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1章:最悪の旅立ち
夜猫の二拍子舞踏 01
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◆ ◆ ◆ ◆ ◆
アンシエは夕焼けの色に染まるシズマの街路から聖堂を見上げていた。胸元に手を当て、心の中で女神への祈りを捧げている。
凛とした意志を感じさせる瞳が印象的で、美しいというより勇ましい顔立ち。肩のやや下までの髪を、邪魔にならないように短く結えている彼女は一見すると、どことなく品を感じさせる佇まいから貴族令嬢のようにも見える。だが、その身に纏っている白銀の騎士甲冑が、他の何よりも彼女の素性を物語っていた。
即ち、聖堂に駐在する「聖堂騎士」だ。
聖堂騎士とは、聖堂騎士団――その名の通り聖堂に仕える騎士で構成される、剣であり、楯であり、国ではなく聖堂を守る組織の一員。主に、聖堂の警護や、聖堂の関係者の護衛などを仕事とし、非常時には聖堂の武力としても機能できる。
要は、女神聖堂が独自に保有する組織的武力の一つである。
「さて……」
祈りを終えたアンシエは聖堂から視線を外すと踵を返し、自らの任務へと戻っていく。もうすぐで交代の時間だが、最後まで手を抜く事はしない。
アンシエの今回の任務は街の治安維持である。今やっているのは怪しい人物がいないかどうか目を光らせ、もし騒ぎが起きればそれを鎮圧するための巡回だった。
基本、街ごとの治安維持は王国軍士団から派遣される軍士の領分であり、聖堂騎士とは住み分けがなされている。だが、人手不足で手が回らない場合や、あるいは特殊な事情がある場合などには、アンシエのような騎士団の者に応援が求められる事もある。
十数日前から、シズマでは魔物の目撃情報が相次いでいる。
これが街の外で見たというのであればまだ良いのだが、街中でも襲われたという報告が上がっており、しかもそれが複数件に上るのだ。
もし外から入り込んだのだとすれば軍士団の管轄であり、最初こそ彼らは躍起になってその魔物を探していた。
だが、尻尾を掴めないどころか被害報告が増える一方で、こうなっては同じ街に詰める騎士団も無関係ではないと、体面より市民の安全を第一に考えられる軍士隊長からの嘆願もあって、こうして出番が回って来たわけである。
「今のところ気配はなし、と。やはり夜にならないと出てこないのか……?」
聖堂の前の広場は市場になっており、夕方にも関わらず露天商や行商人などが集まっていて賑わっている。しかし、人が集まるからこそ、トラブルが起こりやすい場所でもあり、アンシエはその一つ一つを丁寧に見て回る。
その魔物――特徴から軍士団では「ネコ」と呼ばれているらしい――が目撃されるのは決まって夜だという話なので、まだそこまで警戒する必要はないのかもしれない。だが、万一に備えて気を引き締めておく必要はある。
それとは別に女神に仕える騎士として、そして治安維持の任務を全うするという意味も含めて、怪しい人物がいないか常に目を光らせておくべきだろう。
そんな事を考えながら歩いていると、ふと視界の端に見知った姿を見つける。
アンシエと同じ聖堂騎士の甲冑を着た女性だ。彼女はアンシエと同じように辺りを警戒しつつ歩いていたのだが、やがて足を止めるとキョロキョロと周囲を見渡し始める。
そして、ある方向を見ると、軽い足取りでそちらへ走り出す。
何か見つけたのかと思い、その先にあるものを見て――アンシエは小さく息をつく。
そこには露店があり、果物を売っていたのだ。
彼女は店主に話しかけると上機嫌に何事かを話している。おそらくあの店で売っている果物を買おうとしているのだろう。
アンシエも少し遅れて近づき、そして呆れた口調で声をかける。
「おい、そこの騎士殿」
「はい? ……って、アンシエさん!?」
「今は任務中だぞ、オリビア。それと、私に“さん”はいらんと言ったはずだ」
「あ、すみません。つい癖で……あっ、アンシエさんも果物食べます?」
そう言って、オリビアはにへらと笑いながら手に持っていたリンゴを差し出してくる。
熟した真っ赤な果物は見てるだけで美味しそうだが、アンシエはそれを手で制すると、首を横に振って断る。
「いや、私はいい。ていうか、もう買っていたのか」
「はい! お安くしてもらったんです!」
「またか……」
