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一章 本命じゃないくせに嫉妬はやめて!
27、温泉にて
しおりを挟む綺麗にしようのデオ視点です。
次回が洗いながら微エロ。
ー ー ー ー ー
「俺は、ウルだけがいい……ウル以外に犯されるのは嫌だ」
そう言ってしまった瞬間、俺は一体何を言っているんだと自分で驚いてしまっていた。
確かに他の人に挿れられそうになって凄く嫌だった。だからといってこの言い方は失敗だ!
これだと俺が、ウルに犯して欲しいみたいじゃないか……。
そう思いながらハラハラしてウルを見る。
少し驚いた顔をしたウルは案の定、そのことを聞き返してきたのだ。
「デオ、もう一度言って?」
「ダメだ。あんな恥ずかしいのはもう言わない……でも他の奴らにやられたくないのは事実だから、それだけは覚えていてくれ」
恥ずかしくてもう一回なんて言えるわけがない。
だからそっぽを向いて、ウルにちゃんと正しく言い直す。別に成り行きでヤってるだけであって、俺は別に凄くウルとしたいわけじゃない。
それなのに、ウルは俺の言葉を理解してないのか嬉しそうに言ったのだ。
「デオがそんな事を言ってくれるようになるなんて、俺は嬉しいなぁ~。お仕置きは後にして、今は俺がデオを綺麗にしてあげるよ。だってあんな奴らの汚いのがついたままなのはデオも嫌だろ?」
俺の体はベトベトだし、服も胸のところに穴の空いた服1枚しか着ていない。
それに、知らない男の精液がついた体なんて……汚くて早く洗い流したかった。
「そうだけど……俺がって言うのはどう言う?」
なんだか嫌な予感がした俺は、ゆっくりとウルの顔を見上げた。
その顔は楽しそうなことを思い浮かんでいるのか、ニヤリとしている。
「ふふ、こういうこと~!」
「ま、まっ!?」
どういうことだ、まて!
と思っている間にウルに抱き上げられ、気がつけばそこはもう宿屋の部屋ではなくなっていた。
そして気がつけば目の前が、湯気で真っ白になっていた。
呆然としている俺に、ここが温泉である事をウルは教えてくれたのだ。
これが温泉……誰かから聞いたことがあるけど、目にしたのはこれが初めてだった。
確かにお風呂ではあるし、綺麗にって言うのはそういうことなのか?
そんな事を考えていたら、突然ウルが俺を突き飛ばしたのだ。
驚きの声を上げながら、勢いよく温泉に落とされた俺は、全身がお湯の中へと沈んでいた。
慌てた俺はすぐにお湯から顔を出す。
そして目の前で呑気に温泉に浸かるウルを見てイラッとしてしまう。
「ウル!いきなり押したら危ないだろ!!」
「ふふ、頭から浸からないと綺麗にならないでしょ?」
一瞬そうかもしれないと首を傾げて、すぐに首を振る。
「いや、こんな乱暴な方法で綺麗になったなんていうわけないだろ」
「嘘だよ~。今から俺が優しく洗ってあげる」
そう言って手を掴まれたと思ったときには、俺はウルに抱き寄せられていた。
その瞬間、俺の鼓動が速くなったのがわかってしまう。
どうして、俺の鼓動はこんなに速くなっているんだ?
もう魅了の効果は切れたはずなのに……。
恥ずかしくて離して欲しくて、俺は少し抵抗してみたのにやはりびくともしない。
それよりもこの鼓動をウルに聞かれたくなくて、俺は胸がウルに当たらないようにと、気にしていた。
そのため、ウルが呟いた言葉を聞き逃してしまった。
「可愛い……、……たい」
「え?」
「おっとつい本音がポロッとでてしまったよ!じゃあ、上から下まで全部綺麗にしてあげるよ、この俺が!」
聞きそびれた本音が何なのか気になったけど、楽しそうに準備をするウルを見て、さらに首を傾げてしまう。
体を洗うのに道具って沢山必要だっただろうか?
「そんなに道具がいるのか?綺麗にするのって魔法で簡単に出来るだろ?」
「そんなのじゃダメだよ?あいつらの匂いごとしっかりと、デオの体から除去しないと……」
そんな嫉妬してるように言われても困る。
それに俺は身代わりなんだから、勘違いするような事毎回言わないで欲しい。
ただでさえ俺の鼓動がうるさいのに……。
俺は少し落ち着くために深呼吸すると、自分の体を改めて見る。
その体はウルの言う通り、汚れているんだと思う。
だから普通に洗ってもきっと取れないこの汚れを、ウルにちゃんと綺麗にしてもらいたい。
そう思ってウルを見ると、少し眉を寄せてどこか一点を見つめていた。
不思議に思った俺は、ウルに話しかけていた。
「ウル?どうしたんだ、ぼーっとして……」
「あ、ごめんね。少し考え事していただけだよ?」
「考え事?」
ウルが考え事なんて、なんだか嫌な予感がしてしまう。
「あ、うんそうだよ。デオのどこから洗ってあげようかな~、なんて思ってたんだ」
「どこからでも一緒だろ?」
「そんな訳ないよ!デオの可愛いアソコから洗ってあげるのもいいよね?」
「可愛いアソコってどこだ……」
やっぱりウルは碌なこと考えてなかったのかもしれない。洗いながら変なことされないか心配になってしまう。
「さあ、充分あったまったし、一旦上がろうね!」
抱えられたまま湯からでると、ウルはポケットから椅子を出して俺を座らせたのだ。
いやまて、ポケットから出るサイズじゃないし、いつも思ってたけどそのポケットどうなってるんだ?
「ウルのポケットは何でも出てくるんだな」
「このポケット亜空間ボックスだからね」
亜空間ボックスといえば一定の容量であれば、亜空間に収納できる便利な魔法だ。
確か相当な魔力量が無いとできないはずなのに、本当上位種というのは大体のことは出来てしまうんだな。恐ろしい……。
「そんなものまで使えるなんて凄いな」
「感激してないでよ。今からデオを綺麗にしてあげるんだから、ちゃんと座ってね?」
「ああ、よろしく頼む。それに俺も、ウルの手でこの体を綺麗にしてもらいたいんだ……」
「なにそれ、無自覚?」
その言葉の意味はわからなかったけど、俺は体をウルに任せることにした。
ニヤリと笑ったウルは石鹸を泡立てて、優しく俺の体を泡だらけにしていく。
その手つきはなんだかいやらしい……。
そしてたまに俺の気持ちいいところを、わざとゆっくり擦っていく。
「っ!」
「どうしたの、デオ?これはただ体を洗ってるだけだよ?」
「……ウル、わざとだろ?」
俺はギロリとウルを見つめる。それなのにウルはニコニコと楽しそうに体を擦りつづけている。
「それとも、洗われてるだけなのに感じちゃう程デオは敏感になっちゃったのかな?」
「ち、違う……お前の手がいやらしいから」
「え、俺の手が?それは褒め言葉だよ、じゃあもっと気合入れてゴシゴシしてあげる」
「ちょ、ちょっとまて!!」
そう言うと、ウルは目をギラリと光らせて泡立てタオルを、もっと編み目の粗い物に変えたのだ。
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