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風吹く星よ
タリスマン
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ヴィニアちゃんとピギが見学から帰ってきた。
「ただいま。凄いな、この船!」
「ありがとう」
「近衛隊にもこんな船が欲しいな」
「立派な船があるでしょ?」
エンジ島に来る時に、彼女が乗ってきた近衛隊の戦艦は立派な物だった。
宇宙に行く機能はないはずだが、この船に負けていない。
「あの船、娯楽が少ないんだよ」
「そりゃ、戦艦だからね」
マイグラントは長い航海に備えて、多数の娯楽を取り揃えている。
ユラさんのための各種ボードゲーム。ダーツやビリヤード台などもコネコに頼んで作ってもらった。
娯楽はそれだけじゃない。
ファルシュのシミュレーターをゲーム機として使えば、僕がプログラミングの練習で作成したゲームも遊べる。
レースゲームからアクションゲームまで、色んなジャンルのゲームがインストールされているのだ。
‐
「それにこのお菓子も美味しいし」
「それは拾号のおかげだよ」
ヴィニアちゃんは拾号の作ったクッキーを摘むと、頬を緩ませる。
作業ロボ拾号は拠点の掃除や料理などを任せている。
最初はインスタントしか作れなかったが、今ではちゃんとした料理を作れるまでに成長していた。
特に、お菓子は和三盆さんとかの指導を受けたことで、プロ級になっていた。
「そうだ。これ渡しておくね」
三人に腕輪を渡した。
最初は無機質なデザインだったが、常に身に着けると悪目立ちしたため、コネコデザインのものになった。
「何だこれ?」
「身分証明書みたいなものだよ。この船にいる時は絶対に着けてね。じゃないと、マイグラントのセキュリティシステムに侵入者として、判定されるから」
この腕輪にはもう一つ役割がある。
生命力吸収を防げるのだ。
あのデータと今回の実験のおかげでどうにか開発に成功したのだ。
タリスマン。
ライフクリスタルを特殊加工して作った物だ。
中にはライフストリームが貯蓄されており、所持者の生命力が吸収されそうになると、代わりにここから吸収するようになっている。
タリスマンにしたライフクリスタルは通常のライフクリスタルと違って、生命力を吸収しない。
エネルギーの霧散もほとんど起こらないから、時間経過で効果は無くならない。
ただし、タリスマンは動力としてはもう使えない。
ライフストリームの保存力に優れているから、どうにかして動力として使用できないか頑張ったが、無理だった。
通常のライフクリスタルにタリスマンのような保存力を確立させることはまだできていなかった。
もっと研究する必要がある。
クインシフにはマイグラントで行くことになっている。
マイグラントは元が輸送船なので、大気圏内のでの航行も普通にできるのだ。
最初はクインシフまで向こうが船を用意してくれる手筈になっていたんだけど、断った。
せっかくだし、自分たちの船で行きたかったからだ。
それに、クインシフまでの道中、宇宙に持っていく食料や鉄などの資材を買い集める予定だから、マイグラントで行った方が都合が良かった。
マイグラントの積載量は既存の船よりも多い。
離れ島の拠点にある設備を移設しており、かなりのスペースが塞がっているが、それでも既存の船の倍以上は積み込むことが可能だ。
コネコのデザインコンクール優勝賞品とBSゴルゴン討伐のクエストクリア報酬のおかげだ。
コネコが選んだ賞品は次元コンテナ。外部インベントリだ。
コンテナは縦横高さ10m以上ある。デバイスと同じく、ロボットなどの精密機械は入れることはできない。
デバイスにあるインベントリ機能のように持ち歩けないので利便性は劣るが、入れられる量は多い。
最大まで積み込んでいけば、宇宙で資源不足に陥ることはないだろう。
特に、重要なのは鉄などの資材ではなくて、食料だ。
小麦などの穀類は最優先で集めるつもりである。
すでに注文して代金の支払いを終えている。後は受け取るだけだ。
水も忘れてはいけない。
ベース22には水の生成装置があるが、ズールを倒すために汚染物質を投げ込んでしまった。
ちゃんと修理できるか分からないから、無くても大丈夫なように大量に持っていくつもりだ。
クインシフへはヴィニアちゃんも一緒だ。
国から連れてきてほしいと頼まれた。
彼女の安全が確保されたんだろうか?
