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結婚式阻止?3
しおりを挟む前回のあらすじ!?
何故かアルロスと挙式しそうになって、エイミーったら大ピンチ!?
そんな所へ愛しの護衛さんが駆けつけて来てくれたのだけど、アルロスの大規模魔法で再びピンチ?と思ったら突然魔法が消失したの。
そしてどうにか逃走できたのだけど、その途中で先程受けた魔法の影響なのか突然護衛さんの仮面が剥がれてしまって……!
その素顔は───ででで、殿下!!!?
衝撃のその事実に、私は……私は….。
こうして現実逃避してるわけなのよ!!
そんな絶賛頭の中で叫んでいる私は今、どうやらフィア様のお家に匿ってもらっているみたい。
それなのに私の頭は完全に馬鹿になっているのか、ぶつぶつよくわからない事を呟いていたのよ。
「ふふ……私は何も見ていないわ……あれは夢、そう今目の前に殿下がいるのも夢よ」
絶対に現実と認めたくないから、ほっぺを引っ張ったけど……凄く痛いだけだったわ。
おかしいわね、これは夢の筈なのに……目が覚める気配がないじゃない!?
だって護衛さんの顔に殿下の綺麗な顔が収まってるなんて、私がたまに想像していたイメージと完全に合致していたなんて、そんなのありえないじゃない!?
「エイミー様が現実逃避から帰ってきてくれませんわね……それ程までにショックだったのですわ」
「だけどエイミーを助け出すには仕方がなかったんだ」
「そうですわね……ですが、殿下はエイミー様とちゃんと向き合った方が良いと思いますわよ?」
「ああ……」
「さあ、無理矢理でも何でも良いですから告白でもしてらっしゃいな!」
フィア様と殿下の会話が聞こえたけど……本当に護衛さんの格好をした殿下がこっちに向かって来るのだけど!?
待って!どうして近くに来るだけで顔が赤くなるの?どうしてその姿に私の心臓はこんなにもドキドキしているの?
「エイミー……君を騙すつもりではなかったのだけど、結果的にこうして君を傷つけてしまった。本当にすまなかった!!」
「あ、え?」
どうしてショックな筈なのに、ぜんぜん怒りがわいてこないのよ!?
私は騙されていたのよ、それなのになんでよ!!
「エイミー、やはり怒っているよね。もし僕の顔を二度と見たくないと言うのなら、僕はこれからずっと仮面を被って過ごしてもいい……だからどうかエイミーの近くにいる事を許してくれないか?」
そんな事を言われても困るわ……。
だって私は本当に護衛さんの事が好きだったから。だからどんな顔をしていても好きだと言えるって、思ってた……。
だけど今の護衛さんの姿は、私が想像した何倍もかっこよく見えてしまって、私の頭は大混乱なのだけど!?
おかしいわ、一回頭をぶつけたほうがいいかしら?
「っせーの!」
ゴンっと私は勢いよく壁に頭を打ちつけた。それも何度も何度も打ちつけてみたのよ!
こうすれば絶対に頭も元にもどるわよね!?
「え、エイミー!?」
「エイミー様!!?」
私の奇行に二人が慌てて止めに入ったけど、私はやめるつもりないの!!
「止めないで下さい!だっておかしいんです、護衛さんが殿下だって知っても全く怒りもわいてこないし、寧ろ見れば見るほどカッコよく見えてしまうなんて!私の頭がおかしくなったとしか思えませんけど!?」
「「……え!!?」」
私は何かおかしな事を言ったかしら?
二人は顔を見合わせると、何かアイコンタクトをして頷いているのが見えたわ。
フィア様は数歩後ろに下がると何故かニヤニヤし始めたし、殿下は私に更に近づいてきたのだけど!?って、これ以上は心臓に悪いからやめて!!
「エイミー、何度でも言うよ。僕はエイミーが好きだ」
「……ふぇ?」
あ、あら……あらら?何で、どうして……いつもみたいにすぐに断らないといけないのに、何故か言葉が出てこないわ!?
それに私の心臓が爆発しそうなほどドキドキしてて、きっと顔は真っ赤になってしまっているもの……。
これじゃあ、私が殿下を好きっていってるようなものじゃない!!?
「エイミー、顔が真っ赤で可愛い……どうしていつも見たいに断らないのかな?」
まって、私は壁際にいるのだからこれ以上寄ってこられたら逃げ場がないのよ!?
それなのに、私の鼓動よ高まらないで!!
「もしかして、期待してもいいのかな……?」
「ひゃ、ひゃめでしゅ……」
滅茶苦茶かんだ!?
それよりも私、壁ドンされてない?
「ごめん、可愛い過ぎて止まらないかも……」
ひぇぇ……で、殿下の顔がさらに近づいてくるのに、頭真っ白な私は避けられる気がするしないのだけど!!!
「はい、そこまでですわ!!」
もう触れる直前で、フィア様がストップをかけてくれたわ。止めてくれなかったら、私……殿下とキスしてたわよね……。
でも嫌じゃなかった、寧ろ少し残念……って何考えてるのよエイミー!?
「む、フィア邪魔しないでくれ」
「ここはワタクシの部屋ですわよ?それにエイミー様が混乱しているのを良い事に、無理矢理迫るなんて最低ですわ!」
「いや、無理矢理じゃないよ!しても大丈夫な雰囲気だったよね!?」
そう言われたら、混乱していただけかも知れないなんて思ってしまうわ。
だけど、私に芽生えたこの気持はきっと……。
「それに、エイミーも僕の事が好きなんだよね?」
「だ、誰もまだそんな事言ってませんけど!?きっと護衛さんの姿をした殿下にときめくだけで、普段の殿下には絶対にときめきませんから!!もう少し冷静になるまで、頭を冷やしたいので一人にして貰えますか??」
「そうですわね。だいぶ混乱していらっしゃるようですし、一度落ち着けば殿下がカッコいいなどと思う事も無くなるはずですわ」
「え……?」
もしかすると、冷静になればこの気持ちも勘違いだと思うかもしれないものね!
「ワタクシと殿下は部屋を出ますわね。それからアルロスの件はワタクシがどうにかしますので、数日はここで過ごしていただきますわ」
「わかりました。フィア様にはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」
その後、二人が部屋を出て行ってから私はずっと考えていたの。
どうして何時間過ぎても、殿下へのときめきが全くおさまらないのよ!?
こんなのもう、私が殿下の事を好きだって受け入れるしかないじゃない……でもこのまま殿下と両想いになってしまったら、私は本当に悪女になってしまうわ!!
だからこれからは、殿下に気持ちがバレないように過ごさないと……。
そして私はここから出られない数日間、頭を抱えて過ごす事になったのよ。
これも全て殿下のせいなんですからね!?
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