やめて!お仕置きしないで!本命の身代わりなのに嫉妬するの?〜国から逃亡中の王子は変態悪魔に脅される!?〜

ゆきぶた

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二章

92、ダンと話し合い(ウル視点)

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見せプレイした後のウル視点を2話を送りします。
ウルとダンの話、そしてゼントについて。

ー  ー  ー  ー  ー













このタイミングでダンが来るなんて全くの予想外だった。
それ以前に思ったよりも来るのが早い気がするんだよねー。俺の予想では1月はかかると思ったんだけど……。
俺は寝てしまったデオの後処理を済ませて、待ってくれていたダンを見た。
顔を見ると相変わらずイラッとするが、呼んだのは俺なのだ。手伝ってもらう為には少し妥協は必要だろう。

「ダン、それにしてもだいぶ早く手紙が着いたんだね?」
「ああ、何か早馬をわざわざ使って先に帰ってきた奴がいたんだよ」
「成程ね……」

それなら、これ程早くダンが来た事も頷ける。

「それよりも、あの手紙だけどよお……」
「ちょっといいですかー?」

手紙の話をしようとしたところで、先程まで1人でやり過ぎてバテていたゼントが話しかけてきた。

「なんだいゼント?」
「俺は見たい物見れて満足したし、聞いちゃいけない話っぽいんで帰っていいですかー?」

確かに話を聞かれてしまえば、ゼントは関係者になってしまう。
ここで帰ってもらった方がいいかもしれないね。

「そうだね、これ以上君まで巻き込む話じゃないからね……」
「いや、待て。気になる事があるから、お前を少し見させてもらうぜ?」
「見る?」

そう言うとダンは魔法を発動したのか宙で手を動かし始めた。その動作からダンが鑑定を使用しているのがわかる。
それを見たゼントも何なんだ?と、動かずにじっとしていた。

「あー、これは少し驚いた結果が出たんだが……そんな馬鹿なと思うかもしれねぇけどよ、言ってもいいか?」
「なんだい勿体ぶって、ダンが驚くほどの事なんて、凄く気になるんだけど……」
「端的に言うと、コイツ進化してるぜ?」
「は?そんなわけ……進化してるのに俺が気付かないわけがないよ」
「だがコイツを鑑定で見ると魔人だと出てくるからな?」
「魔人……?」

そう言われて、ゼントが俺の攻撃を何度も避けた事を思い出す。
確かにあの反応速度は、例え潔癖症で触られるのが嫌という理由だけで、普通の人間に出せる速度ではなかった。

「何、ゼントは潔癖症過ぎて無意識に進化したとでも言うの?」
「可能性はあるな。人に触れられたくなくて人間やめるなんて、変わったやつだぜ」
「えーっと、お二人さんは一体なんの話を……?俺は帰っていいのか、いけないのかどっちなのさー?」

話が理解できていないゼントは不思議そうに俺達を見ていた。
しかしゼントが進化した人間ならば、俺は戦力に加えてもいいかもしれないと思っていた。
正直言って俺一人の戦力では、あの男を完全に殺す事は難しいだろう。ガリアの後ろには優秀な魔法使いがいる。もし全面的に戦うとなったときに俺一人では不利になってしまうだろう。
だからここは無理矢理話に巻き込むのが1番だよね。

「ゼント、悪いけどまだ帰すわけには行かなくなったよ」
「え、それってどういう……」

そう言いながら扉を開けようとしたゼントよりも早く、俺は結界を張った。

「あ、あれ?扉が開かない……」
「ゼント、俺たちのエッチをじっくり見て楽しんだよね?だから悪いけどその分は、きっちり返してもらう事にするよ」
「ええ!?そんな脅し方あるー?」
「大丈夫、手伝ってくれたらいくらでも俺達のエッチ見てくれていいからね?」
「あー、それは少し魅力的だなぁ。なら手伝っちゃおうかなー?」

そう軽く言いながら椅子に座り直したゼントを見て、エロに素直奴だと感心してしまう。

「内容はわからなくても、とりあえず聞いてるだけでいいからねー?」
「わかった。俺はただ聞くだけだから、どんどん話し合いをしてくれー」
「と、言う訳だから話を戻そうか」

俺は改めてダンを見ると、ダンは何故かデオを見ていた。

「なんでデオを見てるのさ、デオは絶対にあげないよ?」
「何言ってんだ、俺の一番は一人だけだって知ってるだろ?ただ兄弟だからイくときの顔とかは似てるなぁーって思っただけだぜ?」
「ふーん」

それは俺もダンがイルを犯してるときに同じような事を思った気がするので、やはり二人は似ているのだろう。

「それにしても、イルと誓約したはずのお前が何でその兄貴とセックスしてんだよ?」
「……俺、今はデオと恋人同士なんだよ」
「はぁ!?お前イルはどうした?」
「イルは大事な存在だけど……俺はデオを愛してるってわかったんだ」
「なら誓約は?」
「それについては、色々事情があってね……」

そして俺はデオに出会ってからの話と、ガリアの話をダンに簡潔に説明していた。

「確かに手紙には、その男の事を調べて欲しいとあったけど……そう言う事だったのか」
「そう言うわけだから、ダンがイルとしてる事をバラされたくなければ俺を手伝ってくれないかな?」
「はぁ、その脅しは酷いぜ?それに俺が同じようにイルにバラしたらお前困るだろ?」

確かにイルにデオと俺が恋人同士だとバレたら、ここまで乗り込んで来そうだよね~。

「でも、俺は別にバレても困らないけどね?」
「だけどさっきみたいな変態プレイはダメだろ?アイツが見たら建物事吹き飛ばしそうだぜ。まだここに来たのが俺でよかったな」
「変態プレイって……」

見せつけプレイは変態プレイと言われても仕方がないかもしれない。
それに恋人になる前は、可愛いデオの顔を誰かに見られるだけで嫉妬していたけど、心が通じ合った今は逆に俺の可愛いデオを誰かに見せびらかしたいのだから仕方がない。

「どう見ても変態だったぜ?まあ、少しは参考にさせてもらうけどな」
「なら俺達の見れてラッキーだったんじゃない?」
「まぁ、そうかもしれねぇけど。だけどよ、これって真面目そうな兄貴の方にイルとの事がバレたとしても、何故か俺がイルに怒られそうなんだよな……だから仕方がねぇから。今回は手伝ってやるよ」
「それは嬉しいよ。互いに相手にバレないように気をつけようね?」
「ああ」

そう言ったけど、俺はいつか普通にバラす気がするけどね。
互いに見せ合いっこしながらヤるのも良いかもしれない、なんて思い始めてる俺がいてその約束は早くも守れそうになかった。

「でも1つだけ頼みがあるんだが、俺の方も少しは聞いてもらえるよな?」
「それは内容によるけど~?」
「たいした話じゃねぇよ。2ヶ月後、イルの誕生日がある。それまでに兄貴の方をどうにか連れ帰って来て欲しいんだ」
「まあ、それぐらいなら出来ると思うけど?」
「それさえ守ってくれるなら今回の件は、それで全部チャラにしてやるよ」

そうニカっと笑うダンは、本当にイルの事が大切なのだろう。
もしかすると俺もデオの話を人にするときはこんな顔してるのかと思ったら、なんだかむず痒くなって俺はその顔を見てられなかった。
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