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監禁十五日目

監禁十五日目⑤ 裏

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 双子が不敵な笑みを浮かべるのと同時に優夜は莉乃の手を取り動いた。ここにいては、ヤバい。本能でそれがわかっていた。このフロアは、エレベーター以外で他のフロアへ行けない。モニタールームから他の部屋へ通じるようなドアも、窓もない。アイツらが来る前にエレベーターに乗らなければ、袋の鼠になる。

「エレベーターへ走れ!」
 莉乃の手を、部屋を飛び出してエレベーターへ向かう。莉乃は後からでも間に合う、まずはエレベーターを呼ばなければ。いち早くボタンを押すために、優夜は全力で走った。そして下のボタンを押す。すると、すぐに扉が開いた。

 なぜ、エレベーターがこのフロアに。確かにボタンは押した、エレベーターは地下にいるはずでは。中には誰も乗っていない。頭にひとつの考えが浮かぶ、楽しんでるんだ。この状況を。

 やはり、葉子の言葉は罠だった。しかし、まだわからない。莉乃がエレベーターまで辿り着いた。急いで二人乗り、一階フロアのボタンを押した。逃げるとしたら、ここしかない。エレベーターの扉が急ぐ気持ちに反してゆっくり閉まっていく。

 もしかしたら、一階で待ち構えているかもしれない。そうだとしたら、相手にできるか?
 双子はどれだけ異常であっても、少女の姿であることに変わりない。二人いたとしても、上手く行けば。希望でしかない。しかし、身構えてエレベーターが辿り着くのを待つ。たった数秒が、何十秒にも、何分にも感じる。

 一階の表示に辿り着く。また身を隠し、恐る恐る覗き込むと、エントランスはがらんとして、誰の姿もない。

 人気のないエントランス。何も音がしない。
 アイツらは遊んでいる。だから、前のように考えなしに行動してはいけない。

 もし、ここが監禁者を試す場所でもあるのなら、その裏を掻くことは容易くない。この屋敷が全てアイツらの都合のように造られているからだ。しかし、ならばその考えの裏を狙うしかない。
 たとえば一見出口の玄関に電流が仕掛けられていたように、普通や常識で考えては、ここから逃れることはできない。

 裏を掻こうとすればするほど、考えは堂々巡りになる。PKと同じだ、考えるほど深みにハマってしまう。そういう時は、何も考えず、直感に従う方がいい。
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