コントな文学『百年の恋も冷める時』

岩崎史奇(コント文学作家)

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コントな文学『百年の恋も冷める時』

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スレンダーな体型に整った美しい顔立ちと、黒髪のロングヘアーが似合う君に、僕は一目惚れした。


付き合って1年を過ぎた初夏の頃、君は長い黒髪をバッサリ切ってデートの待ち合わせ場所に現れた。


あまりにも髪をバッサリ切りすぎて、


僕には君が・・・


蓮舫にしか見えなかった。


名前が出てこないけど、ずーーっと誰か知ってる人に顔が似てるなぁと思ってたら、蓮舫だったんだね。


きっとこの先、食事をする時も、手を繋ぐ時も、キスする時も、愛し合う時も、僕は君というフィルターを通して蓮舫を思い浮かべてしまうだろう。


一度蓮舫のイメージが刻まれた僕には、もう君と蓮舫を切り離す事はできそうにない。


もはや君が蓮舫で、蓮舫が君だ。


完全なる蓮舫になった君を見て、君に対する想いが僕の心の中から一瞬で無くなってしまった。


恋って何なんだろう?


百年の恋も冷めるってこういう事を言うのかな?





君と別れて3年が経った。


偶然、街で君を見かけた。


すると、君だと思った女性は君じゃなくて・・・


蓮舫だった。


「応援しています」とリアル蓮舫に声を掛けると、プライベートでも選挙中のように両手で僕の手を握って「ありがとうございます」と笑顔で返してくれた。


実物の蓮舫の笑顔は優しくて、握られたその手は温かく、綺麗だけどキツそうとか怖そうとか苦手なタイプという負のイメージが一気に吹き飛んだ。


もしも君より先に蓮舫に出会っていたなら、君が蓮舫になっても恋が冷める事は無かったかもしれないし、違う未来があったのかもしれないね。


これからもメディアで蓮舫を見かける度に、君の事を思い出して、遠く離れた場所から僕は君の幸せを願うだろう。


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