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おまけ ()内は相手キャラ 主にギャグとイチャイチャ
兄弟会議 (ギル、シル、バレン)
しおりを挟む兄弟3人に取り合いされてるように見える話
────────────────────
今日は月に一度の兄弟家族会議の日だ。
何でこんなのを開いているかといえば、ギル兄上は旅をしているし、バレン兄上も画家の仕事で忙しい。
だから月に一回だけ、こうして集まって何をしているのか、元気なのかを確かめる会が開かれているのだ。
だけど、いまだにデオル兄上は一度も会議に参加したことはない。
だって何処にいるのか誰も知らないのだから仕方がない。
そして、今の俺はこの状態に遺憾を感じていた!
「何故、席が足りないからと俺はシル兄上の上に座らされているのですか!?」
え?おかしくない!?俺王様だよ!一応だけどさ。
それなのに、この待遇!席が足りないなら何処かから借りて来てよ!!ねえ、誰か!!
「これは、仕方がない事なのです。今、何故か王宮内の椅子は改修中でして、これだけしか椅子を集められなかったのです」
「なんで、全部いっぺんにやっちゃうのですか!?それ以前に新しいの来てから全部撤去して下さいよ!」
「すみません。予想よりも仕上がりが遅れておりましてね……」
シル兄上がやったにしては、珍しいミスもあるものだ。そう思っていたら、ギル兄上が横から釘を刺した。
「いや、こいつわざとだろ」
「ぎくぅ!!」
「成る程、シル兄上はイルを膝の上にどうしてものせたいが故にこのような愚弄を行ったのですね!!なんと、愚かな!そして面白い発想ですね、流石我が兄上ですよ!!!」
俺はその会話に、心が無になった。
シル兄上がそれだけのために、まさかここまでやるとは……。
「シル兄上、今日はこれで我慢しますから……他の官僚さんが可哀想だから椅子はどうにかしてあげて下さいね」
「う、すみません。それにしてもイルはなんて心優しい子なんでしょうか!!」
「お前は心が歪んでるけどな!!」
「あなたに言われたくありません!」
またこの二人の言い合いが始まってしまった。
これが始まると、正直会議が何も始まらないまま終わることが多い。
それなのに珍しく、バレン兄上が二人を止めるために立ち上がったのだ。
「マイブラザーやめて下さい!今はそんなことより……!」
俺はバレン兄上頑張れと応援しようとした。
「そんなことより、僕だってイルを膝にのせたいです!!!」
「あぁ!?俺様だってイルを膝に乗せて柔らかい肌をモチモチしてやりてぇのに!!!」
いや、俺の体はモチモチはしてません!!
てかバレン兄上を一瞬でも見直そうとした俺が馬鹿だった。
「何ですか二人とも、イルを膝に乗せたいのですか?」
「お前ばかりずりぃぞ!!!」
「そうですよ!僕だってイルを膝に乗せて色んなところを触りたいです!」
勝手に話が進んでて入る余裕がないんですけど!?
そう思っている間に、何故か3人はゲームを始めたのだった。
「いいですか?一人一人の報告の合間にこのゲームをやります。勝ったものはその報告中、イルを膝の上に乗せることができる権利を得ます!」
「わかったぜ!俺様が全勝すればいいだけの話だからな!!」
「勝負事は得意ではないですが、運要素が強いこのカードゲームならチャンスはありますからね!!」
「いやいや、俺を全無視して話を進めないでー!!!!」
というわけで始まったこのゲーム。
初戦はギル兄上が勝った。
「イルは、俺の膝にずっといたいよな?」
「い、いやそんなことは……」
「ここにいたいよな?」
あ、圧が強いですギル兄上!!
俺は仕方がなく頷く事しかできなかった。
「よーし、いい子だぞ~。褒美にお兄様のキスをくれてやろう」
「へ?」
気がついたらギル兄上に唇を塞がれていた。
それに驚いたのは俺だけじゃなかった。
「「!?」」
「んっ、んん~!んんんん!!」
「ぷはぁ~」
あ、危なかった~~!!
