やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜

ゆきぶた

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おまけ ()内は相手キャラ 主にギャグとイチャイチャ

お散歩デートできなかった話 (ルーディア)

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あちらにイルが出てきた記念として!
向こうにはルーディアでてませんけどね……。
お散歩に行ったら雨に降られた話。

─────────────────────







「イル、今日は僕とお散歩に行きましょう!」
「へ?」

ルーディアの部屋で、新しい媚薬とかを見ていたら、突然そんな事を言われて変な声を出してしまった。
でもなんでお散歩?買い物とかじゃなくて?

「実は王宮の庭園にいい薬草が生えていまして、一緒に取りに行きがてら息抜きしましょう!」
「息抜きか、それも大事な事だよな!ルーディアは最近ずっと部屋にこもってばかりだし、太陽に当たった方がいいと思うんだよな!」


と、いったのはいいのに……なんで、なんでこんな大雨が降って来てんだ!!?
何?俺雨男か何かなの??

「っくしゅ!」
「イル、大丈夫ですか?」
「へ?そういうルーディアだってビショビショだけど……」

そう言う俺たちは、庭園の東屋に避難していた。
しかし突然降り出した大雨に間に合わず、全身が濡れていた。
正直パンツまで濡れてるので早く着替えないと風邪を引いてしまう。

「でもイルは少し寒そうですよ?」
「そうかもしれない。こんなときに俺が亜空間ボックスを使えていれば、こんな姿のままじゃなくてもよかったのに….」
「イルは魔法が使えなくなってしまったのでしたっけ?」
「うう……そうなんだよなぁ。こういうとき情けない」

そう落ち込む俺を見て、ルーディアが突然俺を持ち上げ膝の上にのせた。

「って!?なんで!!」
「よいしょっと、こうやってギュッとすれば寒くないですよね?」
「確かにそうだけど、俺たち凄く濡れてるんだけど……?」
「なら脱ぎますか?濡れたままの服よりか、いいとは思いますけど……」
「いい!このままでいい!!」

こんなところ誰が来るかわからないのに、ルーディアと裸で抱きしめ合うなんて、そんなの見られたら恥ずかしくて死ぬ!

「でももう少しあったまる方法……」
「ど、どうしたんだルーディア?」

突然俺の体の何処かをみ 見て固まってしまったルーディアの視線の先を見て俺は驚く。

「イル、透けて……」
「わー!!!言うな!そして見るな!?」

今日はポカポカと暖かかったため、長袖だけど割と薄い服を着ていたために、張り付いてる服から俺の肌が透けてみえていた。

「何故ですか?せっかくですから、僕に見せて下さい!」
「何で!?」
「見られると恥ずかしいですよね?つまり、恥ずかしくて体が熱くなるのではないかと……!」

ん?ルーディア、何言ってるんだ!?
意味がわからなすぎて俺は首を傾げてしまう。

「イルのためを思っていっているのです!!さあ、その透けた体を僕に見せてください!」
「いやいや、そんな興奮していわれても……」
「ですがその方が僕も身体が暖まりますから!」
「えぇ……」

そう言ってルーディアは俺の体をじっと見るために、少し体を離した。
俺は恥ずかしくて大事なところを手で隠してしまう。

「ほら、イルも濡れた体を隠さずにしっかり僕に見せてください」
「なんか、また流されてる気がするけど……このまま寒いよりはいいかもしれない」
「そうですよ!さあ、僕の前で恥ずかしがってください」

そう言って俺はルーディアに見てもらうために、手をどかす。
その視線はネットリしていて恥ずかしい……。
だからなのか、少し体から熱くなってきたきがしていた。

「イル、恥ずかしがっているせいなのか体がほんのり赤くなって来ましたね」
「え、あぁ……」

そんなことを言われたら更に体は熱くなってしまって、俺は少し頭がボーっとしてきてしまったのだ。

「って、いうか本当に熱くなって来ましたけどこれ熱ありませんか!?」
「へ?」
「イル、おでこ凄く熱いですよ!!」

ルーディアの手がオデコに当たって凄く冷たい。
だから俺はその手をとって頬に当て、スリスリしてしまう。

「積極的なのは嬉しいですが、このままではいけませんね。僕がお散歩デートなんかしようと誘ったから……!」

え?これ、デートだったっけ?
と疑問に思ったけど、頭が重くてフラついてしまう。

「イル!!私が責任を持ってここから連れ出します。少し雨に濡れますが我慢してください!」
「ルーディア、お前そんな体力ないんだから無理するな……」
「大丈夫です。イルを持ち上げるために最近は鍛えていますから、だから安心して僕に身を任せて貰えませんか?」

真剣な目で見てくるルーディアに、俺は小さく頷いた。
ルーディアがそう言うなら、きっと大丈夫なんだろう。

「うーん、ちょっと目が回って来たので頼む」
「すぐに暖かい場所に連れて行きますから……!」

閉じそうな目から薄っすらと見えるルーディアは、何か丸いものを取り出すとそれを飲んだ。
するとルーディアの体が2倍ぐらいに膨れ上がった気がした。
え?何それパワーアップ薬……?いやいや、ゴリマッチョなルーディアなんているわけがない。
俺が熱で幻覚を見てるに違いない。
そして俺はそれを見なかったことにした。


そして目が覚めた俺は、ルーディアに心配されて起きたのだった。

「ああ、イル。目が覚めたのですね、よかったです!」
「ルーディア、せっかく息抜きに誘ってくれたのに悪かったな」
「いえ、今度は天気を確認してからまたいきましょうね」
「ああ。絶対行こう、約束な!」

笑顔で言ったのはいいけど、ルーディアの服が気になって俺は目を逸らしたのだった。
え?服が所々破れてるのは……まさか!いやそんなはず無い。あれは俺を連れてくる時にきっと無理をして破れた。そうに違いない……!

そして俺は、やはり無かったことにしたのだった。












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おまけは全てこんな感じのギャグイチャメインです。
次はライムの話になる予定。
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