コントな文学『火星人の為のHow To 地球の文化・アンコールって何?』

岩崎史奇(コント文学作家)

文字の大きさ
上 下
1 / 1

『火星人の為のHow To 地球の文化・アンコールって何?』

しおりを挟む
「バンドを組んで目標にしていた日本武道館。
みんなのおかげで今日、俺達の夢が叶いました。
本当にありがとう。
初の武道館LIVE、次が最後の曲になります。
聴いてください…
The青春Forever」



このように最後の曲だと告知して演奏しますが最後の曲ではありません。
観客はまだ帰ってはいけません。


偽りの最後の曲が終わると客席に手を振りながらアーティストはバックステージに戻ります。


数分後、客席から手拍子を始まります。
手拍子は次第に会場全体へと広がっていきます。


更に盛り上がると「アンコール、アンコール」と声を出す場合もあります。


手拍子やアンコールの呼びかけで、アーティストにステージに戻って演奏を続けてほしいと訴える。

それが『アンコール』です。


アーティストは予めアンコール込みのセットリストを組みます。


そしてアンコールされる何日も前からアンコール曲の練習やリハーサルをしています。


運営スタッフもアンコールされる前からアンコール曲の為の音響チェックや舞台照明。
ドライアイスを使ったスモークだったり、夏の野外なら花火など様々な演出を準備します。


観客もLIVEはアンコールまでがセットいう前提でチケットを購入しています。


つまりアーティストと観客、双方がアンコールありきでLIVEは始まるのです。


故にアンコールは『暗黙の了解』『お約束』『予定調和』『茶番』などと揶揄される事があります。


観客は、どうせアンコール演奏が始まると思っているので手を抜いた手拍子だけのアンコールも珍しくありません。
盛り上がりに欠けるアンコールだったとしてもステージに戻ってボーカルが「アンコールありがとう」と言って演奏は再開されます。


アンコールは平均3曲位です。
ヒットしたシングル曲。
人気のアルバム曲。
アーティストの思い入れの強いマイナー曲などで、
最後にもう一度、盛り上げてLIVEを締め括ります。


以上が地球独特のアンコール文化です。


地球でコンサートやライブに行く時は是非アンコールを楽しんでみましょう。
    
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

コントな文学『カラダ目当ての女』

岩崎史奇(コント文学作家)
大衆娯楽
会いたくなったから深夜でも・・・

コントな文学『パンチラ』

岩崎史奇(コント文学作家)
大衆娯楽
春風が届けてくれたプレゼントはパンチラでした。

『今日も世界で誰かが嘘をついている。終わりの始まり編』

岩崎史奇(コント文学作家)
大衆娯楽
思いがけない告白に・・・

コントな文学『もったいないおばけとFカップ』

岩崎史奇(コント文学作家)
大衆娯楽
突然現れたもったいないおばけ! その目的は?

コントな文学『それでも、夕焼けは綺麗だった』

岩崎史奇(コント文学作家)
大衆娯楽
高嶺の花の彼女と放課後デート。 一緒に夕焼けを見ていると彼女が・・・

コントな文学『タメ口』

岩崎史奇(コント文学作家)
大衆娯楽
年下の若い男からのタメ口はムカつくけと、年下の若い女性からのタメ口は許せるんだ!

コントな文学『過去の栄光エピソードと飲み過ぎて失敗したエピソード』

岩崎史奇(コント文学作家)
大衆娯楽
過去の栄光エピソードを聞かされて飲み過ぎて俺はお義父さんに…

『今日も世界で誰かが嘘をついている。カレー編』

岩崎史奇(コント文学作家)
大衆娯楽
子供達が独立して夫婦の時間が増え、妻は・・・

処理中です...