8 / 40
1章:最悪の旅立ち
逃“飛”行 02
しおりを挟む
奇妙な“杖”のグリップを握って先端を差し向けながら、メリスは淡々と告げる。
どうやらマンゾルが途中から彼女を無視していた――おそらくアイルを問い詰めるのに夢中で完全に忘れていたのだろう――のが気に食わなかったらしい。
今の出来事に衛兵達は明らかな動揺を見せながらも、自分達の隊長が攻撃を受けた事実を理解すると、すぐさま臨戦態勢に入る。だが、そんな中でもアイルは、メリスに興味を奪われていた。
「メリス……えっと、今のは……」
「ああ、安心して。殺す気はないから。せいぜい“めっちゃ”痛い程度よ」
勢いよく5メルテ(約5メートルほど)はふっ飛んでいたマンゾルであったが、メリスの言う通り死んではいないようで、うめき声を上げながらもなんとか立ち上がっている。しかし、彼自慢の重武装は、まるで砲弾でも当たったのかと思うほど無残に胸部の装甲が変形してしまっている。
見るからに凄まじい威力だが、それでもあの一撃は手加減されていたらしく、マンゾルが頑丈な男でよかったと安堵する。なお、当のマンゾルは怒り心頭といった様子で、額に青筋を浮かべながら、のっしのっしと重い足音とともにこちらに向かってくる。
「貴様ぁ! おのれアイル! この私にこんな真似をしてただで済むと思っているのか!?」
「ぼくはなにもやってないけど!?」
ひどい巻き添えが飛んでくる。いや――、アイルもまったくの無関係とは言い切れないかもしれないが、それにしたってどうしてここまで敵意を向けられなければならないのか、困惑せずにはいられない。
以前から思っていた事だが、どうにも自分に対するマンゾルの態度は、他の使用人とはどこか違うように感じる。やつ当たりのようであり、理不尽の割合が大きい気がするのだ。
「ふんっ、まあいい。そうだ、今ここでお前を殺してしまっても何も問題はない! お前のような無のッ――うご!?」
マンゾルが言葉を言い切るよりも前にメリスが再度をぶっ放す。
今度は不可視のなにかはマンゾルの胸ではなく顔面に命中したようで、マンゾルは鼻血を撒き散らしながらまたしても後方へと派手に吹っ飛んだ。
衛兵達もアイルも、今のは痛そうだと思わず同情して顔をしかめた。
今度も殺す気はなかったようで、まだマンゾルに意識はあるようだ。しかし二度の衝撃(しかも今度は顔面)には相当応えているのか、地面をゴロゴロと転がりながら悶絶しており、先ほどのようにすぐに起き上がってくる気配はない。
「衛兵長ッ! おのれ……!」
「こいつを取り押さえろ! 全員でかかれば――ッ」
衛兵達はメリスを取り押さえようとする。だが、彼女があの奇妙な“杖”を差し向けると、みんな反射的に足を止めてしまうようだった。あの威力を見れば、迂闊に近付けないのも当然だろう。
ぐるりと円を描くように“杖”を向けるだけで全員が足を止めるその光景は、まるで話に聞く喜劇のようにも思える。
それこそ全員でかかれば突破できるかもしれないが、その場合、誰がマンゾルと同じ目に遭う貧乏くじを引くのかという話である。
なによりマンゾルの重武装であの有様なのだから、それより軽装の――とはいえ、全員鎧を着ているので、そこまで軽装というわけでもない――自分達が挑んだところで、さらに“痛い”結果になるのが目に見えているのだろう。
そして、もう一つ。衛兵達がすぐにでも飛びかからないのは、メリスの隣にいるアイルの存在をどう処理するべきか考えあぐねているというのもある。
マンゾルはそのあたりに関して完全にお構いなしだったが、“一応”アイルは自分達の雇い主であるカールオンの息子なのだ。彼の扱いを知っているとはいえ、衛兵達がここにいるのはアイルを警護するため。つまり、メリスにその意図がないとはいえ、状況的には侵入者が人質を取っているようなものだ。
その結果として、今のこう着状態が生まれる事になっているのだろう。
「あんた達、それ以上近づくなら次の一発からは容赦しないわよ」
有無を言わせない迫力で告げるメリスに気圧されて、衛兵達も後退りする。
この状況にあって、自分はどうするべきかとアイルが考えてあぐねていると、メリスが油断なく“杖”を構えたままこちらに視線を声をかけてくる。
「ねえ、あたしに掴まって。どこでもいいから」
「えっ、う……うん」
アイルは言われるがままメリスの手を掴んだ。すると、なぜか彼女は少しだけ嬉しそうに微笑んでくれた気がした。
彼女の手を握ると、温かな体温とともに不思議な安心感を覚える。
どうしてそんな気持ちになったのか、その理由はわからない。なんだかとても懐かしい感覚だとも思う。
けれど、そんな感覚に浸る間もなく――、
「じゃ、“飛ぶ”わよ」
「え――」
飛ぶって何――?