はぁ、とため息をつくアンシエだったが、別に怒ってはいない。むしろこのやり取りはいつもの事なのだ。だから、こうなる事はオリビアの姿が見えた時点で半ば予想していた。
彼女の名はオリビア。アンシエの同僚にして同期の聖堂騎士である。
栗色の髪を後ろにまとめた髪型は快活さを醸しており、その丸い瞳には爛々とした輝きが宿っている。性格の方も実直そのもので、誰に対しても分け隔てなく接してくれるため、同僚達からも好かれている。
全体的に健康的な印象を受ける彼女だが、ただ一つ欠点を上げるとすれば、それは少々食い意地が張っているところだろうか。
今もアンシエの言葉を聞いているのかいないのか、すでに買ったばかりの果物を頬張り始めている。彼女は口元についた果汁を指先でべたべたに拭うと、実に幸せそうな表情を浮かべた。
まるで小動物のようなその姿に、思わず苦笑してしまう。
「まあいいか……。それより、もうそろそろ時間だから戻るぞ」
「えっ、もうですか?」
「ああ。巡回の交代まであと十分程しかない。あまり遅れるのは良くないからな」
アンシエの言葉を聞いて、オリビアは慌てた様子を見せる。
「わわ、本当ですね! すぐに戻りましょう! ――もぐ」
「危ないから歩きながら食べるのはやめなさい」
アンシエはそう言うと、オリビアの手から食べかけのリンゴを奪い取る。
ふたりとも成人済みの同い年だが、オリビアの背丈はアンシエの胸くらいまでしかないため、並んでいると姉妹のようにしか見えない。そんな身長差もあり、その手から果物を奪い取るのは容易だった。
「あーん……、ひどいです、アンシエさん」
「あとで返してやる。ほら、行くぞ」
不満げに唇を尖らせるオリビアを連れて、アンシエは市場を後にする。
「次の巡回は夜からだ。オリビアはいつも任務と関係ないところで体力を消耗するからな。夜にそなえてちゃんと休んでおけよ」
「むぅ……、確かに最近ちょっと疲れが抜けなくて困っているんですよね。朝はなんだかダルいし……だからかなー、お腹の減りがいつもより調子良くって! えへへぇ」
「お前がよく食べるのはいつもの事だろう……。それと調子がいいなら、任務にももっと精を出してくれれば助かるんだが」
「うぐっ……」
そんなやりとりをしながら聖堂へと戻り、オリビアとはそこで一旦別れる。
約束通り返してやったリンゴを片手に真っ先に食堂のある方へ駆けていく彼女を見て、アンシエはやれやれと嘆息する。
アンシエは夕焼けの色に染まるシズマの街路から聖堂を見上げていた。胸元に手を当て、心の中で女神への祈りを捧げている。
凛とした意志を感じさせる瞳が印象的で、美しいというより勇ましい顔立ち。肩のやや下までの髪を、邪魔にならないように短く結えている彼女は一見すると、どことなく品を感じさせる佇まいから貴族令嬢のようにも見える。だが、その身に纏っている白銀の騎士甲冑が、他の何よりも彼女の素性を物語っていた。
即ち、聖堂に駐在する「聖堂騎士」だ。
聖堂騎士とは、聖堂騎士団――その名の通り聖堂に仕える騎士で構成される、剣であり、楯であり、国ではなく聖堂を守る組織の一員。主に、聖堂の警護や、聖堂の関係者の護衛などを仕事とし、非常時には聖堂の武力としても機能できる。
要は、女神聖堂が独自に保有する組織的武力の一つである。
「さて……」
祈りを終えたアンシエは聖堂から視線を外すと踵を返し、自らの任務へと戻っていく。もうすぐで交代の時間だが、最後まで手を抜く事はしない。
アンシエの今回の任務は街の治安維持である。今やっているのは怪しい人物がいないかどうか目を光らせ、もし騒ぎが起きればそれを鎮圧するための巡回だった。
基本、街ごとの治安維持は王国軍士団から派遣される軍士の領分であり、聖堂騎士とは住み分けがなされている。だが、人手不足で手が回らない場合や、あるいは特殊な事情がある場合などには、アンシエのような騎士団の者に応援が求められる事もある。
十数日前から、シズマでは魔物の目撃情報が相次いでいる。
これが街の外で見たというのであればまだ良いのだが、街中でも襲われたという報告が上がっており、しかもそれが複数件に上るのだ。
もし外から入り込んだのだとすれば軍士団の管轄であり、最初こそ彼らは躍起になってその魔物を探していた。
だが、尻尾を掴めないどころか被害報告が増える一方で、こうなっては同じ街に詰める騎士団も無関係ではないと、体面より市民の安全を第一に考えられる軍士隊長からの嘆願もあって、こうして出番が回って来たわけである。
「今のところ気配はなし、と。やはり夜にならないと出てこないのか……?」
