やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜

ゆきぶた

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おまけ ()内は相手キャラ 主にギャグとイチャイチャ

目覚めたら動けなかった話 (ライム)

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初めてイルがライムの神殿で初夜を明かした後の話

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その日、朝目が覚めると体が全く動かなくなっていた。

「主、大丈夫ですか……」

全然大丈夫じゃないし、それは全部ライムのせいだといってやりたい俺がそこにはいた。


昨夜神殿にて久しぶりの再会を果たしたライムと、誓約を結んですぐに俺はライムにその説明を受けたのだ。
なんでも、この国の結界を維持する為にスライムがとにかく必要だと教えられた俺は、任せろ!と何故か元気に答えてしまい、その結果大変な目にあったわけである。

そして、この空間には何故か全てライムと同じ色の家具が準備されていた。
もちろんベットだってキングサイズであり、俺が昨日偉い目にあった場所である。

本当俺死ぬんじゃないかと思ったほど、ライムは疲れることを知らなかった。というか神だし疲れないのかもしれない。
性欲も無尽蔵だし、俺も何か用意しておかないといつか本当に死んでしまうのではないかと、今からドキドキしているところだ。


「主、ご飯の準備が出来ましたよ」

そんなわけで今現在声が掠れて出ない俺は、とりあえずご飯を持ってきてくれたライムに頷いた。
そんな俺を見て、何故かライムは少し嬉しそうに微笑んだのだ。

「ふふ……辛そうなイルレイン様には申し訳ないのですが、なんだかこの間までのことを思い出してしまいますね」

人が辛いと言うのに笑うんじゃない。と言ってやりたいのに、俺まで少し懐かしい気持ちになってしまい、言い返せなくなる。

「ではイルレイン様、体を起こしてご飯を食べさせて差し上げますね」

全てが懐かしい思い出になってしまったそれを、俺は快く受け入れていた。
ただ、前と違う事があった。

「はい、イルレイン様……あーん」

何故か料理は手で食べれる物しか出てこなかったのだ。
俺は口を開いて食べ物だけを口に入れようとしているのに、何故かライムが指ごと口に入れてくる。
そのせいで食べ物が上手く口に入り切らずに、溢れてしまうのだ。

「……っ!」
「イルレイン様、こぼしていますよ。仕方ないですね、私がとって差し上げます」

そういうと、ライムはまだ上半身裸である俺の体についたパンとそのソースを舐めとった。
どうしても、まだ昨日の感覚が抜けない俺の体はピクリと反応してしまう。
声の出ない俺は喉がヒュッとなるのがわかった。

「ッ……!?」
「イルレイン様?くすぐったかったですか?すみませんでした。次からはくすぐったくないように舐め取りますね」

満面の笑顔でいうライムを見て、絶対に確信犯だろ!と、ツッコミを入れたくなってしまったのだった。


こうしてご飯を食べ終わった俺は、この神殿にいることのできるギリギリの時間まで、ライムと横になって抱き合っていた。

ライムとはこれからは周に一度ここで会える。
でも今まで毎日一緒にいた事を考えると、やはり物足りなさを感じている俺がいた。
ようやく少し喉が回復した俺はライムに問いかける。

「ライム、寂しくないか?」
「私が寂しい……ですか?」
「だって俺に会わない間はずっとここに一人だろ?」
「大丈夫です。私はずっとイルレイン様を見ていますから。毎日が充実していますよ」
「ずっと!!?」

それはつまり、俺がダンとヤってるところも見られているとかそう言うこと……?

「もちろん、イルレインがあのクソ男に乱されている姿もバッチリ見ております」
「~~~~~~!!!?!!」

余りの恥ずかしに、俺は声にならない奇声をあげてしまった。

「とても憎たらしいですが、こうして自分とさせて頂いて初めて気が付きましたが、している最中はイルレイン様の事ずっとじっくり観察できませんからね。そう考えると、あの顔をずっと見ていられるのは至福の時ですから、今は許してやってもいいかと思っております」
「ら、ららライム!!!!もう恥ずかしいからそれ以上はやめてくれ!というか、四六時中俺を監視するなーーーー!!!!!!」

そう叫んだ俺は、また声が出なくなってしまった。
それなのに、ライムは絶対にやめる事を認めてくれなかったのだった。


やはり、ライムの異常な愛し方にはいつも困惑してしまうけど、こんな日々がまた過ごせるなら、少しは頑張るために俺も精力をつけないといけないのかもしれないと、真面目に考えてしまう俺がいたのだった。






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おまけは全てこんな感じで緩いです。
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