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1章:最悪の旅立ち
神従の儀式 02
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◆ ◆ ◆ ◆ ◆
空の頂上を目指して昇る太陽の光がガラス窓から差し込む、昼前。
記念すべき十五歳の誕生日であるにもかかわらず、アイル=ヴィルフォルトは重い表情で両手をぎゅっと握りしめ、人生における最大の岐路に立っていた。
年齢よりも幼く見える面立ちに、少し線の細い身体つき。まだあどけない雰囲気を残す容姿から受ける印象は、どこか頼りないもの。ボタン留めの折襟にズボンという、標準的な貴族の出で立ちをしているが、服に着られている感があることも、より一層それを助長しているだろう。耳にかかる程度の長さをした髪も、ふわっとして、まるで子犬のような未熟さを感じさせる。
アイルは今、儀式のために訪れた礼拝堂で、緊張した表情を浮かべている。
古びた礼拝堂に人気はほとんどなく、彼を含めて四人の人間しかいない。見つめる先にある石造りの祭壇の上には、これから彼の未来を決定付ける事になる聖祭具が見せつけるように置かれていた。
その使い古された獣皮紙のように見える聖祭具は、【神従書】と呼ばれている。
【神従の儀式】で使われる特殊な道具で、その用途はただ一つ、自分がどのような加護を授かれるかを女神に問うためだ。
表面には、文字のようにも見える未知の紋様が非常に狭苦しく書かれているが、これらは女神の文字だとされており、読めるのは神々の世界の者のみだと言われる。当然ながら、アイルの知識では逆立ちしたって読むことができない。
「おっほん。――さて、そろそろ始めるとしよう。此度、祈りを捧げる者は前へ……」
祭壇を挟んで向こう側に立つ老齢の司祭が、一つ咳払いをして厳かに【神従の儀式】の開始を告げる。
それに合わせて、アイルは緊張した面持ちで祭壇の前まで進み出る。
儀式を担当する司祭は、しわくちゃの顔に長い白髭、そして大きな丸眼鏡をかけており、見た目だけでいえば、いかにも好々爺といった感じである。
その後ろには付き添いに控える若い神官の姿があり、こちらは対照的に若々しく精気に満ち溢れた青年で、耳元のあたりでザクっと切り揃えた清潔感ある髪型が特徴的だ。
ここには、儀式を執り行う上で必要最小限の者しかいない。
どちらもヴィルフォルト家とは深い交流のある人間のようで、秘密裏に行われる今日の儀式を任されるくらいには、信頼されているふたりなのだろう。
本来であれば、親族の者や、懇意にする貴族を招いて盛大に行われるはずの儀式だが、アイルの父にして当主であるカールオン=ヴィルフォルトの意向により、この古い礼拝堂で、こうしてひっそりと行われているのだ。
それはアイルに関連する様々な事情が原因であり、決して悪意があっての事ではない。少なくとも、アイル自身はそう信じていた。だが、その決定が息子を思いやっての事でもない事は、傍から見ても確かだっただろう。
儀式の見物人は、背後で見守る険しい顔つきの父ひとり。非常に寂しい状況だが、それでも一生に一度の大事な儀式であることに変わりはない。それに、アイルとしては、父が見に来てくれたというだけでも嬉しかった。自分のことなんて、見に来てすらもらえないのではないかと思っていたから……。
自分の中で嬉しい気持ちが不安な気持ちと入り混じって、胸が熱くなる感覚をアイルは緊張の中で感じていた。
「では、汝が一族に血を預けし女神に祈りを……」
そう言って、司祭が儀礼用の短剣を差し出してくる。それで自分の指先を傷つけると、アイルは血がにじむ傷口を、そっと【神従書】に押し当てた。
そして、今日まで何度も練習してきたヴィルフォルト家に代々伝わる聖句を唱え始める。
「我らヴィルフォルトは、女神アルセイドの加護を受けし一族なり……ッ」
唱える声に、不自然に力がこもってしまうのは、緊張しているからだ。
咽喉が渇いて、微かな痛みを覚えるほどに。
「我ら一族の血肉はすべてアルセイドのモノなれば、今こそ、古き責務に従い血肉と魂を以て、御身に仕えることを、誓う……ッ」
自分なら、きっと大丈夫だ……絶対に加護を授かれるはず……。そう言い聞かせるように心の中で何度も呟きながら、やがて聖句の最後の一節を唱える。
「願わくば我に与え給え、【十の女神】の御心のままに――ッ!」
