた。
秘所がヒリヒリと痛み、昨夜の荒淫の代償といえる疼痛に眉を顰める。
目覚めてすぐは頭痛が酷くて周囲の様子に気づけなかったが、痛みが引いてからここが昨夜ベルゼーガと肌を重ねた舞踏会の一室ではないことを知った。
目覚めた時にはベルゼーガの姿はなく、一人見知らぬ部屋の寝台で寝かされていたのだった。
汗と体液に塗れて汚れていた身体は綺麗に拭かれていたし、ベルゼーガの手で破られた薄紫色のドレスは脱がされ、代わりに薄い絹の寝間着に着替えさせられていた。
見覚えのない室内、白い天井。
まだ眠気が残るマデリーヌを窓から差し込む温かな光りが包んでいる。
ふと、寝台の横に備え付けられている猫足のサイドテーブルに視線を注ぐ。
そこには目にも鮮やかな紅い薔薇が三本、花瓶に生けられていたのだった。
まだ瑞々しい花びらと葉から早朝に摘み取ったものと知れる。
一体誰が置いたのだろうか――という疑問も、その芳しい香りを嗅いでいる間に対して気にならなくなっていた。
慎ましやかで可憐に咲き誇る花姿は、マデリーヌの痛む身体と心をを和ませてくれていたのだった。
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