そんな疑問を口にするよりも早く、もう次の瞬間には、一陣の風を残してふたりの姿はその場から消えていた――……。
アイルの全身を浮遊感が襲う。さっきまで立っていたはずの地面が一瞬にして遠ざかり、景色が流れていく。
風を切る音が耳元で鳴り響き、やや遅れて自分が空を飛んでいるのだと理解させられる。
「ええええええ!? なんで、どうなってるの!?」
「静かにしてないと舌噛むわよ?」
「そ、そんなこと言われ、てもッ――うわああああああ!?」
言いながらメリスは高度を急速に下げていき、眼下に見える街へと落ちていく――!
ぶつかる――!!
あわや建物の屋根に激突するかと思われたが、メリスは爪先が屋根に接触すると同時に蹴っ飛ばす勢いで再度空高くへと舞い上がった。
背後では、空から降ってきてまた飛び上がっていくふたりに驚く住民達の声が、早くも遠ざかっていく。上昇の勢いでゴォっ――と、凄まじい風が耳を叩く。しかし、不自然なほど自分の身体には何の悪影響も出ていない。
流れていく視界の端では風切り羽を思わせるメリスの特徴的な髪が、風に美しく靡いているのが見える。その姿はとても幻想的で、本当に女神のようだと思えたほどだ。
この飛翔は、おそらく加護の力によるものなのだろう。
普通なら上昇の勢いで手が離れてしまいそうなものなのに、アイルはメリスとしっかり手を繋いだままで、まるで風に乗っているかのような感覚に包まれている。
「驚いてる?」
「う、うん……。空を飛べる加護なんてあったんだ……」
「これは加護っていうか、女神の特権? まあ、細かいことは気にしないで」
そうは言われても気になってしまう事だが、今はそれほど落ち着いた状況でもないので、言われた通り置いておく事に決める。
それよりも、気付けばアイルは目の前に広がる景色に目を奪われていた。
上空からの眺めはとても綺麗で、青空の下に広がるヴィルフォルト領をまるで鳥のように飛んでいる。地上から見上げるよりもずっと高く、遠くまで見通せる世界に思わず感動せずにはいられない。
ずっと荘園の中に閉じ込められていたアイルにとって、十年ぶりに見る外の世界は鮮烈なものだった。空から見る景色なので、記憶と比べて鮮烈に見えるのは当然といえば当然かもしれないが、それでも心動かされる光景には違いなかった。
「こんな世界があったんだ……」
「凄いでしょ?」
まるで自分の事のように誇らしげにするメリス。その表情はどこか嬉しそうだ。
「それよりちゃんと手を握っててよね。振り落とさないように気を付けるけど、それでも万が一って事もあるから」
「あ、うん」
確かに、このまま落下すればただでは済まないだろう。アイルは慌てて繋いだ手に力を込めると、それに応えるようにメリスの方からもぎゅっと握り返してくれる。
抱きしめられた時にも思ったが、彼女の手は日向のように温かい。まるで包み込まれているような心地良さがある。
(ぼくは何を考えてるんだろう……)
不埒な思考を振り払うようにアイルはぶんぶんとかぶりを振る。
今日メリスに会ってからというもの、確実に自分の中の何かがおかしくなっている気がする。アイルはドキドキが止まらない胸を押さえながら、そう思うのであった。
「そういえば……」
ふと気になって背後を振り返ってみると、自分のいた荘園がぽつんと見える。
こんなに遠くから、そしてこんなにも高くから見るのは初めてだが、この距離ではもう小指の先程度の大きさにしか見えない。
屋根を踏んで飛び上がった先ほどの場所は、おそらく荘園の近くにあるリベリスというの街だったのだろう。荘園を出られるようになったらいつかは行ってみたいと思っていたが、まさかこんな形で通りすぎる事になるとは夢にも思っていなかった。
そこでアイルは自分が随分遠くまで来ている事に気付いて――、
「あのさ……ぼく達、どこに向かってるの?」
「とりあえず、あのうるさい連中が来ないくらい遠くへ。あんたには奴隷としてあたしの旅に同行してもらうから――」
「その奴隷ってやつなんだけど……ひょっとして、メリスって本当に女神……なの?」
アイルは言葉を遮って、半信半疑のまま思い切って尋ねてみる。すると、メリスは笑顔で振り返って「もちろん♪」と首肯した。
いつの間にか高度が落ちてきていたが、今度は街道が貫く草原に着地し、蹴っ飛ばしてもう一度空まで飛び上がる。心地よい風切り音が耳元で鳴り、空へと近づく視界が高速で流れていく。