俺今進化種だから、ギル兄上に一ミリでも恋愛感情を抱いてたら誓約してるところだった!!
いや逆に考えるんだ、一ミリもそんな感情兄上達に抱いてないというこだ、俺としてはヨシ!
「あぁ、イルとのキスは最高だなぁ~」
「ちょっとギル兄上!それはやりすぎではありませんか?」
「そうですよ!ずるいです!!」
「そう思うんだったらお前達もこのゲームに勝つ事だな!」
その言葉が二人の闘志に火をつけてしまった。
「報告よりもそっちのが大事です!!次、次やりますよ!」
「勝ったやつがイルに好きなことできるってことだな!」
「え?」
「これは僕も負けられませんよ~!!!!」
いつのまにそんな勝負になったの?
俺が現実逃避を始めた頃、次の勝者はバレン兄上だった。
「さあ、イル~俺の膝においでー」
「あの、えっとなんで……筆を持っているのですか?」
「え?これはねぇ~。イルをこうやって撫でるダメだよ!!」
「はへ?」
そういうと、俺はバレン兄上に筆で至る所を撫でられていた。
正直くすぐったくて死にそうだった。
それなのにバレン兄上は「一度僕の筆で捩ってるイルが見て見たかったんだよね~」とか呑気な事を言っていたので殴りたくなってしまった。
そして最後の一回はシル兄上が勝った。
最初の位置に戻って来ただけなのに、なんだか嫌な予感がした俺はシル兄上の顔を見れなかった。
というか、なんだ鼻息が俺にかかっている気がする。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
変態が後ろにいます!誰かー!!!
「シル兄上、大丈夫ですか?」
「す、すみません。イルに何かを出来ると思うと興奮してしまって……」
「おい変態、変態なお願いはするなよ」
「誰が変態ですか!!」
「シル兄上はこれさえ無ければまともな人間なのに、残念な人ですよね!!!」
「誰が残念ですか!!ふん、二人のおかげで少し興奮が覚めました。私の願いは───」
変なのが来ませんように!!!
「イルが、自分で服をゆっくり脱ぐところが見たいです」
へ、変態だーーーーーー!!!!
「やっぱり変態じゃねぇか!!」
「何処がですか!!いきなりキスするようなやつに言われたくないです!」
「ならイルに聞いてみます。イル、私のお願いはそんなに変ですか?」
聞かれたから俺は素直に頷く。
「シル兄上は、変態です……」
「なんという事でしょう、イルに言われたらそれも褒め言葉にしか聞こえませんね!」
「褒めてません!!」
「では、イル上から脱いで下さいね?」
よくわからないけど、流れ的にやらないと終わらないやつだと悟った俺は、シル兄上が納得するまで脱いだ。
「イル!それ以上はダメです!!ここには、イルを狙う獣しかいませんから!」
と、言って止められた。
でも、正直シル兄上が一番の獣に見えた。
「よし、そこまで脱いだならあとはやるだけだな!」
「え!ギル兄上ずるいですよ!!」
「二人とも、イルを困らせることはやめてください!」
こうして、その後もなんか色々やらされて今日の兄弟家族会議は終了したのだった。
そして今回も誰の報告も聞けなかった。
この人達なんで毎回来ているのだろう……。
そう思う俺だった。
────────────────────
おまけは全てこんな感じのギャグイチャメインです。次は短編です。
そしておまたせしました!
(待ってなければすみません)
ウル×デオルがすでに別作品として上がっています!気になる方は是非!
忠告ですが、ガッツリR-18でかなりエロくて変態なウルが見れます。あとデオル兄上の表記は向こうはデオです。性格がイルに対してではないのでかなり違うように見えると思います。デオル兄上めっちゃ喘いてますね。
それを気になさらない方は是非読んでみて下さい!
それとギャグではないです。
あと新しいのを上げる記念に、こちらに短編を1週間だけ毎日上げますので良かったら読んでくださいね。イチャイチャでもギャグでもなんでもないですが……。
あとは、16日に書く近況報告を確認してください!
長々と失礼いたしました!
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