直後、【神従書】の紋様に変化が起きる。まるで生き物のようにざわざわと動き出し、その配置を変えていく。やがて、先の紋様は完全に別のモノへと書き変わった。変わらず女神の文字は読めないが、最下部には名前を書き込むためと思わしき空欄が新たに現れていた。
アイルは、ひとまず、儀式の工程が成功した事に安堵しつつ、次の指示を求めるように司祭の方を向く。司祭も、それを受けて小さく首肯する。
「よろしい。では、そこに汝の名を書き入れよ」
その言葉に従って、アイルはまだ血がにじむ指先で空欄に血文字で自分の名前を書こうとする。だが、緊張によるものか、手が震えて上手くいかない……。
そう、問題はここから――。
自分は加護を授かれるのだろうか、再び父を振り向かせられるような加護が、自分には与えられるのだろうか……。あるいは何の力も与えられず、無能者として生きていく事になるのか……。
アイルには、自分の未来がわからなかった。だからこそ、怖い。恐ろしくて仕方がない。
もしここで加護を授かれなければ、アイルはヴィルフォルト家にとって本当に“恥”となってしまう。そうなれば、父からの失望は今よりも深いものになるだろう。
見限られ、家名に泥を塗ったとして、勘当される可能性もある。いや――、可能性の話ではなく、間違いなく家からは追放される。
その懸念が、恐怖が、緊張が、手を震えさせているのだ。
貴族でなくなる事よりも、尊敬する父から捨てられる事こそが、アイルにとっては最も恐ろしいものだった。
「あの……こっ、これでぼくは、本当に……」
「ああ、きっと加護を授かれるとも。ヴィルフォルト家は女神とも非常に縁深い家系だ。もっとも、きみにどのような加護が与えられるかは女神の思し召し次第だがな」
でもきっと大丈夫だと、司祭は優しい笑みを浮かべながら言う。
この儀式はあくまで女神の加護を授かるためのものであって、それによって今後の運命を決めるものではない、と。
司祭としては、そう伝えたかったのかもしれないが……。しかし、アイルにとっては、これは本当に己の運命を決する儀式なのだ。だから、そんな司祭の言葉を聞きながらも、アイルの手はまだ震えたままだ。
「っ……」
ゴクリ……と、自分の咽喉から生唾を飲み込む音が聞こえた。
落ち着け……落ち着くんだ……ッ。そうやって心の中で何度も呟き、また言い聞かせるように深呼吸をする。だが、いくら言い聞かせたところで、この不安や恐怖を打ち消す事はできなかった。
初めて父の失望した顔を見た時から幾度となく考えてきたことではあるが、やはり怖いものは怖かった。努力ではどうにもならない重しが、アイルの心にのしかかってくる。
そうしてアイルはしばらく固まっていたが、やがて意を決し、力強く目を瞑ると、一息に指先を走らせる。このまま何もせずにいたところで、この不安も恐怖も、拭えないままだという事に気付いたからだ。
そして、アイルの血文字で書かれた署名が完成した瞬間――、
「おお……!」
見守っていた司祭が、思わずといった様子で感嘆の息を漏らす。
【神従書】に付けられたアイルの血がボワッと燃え上がり、一瞬にして消えたのだ。
儀式で書き込んだ文字は、女神の目に届くと消える仕組みだと言われている。つまり、すぐに消えたという事は、それだけ女神がアイルを気にかけている証左として受け取れるのだ。あくまで説の一つとして語られているに過ぎなかったが、それが嬉しかったアイルは、頬を紅潮させながら口元を綻ばせた。
これならきっと自分には、強い加護が与えられるはず……。そう期待を込めて、アイルは【神従書】に浮かび上がる加護の名前を見る。加護の名前は、人間にも読める大陸共通言語であるトラント語で書かれるようになっている。だから、自分にどのような加護が与えられたかは、本人にも確認できるのだ。
しかし――、
「え?」
今まさに浮かび上がろうとしていた加護の名前は、瞬く間にして染み入るように消えてなくなり、無記の空欄だけになってしまった。
アイルは、そして司祭でさえ、この事態に思わず調子はずれな声を上げて驚く。
「おかしい……、こんな事は今まで……」
そこに佇む物悲しい空白を見つめ、司祭が動揺の声をこぼした。確かに加護らしき名前が書かれようとしていたはずなのに、と。
アイルも背筋を流れる冷や汗と焦りを感じながら、何かの間違いではないかと、そこにある空欄を凝視した。やがて、その疑問に答えるかのようにして【神従書】に再び文字が浮かび上がり始める。
「ああっ、よかっ、た……」
思わずホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、すぐにその安堵は吹き飛んでしまう。