どうやらマンゾルが途中から彼女を無視していた――おそらくアイルを問い詰めるのに夢中で完全に忘れていたのだろう――のが気に食わなかったらしい。
今の出来事に衛兵達は明らかな動揺を見せながらも、自分達の隊長が攻撃を受けた事実を理解すると、すぐさま臨戦態勢に入る。だが、そんな中でもアイルは、メリスに興味を奪われていた。
「メリス……えっと、今のは……」
「ああ、安心して。殺す気はないから。せいぜい“めっちゃ”痛い程度よ」
勢いよく5メルテ(約5メートルほど)はふっ飛んでいたマンゾルであったが、メリスの言う通り死んではいないようで、うめき声を上げながらもなんとか立ち上がっている。しかし、彼自慢の重武装は、まるで砲弾でも当たったのかと思うほど無残に胸部の装甲が変形してしまっている。
見るからに凄まじい威力だが、それでもあの一撃は手加減されていたらしく、マンゾルが頑丈な男でよかったと安堵する。なお、当のマンゾルは怒り心頭といった様子で、額に青筋を浮かべながら、のっしのっしと重い足音とともにこちらに向かってくる。
「貴様ぁ! おのれアイル! この私にこんな真似をしてただで済むと思っているのか!?」
「ぼくはなにもやってないけど!?」
ひどい巻き添えが飛んでくる。いや――、アイルもまったくの無関係とは言い切れないかもしれないが、それにしたってどうしてここまで敵意を向けられなければならないのか、困惑せずにはいられない。
以前から思っていた事だが、どうにも自分に対するマンゾルの態度は、他の使用人とはどこか違うように感じる。やつ当たりのようであり、理不尽の割合が大きい気がするのだ。
「ふんっ、まあいい。そうだ、今ここでお前を殺してしまっても何も問題はない! お前のような無のッ――うご!?」
マンゾルが言葉を言い切るよりも前にメリスが再度をぶっ放す。
今度は不可視のなにかはマンゾルの胸ではなく顔面に命中したようで、マンゾルは鼻血を撒き散らしながらまたしても後方へと派手に吹っ飛んだ。
衛兵達もアイルも、今のは痛そうだと思わず同情して顔をしかめた。
今度も殺す気はなかったようで、まだマンゾルに意識はあるようだ。しかし二度の衝撃(しかも今度は顔面)には相当応えているのか、地面をゴロゴロと転がりながら悶絶しており、先ほどのようにすぐに起き上がってくる気配はない。
「衛兵長ッ! おのれ……!」
「こいつを取り押さえろ! 全員でかかれば――ッ」
衛兵達はメリスを取り押さえようとする。だが、彼女があの奇妙な“杖”を差し向けると、みんな反射的に足を止めてしまうようだった。あの威力を見れば、迂闊に近付けないのも当然だろう。
ぐるりと円を描くように“杖”を向けるだけで全員が足を止めるその光景は、まるで話に聞く喜劇のようにも思える。
それこそ全員でかかれば突破できるかもしれないが、その場合、誰がマンゾルと同じ目に遭う貧乏くじを引くのかという話である。
なによりマンゾルの重武装であの有様なのだから、それより軽装の――とはいえ、全員鎧を着ているので、そこまで軽装というわけでもない――自分達が挑んだところで、さらに“痛い”結果になるのが目に見えているのだろう。
そして、もう一つ。衛兵達がすぐにでも飛びかからないのは、メリスの隣にいるアイルの存在をどう処理するべきか考えあぐねているというのもある。
マンゾルはそのあたりに関して完全にお構いなしだったが、“一応”アイルは自分達の雇い主であるカールオンの息子なのだ。彼の扱いを知っているとはいえ、衛兵達がここにいるのはアイルを警護するため。つまり、メリスにその意図がないとはいえ、状況的には侵入者が人質を取っているようなものだ。
その結果として、今のこう着状態が生まれる事になっているのだろう。
「あんた達、それ以上近づくなら次の一発からは容赦しないわよ」
有無を言わせない迫力で告げるメリスに気圧されて、衛兵達も後退りする。
この状況にあって、自分はどうするべきかとアイルが考えてあぐねていると、メリスが油断なく“杖”を構えたままこちらに視線を声をかけてくる。
「ねえ、あたしに掴まって。どこでもいいから」
「えっ、う……うん」
アイルは言われるがままメリスの手を掴んだ。すると、なぜか彼女は少しだけ嬉しそうに微笑んでくれた気がした。
彼女の手を握ると、温かな体温とともに不思議な安心感を覚える。
どうしてそんな気持ちになったのか、その理由はわからない。なんだかとても懐かしい感覚だとも思う。
けれど、そんな感覚に浸る間もなく――、
「じゃ、“飛ぶ”わよ」
「え――」
飛ぶって何――?