聖堂の前の広場は市場になっており、夕方にも関わらず露天商や行商人などが集まっていて賑わっている。しかし、人が集まるからこそ、トラブルが起こりやすい場所でもあり、アンシエはその一つ一つを丁寧に見て回る。
その魔物――特徴から軍士団では「ネコ」と呼ばれているらしい――が目撃されるのは決まって夜だという話なので、まだそこまで警戒する必要はないのかもしれない。だが、万一に備えて気を引き締めておく必要はある。
それとは別に女神に仕える騎士として、そして治安維持の任務を全うするという意味も含めて、怪しい人物がいないか常に目を光らせておくべきだろう。
そんな事を考えながら歩いていると、ふと視界の端に見知った姿を見つける。
アンシエと同じ聖堂騎士の甲冑を着た女性だ。彼女はアンシエと同じように辺りを警戒しつつ歩いていたのだが、やがて足を止めるとキョロキョロと周囲を見渡し始める。
そして、ある方向を見ると、軽い足取りでそちらへ走り出す。
何か見つけたのかと思い、その先にあるものを見て――アンシエは小さく息をつく。
そこには露店があり、果物を売っていたのだ。
彼女は店主に話しかけると上機嫌に何事かを話している。おそらくあの店で売っている果物を買おうとしているのだろう。
アンシエも少し遅れて近づき、そして呆れた口調で声をかける。
「おい、そこの騎士殿」
「はい? ……って、アンシエさん!?」
「今は任務中だぞ、オリビア。それと、私に“さん”はいらんと言ったはずだ」
「あ、すみません。つい癖で……あっ、アンシエさんも果物食べます?」
そう言って、オリビアはにへらと笑いながら手に持っていたリンゴを差し出してくる。
熟した真っ赤な果物は見てるだけで美味しそうだが、アンシエはそれを手で制すると、首を横に振って断る。
「いや、私はいい。ていうか、もう買っていたのか」
「はい! お安くしてもらったんです!」
「またか……」
はぁ、とため息をつくアンシエだったが、別に怒ってはいない。むしろこのやり取りはいつもの事なのだ。だから、こうなる事はオリビアの姿が見えた時点で半ば予想していた。
彼女の名はオリビア。アンシエの同僚にして同期の聖堂騎士である。
栗色の髪を後ろにまとめた髪型は快活さを醸しており、その丸い瞳には爛々とした輝きが宿っている。性格の方も実直そのもので、誰に対しても分け隔てなく接してくれるため、同僚達からも好かれている。
全体的に健康的な印象を受ける彼女だが、ただ一つ欠点を上げるとすれば、それは少々食い意地が張っているところだろうか。
今もアンシエの言葉を聞いているのかいないのか、すでに買ったばかりの果物を頬張り始めている。彼女は口元についた果汁を指先でべたべたに拭うと、実に幸せそうな表情を浮かべた。
まるで小動物のようなその姿に、思わず苦笑してしまう。
「まあいいか……。それより、もうそろそろ時間だから戻るぞ」
「えっ、もうですか?」
「ああ。巡回の交代まであと十分程しかない。あまり遅れるのは良くないからな」
アンシエの言葉を聞いて、オリビアは慌てた様子を見せる。
「わわ、本当ですね! すぐに戻りましょう! ――もぐ」
「危ないから歩きながら食べるのはやめなさい」
アンシエはそう言うと、オリビアの手から食べかけのリンゴを奪い取る。
ふたりとも成人済みの同い年だが、オリビアの背丈はアンシエの胸くらいまでしかないため、並んでいると姉妹のようにしか見えない。そんな身長差もあり、その手から果物を奪い取るのは容易だった。
「あーん……、ひどいです、アンシエさん」
「あとで返してやる。ほら、行くぞ」
不満げに唇を尖らせるオリビアを連れて、アンシエは市場を後にする。
「次の巡回は夜からだ。オリビアはいつも任務と関係ないところで体力を消耗するからな。夜にそなえてちゃんと休んでおけよ」
「むぅ……、確かに最近ちょっと疲れが抜けなくて困っているんですよね。朝はなんだかダルいし……だからかなー、お腹の減りがいつもより調子良くって! えへへぇ」
「お前がよく食べるのはいつもの事だろう……。それと調子がいいなら、任務にももっと精を出してくれれば助かるんだが」
「うぐっ……」
そんなやりとりをしながら聖堂へと戻り、オリビアとはそこで一旦別れる。
約束通り返してやったリンゴを片手に真っ先に食堂のある方へ駆けていく彼女を見て、アンシエはやれやれと嘆息する。
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