離れ島の拠点にあった設備の大半は宇宙船に移したが、バイオテク装置や溶鉱炉などの大型の物はまだ積み込んでいない。
前者は持ち歩くのは危険だから、後者は解体に時間が掛かっているからだ。
バイオテク装置はまだ自分で作れないし、販売もしていない。
壊れたりしたら、滅茶苦茶困る。
作業ロボを三体置いてくるつもりなので、島に戻る頃には解体が完了しているはずだ。
「ただいま。凄いな、この船!」
「ありがとう」
「近衛隊にもこんな船が欲しいな」
「立派な船があるでしょ?」
エンジ島に来る時に、彼女が乗ってきた近衛隊の戦艦は立派な物だった。
宇宙に行く機能はないはずだが、この船に負けていない。
「あの船、娯楽が少ないんだよ」
「そりゃ、戦艦だからね」
マイグラントは長い航海に備えて、多数の娯楽を取り揃えている。
ユラさんのための各種ボードゲーム。ダーツやビリヤード台などもコネコに頼んで作ってもらった。
娯楽はそれだけじゃない。
ファルシュのシミュレーターをゲーム機として使えば、僕がプログラミングの練習で作成したゲームも遊べる。
レースゲームからアクションゲームまで、色んなジャンルのゲームがインストールされているのだ。
‐
「それにこのお菓子も美味しいし」
「それは拾号のおかげだよ」
ヴィニアちゃんは拾号の作ったクッキーを摘むと、頬を緩ませる。
作業ロボ拾号は拠点の掃除や料理などを任せている。
最初はインスタントしか作れなかったが、今ではちゃんとした料理を作れるまでに成長していた。
特に、お菓子は和三盆さんとかの指導を受けたことで、プロ級になっていた。
「そうだ。これ渡しておくね」
三人に腕輪を渡した。
最初は無機質なデザインだったが、常に身に着けると悪目立ちしたため、コネコデザインのものになった。
「何だこれ?」
「身分証明書みたいなものだよ。この船にいる時は絶対に着けてね。じゃないと、マイグラントのセキュリティシステムに侵入者として、判定されるから」
この腕輪にはもう一つ役割がある。
生命力吸収を防げるのだ。
あのデータと今回の実験のおかげでどうにか開発に成功したのだ。
タリスマン。
ライフクリスタルを特殊加工して作った物だ。
中にはライフストリームが貯蓄されており、所持者の生命力が吸収されそうになると、代わりにここから吸収するようになっている。
タリスマンにしたライフクリスタルは通常のライフクリスタルと違って、生命力を吸収しない。
エネルギーの霧散もほとんど起こらないから、時間経過で効果は無くならない。
ただし、タリスマンは動力としてはもう使えない。
ライフストリームの保存力に優れているから、どうにかして動力として使用できないか頑張ったが、無理だった。
通常のライフクリスタルにタリスマンのような保存力を確立させることはまだできていなかった。
もっと研究する必要がある。
クインシフにはマイグラントで行くことになっている。
マイグラントは元が輸送船なので、大気圏内のでの航行も普通にできるのだ。
最初はクインシフまで向こうが船を用意してくれる手筈になっていたんだけど、断った。
せっかくだし、自分たちの船で行きたかったからだ。
それに、クインシフまでの道中、宇宙に持っていく食料や鉄などの資材を買い集める予定だから、マイグラントで行った方が都合が良かった。
マイグラントの積載量は既存の船よりも多い。
離れ島の拠点にある設備を移設しており、かなりのスペースが塞がっているが、それでも既存の船の倍以上は積み込むことが可能だ。
コネコのデザインコンクール優勝賞品とBSゴルゴン討伐のクエストクリア報酬のおかげだ。
コネコが選んだ賞品は次元コンテナ。外部インベントリだ。
コンテナは縦横高さ10m以上ある。デバイスと同じく、ロボットなどの精密機械は入れることはできない。
デバイスにあるインベントリ機能のように持ち歩けないので利便性は劣るが、入れられる量は多い。
最大まで積み込んでいけば、宇宙で資源不足に陥ることはないだろう。
特に、重要なのは鉄などの資材ではなくて、食料だ。
小麦などの穀類は最優先で集めるつもりである。
すでに注文して代金の支払いを終えている。後は受け取るだけだ。
水も忘れてはいけない。
ベース22には水の生成装置があるが、ズールを倒すために汚染物質を投げ込んでしまった。
ちゃんと修理できるか分からないから、無くても大丈夫なように大量に持っていくつもりだ。
クインシフへはヴィニアちゃんも一緒だ。
国から連れてきてほしいと頼まれた。
彼女の安全が確保されたんだろうか?
離れ島の拠点にあった設備の大半は宇宙船に移したが、バイオテク装置や溶鉱炉などの大型の物はまだ積み込んでいない。
前者は持ち歩くのは危険だから、後者は解体に時間が掛かっているからだ。
バイオテク装置はまだ自分で作れないし、販売もしていない。
壊れたりしたら、滅茶苦茶困る。
作業ロボを三体置いてくるつもりなので、島に戻る頃には解体が完了しているはずだ。
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