『今日も世界で誰かが虚しくなっている。新しい歌のお兄さん編』

岩崎史奇(コント文学作家)

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『今日も世界で誰かが虚しくなっている。新しい歌のお兄さん編』

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かつて、私が心の底から愛した男。


そして、心の底から憎んだ男。


幼児向け番組に出演している新しい歌のお兄さんは私を弄んで踏み躙った男だった。


5才の娘の優花がテレビに映る新しい歌のお兄さんの動きに合わせて踊っている。


私が初めてを捧げた男。


いや、私の初めてを奪った男とは知らずに…


私は付き合っていると思っていた。


疑いもせず恋人だと思っていた。


だけど私は、あの男の性欲処理に使われていただけだった。


そして数いる女の中の1人に過ぎなかった。


私のカラダで欲望を満たして、飽きたら私を捨てた男のお歌に合わせて優花が歌っている。


「ママ~」

「なあに?」

「わたし、オトナになったら新しい歌のお兄さんとけっこんする~」

・・・・・


『今日も世界で誰かが虚しくなっている』



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