コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった』

岩崎史奇(コント文学作家)

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コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった』

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コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった。相方編』


「紹介するね。こいつ、俺の相方のミサ」


「そういう芸人みたいに彼女の事を相方って呼んじゃうノリ、見てるこっちが恥ずかしくなってくるよ」って友達じゃない大学の同期に言えなかった。


あの日、僕には勇気が足りなかった。







コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった。フェス編』


「明日フジロック参戦しに行くんだよ」


ヒマワリのように明るい笑顔で言ったバイト先の先輩に「音楽フェスに行く事を『参戦』って言う人、苦手な人種です」って言えなかった。


あの日、僕には勇気が足りなかった。







コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった。童貞編』


「パパとママ、旅行に行ってて今日は家に私1人だけど・・・どうする?」


あの日、僕には勇気が足りなかった。







コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった。大きな赤ちゃん編』


妻が息子に母乳をあげている。
「ボクもひざ枕ちてもらいながらママのおっぱい飲みたいでちゅ♥」って言えなかった。


あの日、僕には勇気が足りなかった。







コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった。1994年7月5日生まれ編』


「俺さ、コンプレックスというか、悩みというか…
実は、大谷翔平と生年月日が一緒なんだよね。
よりにもよって、あんな億万長者のスーパースターと同じ日に生まれるなんて劣等感が半端ないし比較されたら辛いんだよね。
せめて1日でもいいから誕生日がズレてたら良かったのになぁ…
毎年、誕生日迎える度に切なくなるんだよね」


「知らねぇよ、バカ野郎」って言えなかった。


あの日、僕には勇気が足りなかった。



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