なぜなら――、そこには不気味な赤みを帯びた黒のトラント語で、はっきり次のように書かれていたから――。
【女神の奴隷】――と。
空の頂上を目指して昇る太陽の光がガラス窓から差し込む、昼前。
記念すべき十五歳の誕生日であるにもかかわらず、アイル=ヴィルフォルトは重い表情で両手をぎゅっと握りしめ、人生における最大の岐路に立っていた。
年齢よりも幼く見える面立ちに、少し線の細い身体つき。まだあどけない雰囲気を残す容姿から受ける印象は、どこか頼りないもの。ボタン留めの折襟にズボンという、標準的な貴族の出で立ちをしているが、服に着られている感があることも、より一層それを助長しているだろう。耳にかかる程度の長さをした髪も、ふわっとして、まるで子犬のような未熟さを感じさせる。
アイルは今、儀式のために訪れた礼拝堂で、緊張した表情を浮かべている。
古びた礼拝堂に人気はほとんどなく、彼を含めて四人の人間しかいない。見つめる先にある石造りの祭壇の上には、これから彼の未来を決定付ける事になる聖祭具が見せつけるように置かれていた。
その使い古された獣皮紙のように見える聖祭具は、【神従書】と呼ばれている。
【神従の儀式】で使われる特殊な道具で、その用途はただ一つ、自分がどのような加護を授かれるかを女神に問うためだ。
表面には、文字のようにも見える未知の紋様が非常に狭苦しく書かれているが、これらは女神の文字だとされており、読めるのは神々の世界の者のみだと言われる。当然ながら、アイルの知識では逆立ちしたって読むことができない。
「おっほん。――さて、そろそろ始めるとしよう。此度、祈りを捧げる者は前へ……」
祭壇を挟んで向こう側に立つ老齢の司祭が、一つ咳払いをして厳かに【神従の儀式】の開始を告げる。
それに合わせて、アイルは緊張した面持ちで祭壇の前まで進み出る。
儀式を担当する司祭は、しわくちゃの顔に長い白髭、そして大きな丸眼鏡をかけており、見た目だけでいえば、いかにも好々爺といった感じである。
その後ろには付き添いに控える若い神官の姿があり、こちらは対照的に若々しく精気に満ち溢れた青年で、耳元のあたりでザクっと切り揃えた清潔感ある髪型が特徴的だ。
ここには、儀式を執り行う上で必要最小限の者しかいない。
どちらもヴィルフォルト家とは深い交流のある人間のようで、秘密裏に行われる今日の儀式を任されるくらいには、信頼されているふたりなのだろう。
本来であれば、親族の者や、懇意にする貴族を招いて盛大に行われるはずの儀式だが、アイルの父にして当主であるカールオン=ヴィルフォルトの意向により、この古い礼拝堂で、こうしてひっそりと行われているのだ。
それはアイルに関連する様々な事情が原因であり、決して悪意があっての事ではない。少なくとも、アイル自身はそう信じていた。だが、その決定が息子を思いやっての事でもない事は、傍から見ても確かだっただろう。
儀式の見物人は、背後で見守る険しい顔つきの父ひとり。非常に寂しい状況だが、それでも一生に一度の大事な儀式であることに変わりはない。それに、アイルとしては、父が見に来てくれたというだけでも嬉しかった。自分のことなんて、見に来てすらもらえないのではないかと思っていたから……。
自分の中で嬉しい気持ちが不安な気持ちと入り混じって、胸が熱くなる感覚をアイルは緊張の中で感じていた。
「では、汝が一族に血を預けし女神に祈りを……」
そう言って、司祭が儀礼用の短剣を差し出してくる。それで自分の指先を傷つけると、アイルは血がにじむ傷口を、そっと【神従書】に押し当てた。
そして、今日まで何度も練習してきたヴィルフォルト家に代々伝わる聖句を唱え始める。
「我らヴィルフォルトは、女神アルセイドの加護を受けし一族なり……ッ」
唱える声に、不自然に力がこもってしまうのは、緊張しているからだ。
咽喉が渇いて、微かな痛みを覚えるほどに。
「我ら一族の血肉はすべてアルセイドのモノなれば、今こそ、古き責務に従い血肉と魂を以て、御身に仕えることを、誓う……ッ」
自分なら、きっと大丈夫だ……絶対に加護を授かれるはず……。そう言い聞かせるように心の中で何度も呟きながら、やがて聖句の最後の一節を唱える。
「願わくば我に与え給え、【十の女神】の御心のままに――ッ!」
直後、【神従書】の紋様に変化が起きる。まるで生き物のようにざわざわと動き出し、その配置を変えていく。やがて、先の紋様は完全に別のモノへと書き変わった。変わらず女神の文字は読めないが、最下部には名前を書き込むためと思わしき空欄が新たに現れていた。