そんな疑問を口にするよりも早く、もう次の瞬間には、一陣の風を残してふたりの姿はその場から消えていた――……。
アイルの全身を浮遊感が襲う。さっきまで立っていたはずの地面が一瞬にして遠ざかり、景色が流れていく。
風を切る音が耳元で鳴り響き、やや遅れて自分が空を飛んでいるのだと理解させられる。
「ええええええ!? なんで、どうなってるの!?」
「静かにしてないと舌噛むわよ?」
「そ、そんなこと言われ、てもッ――うわああああああ!?」
言いながらメリスは高度を急速に下げていき、眼下に見える街へと落ちていく――!
ぶつかる――!!
あわや建物の屋根に激突するかと思われたが、メリスは爪先が屋根に接触すると同時に蹴っ飛ばす勢いで再度空高くへと舞い上がった。
背後では、空から降ってきてまた飛び上がっていくふたりに驚く住民達の声が、早くも遠ざかっていく。上昇の勢いでゴォっ――と、凄まじい風が耳を叩く。しかし、不自然なほど自分の身体には何の悪影響も出ていない。
流れていく視界の端では風切り羽を思わせるメリスの特徴的な髪が、風に美しく靡いているのが見える。その姿はとても幻想的で、本当に女神のようだと思えたほどだ。
この飛翔は、おそらく加護の力によるものなのだろう。
普通なら上昇の勢いで手が離れてしまいそうなものなのに、アイルはメリスとしっかり手を繋いだままで、まるで風に乗っているかのような感覚に包まれている。
「驚いてる?」
「う、うん……。空を飛べる加護なんてあったんだ……」
「これは加護っていうか、女神の特権? まあ、細かいことは気にしないで」
そうは言われても気になってしまう事だが、今はそれほど落ち着いた状況でもないので、言われた通り置いておく事に決める。
それよりも、気付けばアイルは目の前に広がる景色に目を奪われていた。
上空からの眺めはとても綺麗で、青空の下に広がるヴィルフォルト領をまるで鳥のように飛んでいる。地上から見上げるよりもずっと高く、遠くまで見通せる世界に思わず感動せずにはいられない。
ずっと荘園の中に閉じ込められていたアイルにとって、十年ぶりに見る外の世界は鮮烈なものだった。空から見る景色なので、記憶と比べて鮮烈に見えるのは当然といえば当然かもしれないが、それでも心動かされる光景には違いなかった。
「こんな世界があったんだ……」
「凄いでしょ?」
まるで自分の事のように誇らしげにするメリス。その表情はどこか嬉しそうだ。
「それよりちゃんと手を握っててよね。振り落とさないように気を付けるけど、それでも万が一って事もあるから」
「あ、うん」
確かに、このまま落下すればただでは済まないだろう。アイルは慌てて繋いだ手に力を込めると、それに応えるようにメリスの方からもぎゅっと握り返してくれる。
抱きしめられた時にも思ったが、彼女の手は日向のように温かい。まるで包み込まれているような心地良さがある。
(ぼくは何を考えてるんだろう……)
不埒な思考を振り払うようにアイルはぶんぶんとかぶりを振る。
今日メリスに会ってからというもの、確実に自分の中の何かがおかしくなっている気がする。アイルはドキドキが止まらない胸を押さえながら、そう思うのであった。
「そういえば……」
ふと気になって背後を振り返ってみると、自分のいた荘園がぽつんと見える。
こんなに遠くから、そしてこんなにも高くから見るのは初めてだが、この距離ではもう小指の先程度の大きさにしか見えない。
屋根を踏んで飛び上がった先ほどの場所は、おそらく荘園の近くにあるリベリスというの街だったのだろう。荘園を出られるようになったらいつかは行ってみたいと思っていたが、まさかこんな形で通りすぎる事になるとは夢にも思っていなかった。
そこでアイルは自分が随分遠くまで来ている事に気付いて――、
「あのさ……ぼく達、どこに向かってるの?」
「とりあえず、あのうるさい連中が来ないくらい遠くへ。あんたには奴隷としてあたしの旅に同行してもらうから――」
「その奴隷ってやつなんだけど……ひょっとして、メリスって本当に女神……なの?」
アイルは言葉を遮って、半信半疑のまま思い切って尋ねてみる。すると、メリスは笑顔で振り返って「もちろん♪」と首肯した。
いつの間にか高度が落ちてきていたが、今度は街道が貫く草原に着地し、蹴っ飛ばしてもう一度空まで飛び上がる。心地よい風切り音が耳元で鳴り、空へと近づく視界が高速で流れていく。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。
夢草 蝶
恋愛
侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。
そのため、当然婚約者もいない。
なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。
差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。
すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる