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監禁十六日目
監禁十六日目③ 解く
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紅子の脚は赤く染まっている。それでも縛り上げられた莉乃に抵抗する術はない。馬乗りになり紅子は突然莉乃の猿轡越しにキスをした。莉乃は暴れるが、縄が食い込むばかりであった。
服を引き裂き、莉乃の胸を露にさせ、乳首に優しく触れた。莉乃の身体がビクッと反応を示す。紅子は容赦なく下半身にも手を伸ばし、その身体を味わっていった。
「可愛い。負けん気の強いところにそそられますわ。でも、蒼子姉さんを殺した罪は償わなければなりません」
紅子の両手が莉乃の首を捉える。莉乃は目を見開き、助けを求める苦悶の声を上げた。しかし、為す術なく紅子によって、その細い首は絞められていく。暴れる莉乃だが、抵抗など意味を為さない。呼吸できない苦しむ莉乃を見ていることしかできないことが、優夜にとって最大の責め苦となった。
莉乃の抵抗する力は徐々に落ちていった。莉乃が、殺されてしまう。優夜はなんとか戒めを解こうとしてが、縄で皮膚が擦り切れるばかりだった。
莉乃……ごめん……
「がっ」
その時だった。紅子が小さな唸り声を上げ、床に倒れた。その倒れ行く様はどこかスローモーションのように、ゆっくりと見えた。カーペットに俯せになり、紅子はピクピクと痙攣した。
血が滴るナイフを手に、雨宮葉子はそれを見下ろしていた。
投げ捨てられたナイフは床に落ちていた。葉子は身をよじり、そのナイフで自身を緊縛していた縄を切った。そして、莉乃を絞め上げていた紅子の背後から、ナイフを突き刺した。
葉子は再びその背中にナイフを突き刺した。「うぐっ
」という紅子の声が木霊し、血に染まる床の海に突っ伏した紅子は動かなくなった。
葉子は莉乃の拘束を解き、抱きしめた。莉乃はただ泣いていた。葉子は御子神への忠誠よりも莉乃を選んだ。
莉乃はまるで憑きものが取れたようだった。長い間御子神から受けていた抑圧が、限界に達していたのだろう。葉子は何度か莉乃の頭を撫でてから、ナイフで俺の拘束を解いてくれた。
「“魂”の状態では私たちに手を出せない。でも身体に入り込まれる可能性がある。急がなきゃ。紅子様はまだ死んだばかりで大丈夫だけど、蒼子様はまた襲ってくるかもしれない」
「研究所のフロアから、外に出れるわ。あとは鍵さえあれば」
莉乃の肩を抱き歩き出す。後ろからついてきた葉子が突然足を止めて俯いた。
「愚かな」
その声は、蒼子のものであった。
「申し訳ございません……でも……」
今度は葉子の声。
「貴女は私(わたくし)たちに忠誠を誓ったはず。覚悟はできてるのですね」
葉子の身体が震え出す。
その震える身体とは裏腹に、手にしたナイフが自分に向けられる。
「残念ですわ。失うことが」
蒼子の声がいつも以上に冷たく響く。
「貴女を喪うことではありません。貴重な血が失われてしまうから」
手に力が入り、腹の辺りにナイフが刺し込まれた。
服を引き裂き、莉乃の胸を露にさせ、乳首に優しく触れた。莉乃の身体がビクッと反応を示す。紅子は容赦なく下半身にも手を伸ばし、その身体を味わっていった。
「可愛い。負けん気の強いところにそそられますわ。でも、蒼子姉さんを殺した罪は償わなければなりません」
紅子の両手が莉乃の首を捉える。莉乃は目を見開き、助けを求める苦悶の声を上げた。しかし、為す術なく紅子によって、その細い首は絞められていく。暴れる莉乃だが、抵抗など意味を為さない。呼吸できない苦しむ莉乃を見ていることしかできないことが、優夜にとって最大の責め苦となった。
莉乃の抵抗する力は徐々に落ちていった。莉乃が、殺されてしまう。優夜はなんとか戒めを解こうとしてが、縄で皮膚が擦り切れるばかりだった。
莉乃……ごめん……
「がっ」
その時だった。紅子が小さな唸り声を上げ、床に倒れた。その倒れ行く様はどこかスローモーションのように、ゆっくりと見えた。カーペットに俯せになり、紅子はピクピクと痙攣した。
血が滴るナイフを手に、雨宮葉子はそれを見下ろしていた。
投げ捨てられたナイフは床に落ちていた。葉子は身をよじり、そのナイフで自身を緊縛していた縄を切った。そして、莉乃を絞め上げていた紅子の背後から、ナイフを突き刺した。
葉子は再びその背中にナイフを突き刺した。「うぐっ
」という紅子の声が木霊し、血に染まる床の海に突っ伏した紅子は動かなくなった。
葉子は莉乃の拘束を解き、抱きしめた。莉乃はただ泣いていた。葉子は御子神への忠誠よりも莉乃を選んだ。
莉乃はまるで憑きものが取れたようだった。長い間御子神から受けていた抑圧が、限界に達していたのだろう。葉子は何度か莉乃の頭を撫でてから、ナイフで俺の拘束を解いてくれた。
「“魂”の状態では私たちに手を出せない。でも身体に入り込まれる可能性がある。急がなきゃ。紅子様はまだ死んだばかりで大丈夫だけど、蒼子様はまた襲ってくるかもしれない」
「研究所のフロアから、外に出れるわ。あとは鍵さえあれば」
莉乃の肩を抱き歩き出す。後ろからついてきた葉子が突然足を止めて俯いた。
「愚かな」
その声は、蒼子のものであった。
「申し訳ございません……でも……」
今度は葉子の声。
「貴女は私(わたくし)たちに忠誠を誓ったはず。覚悟はできてるのですね」
葉子の身体が震え出す。
その震える身体とは裏腹に、手にしたナイフが自分に向けられる。
「残念ですわ。失うことが」
蒼子の声がいつも以上に冷たく響く。
「貴女を喪うことではありません。貴重な血が失われてしまうから」
手に力が入り、腹の辺りにナイフが刺し込まれた。
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