アイルは、ひとまず、儀式の工程が成功した事に安堵しつつ、次の指示を求めるように司祭の方を向く。司祭も、それを受けて小さく首肯する。
「よろしい。では、そこに汝の名を書き入れよ」
その言葉に従って、アイルはまだ血がにじむ指先で空欄に血文字で自分の名前を書こうとする。だが、緊張によるものか、手が震えて上手くいかない……。
そう、問題はここから――。
自分は加護を授かれるのだろうか、再び父を振り向かせられるような加護が、自分には与えられるのだろうか……。あるいは何の力も与えられず、無能者として生きていく事になるのか……。
アイルには、自分の未来がわからなかった。だからこそ、怖い。恐ろしくて仕方がない。
もしここで加護を授かれなければ、アイルはヴィルフォルト家にとって本当に“恥”となってしまう。そうなれば、父からの失望は今よりも深いものになるだろう。
見限られ、家名に泥を塗ったとして、勘当される可能性もある。いや――、可能性の話ではなく、間違いなく家からは追放される。
その懸念が、恐怖が、緊張が、手を震えさせているのだ。
貴族でなくなる事よりも、尊敬する父から捨てられる事こそが、アイルにとっては最も恐ろしいものだった。
「あの……こっ、これでぼくは、本当に……」
「ああ、きっと加護を授かれるとも。ヴィルフォルト家は女神とも非常に縁深い家系だ。もっとも、きみにどのような加護が与えられるかは女神の思し召し次第だがな」
でもきっと大丈夫だと、司祭は優しい笑みを浮かべながら言う。
この儀式はあくまで女神の加護を授かるためのものであって、それによって今後の運命を決めるものではない、と。
司祭としては、そう伝えたかったのかもしれないが……。しかし、アイルにとっては、これは本当に己の運命を決する儀式なのだ。だから、そんな司祭の言葉を聞きながらも、アイルの手はまだ震えたままだ。
「っ……」
ゴクリ……と、自分の咽喉から生唾を飲み込む音が聞こえた。
落ち着け……落ち着くんだ……ッ。そうやって心の中で何度も呟き、また言い聞かせるように深呼吸をする。だが、いくら言い聞かせたところで、この不安や恐怖を打ち消す事はできなかった。
初めて父の失望した顔を見た時から幾度となく考えてきたことではあるが、やはり怖いものは怖かった。努力ではどうにもならない重しが、アイルの心にのしかかってくる。
そうしてアイルはしばらく固まっていたが、やがて意を決し、力強く目を瞑ると、一息に指先を走らせる。このまま何もせずにいたところで、この不安も恐怖も、拭えないままだという事に気付いたからだ。
そして、アイルの血文字で書かれた署名が完成した瞬間――、
「おお……!」
見守っていた司祭が、思わずといった様子で感嘆の息を漏らす。
【神従書】に付けられたアイルの血がボワッと燃え上がり、一瞬にして消えたのだ。
儀式で書き込んだ文字は、女神の目に届くと消える仕組みだと言われている。つまり、すぐに消えたという事は、それだけ女神がアイルを気にかけている証左として受け取れるのだ。あくまで説の一つとして語られているに過ぎなかったが、それが嬉しかったアイルは、頬を紅潮させながら口元を綻ばせた。
これならきっと自分には、強い加護が与えられるはず……。そう期待を込めて、アイルは【神従書】に浮かび上がる加護の名前を見る。加護の名前は、人間にも読める大陸共通言語であるトラント語で書かれるようになっている。だから、自分にどのような加護が与えられたかは、本人にも確認できるのだ。
しかし――、
「え?」
今まさに浮かび上がろうとしていた加護の名前は、瞬く間にして染み入るように消えてなくなり、無記の空欄だけになってしまった。
アイルは、そして司祭でさえ、この事態に思わず調子はずれな声を上げて驚く。
「おかしい……、こんな事は今まで……」
そこに佇む物悲しい空白を見つめ、司祭が動揺の声をこぼした。確かに加護らしき名前が書かれようとしていたはずなのに、と。
アイルも背筋を流れる冷や汗と焦りを感じながら、何かの間違いではないかと、そこにある空欄を凝視した。やがて、その疑問に答えるかのようにして【神従書】に再び文字が浮かび上がり始める。
「ああっ、よかっ、た……」
思わずホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、すぐにその安堵は吹き飛んでしまう。
なぜなら――、そこには不気味な赤みを帯びた黒のトラント語で、はっきり次のように書かれていたから――。
【女神の奴隷】――と。
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