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監禁十三日目
監禁十三日目③ 鎖
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葉子は淡々と次の手順だけを述べた。脚を曲げて寝ている莉乃をうつ伏せにする。手を後ろに回して手首にガムテープを巻いていく。終わると、足首も揃えて何重にもガムテープを巻いた。
「身体を起こして座らせ、目と口も塞ぎなさい」
葉子の言うとおりにしてから、ガムテープをちぎり、莉乃の目元と口へ貼った。
「よくできました」
葉子はニヤニヤと笑いながら言う。そして優夜に自分の足首を縛り、口にガムテープを貼るように指示をした。来るときと同様にヘッドホンを付け、外れた手錠を確認して膝に置き、目にもテープを貼り。最後に後ろ手に自分で手錠を嵌めた。
結局、逃げ出すタイミングなど、一切なかった。呆気ないまま、莉乃を連れ去り、俺はまたあの屋敷に戻される。だがこれで、和奏は……
「貴方はもうこの屋敷から出ることはできません」
蒼子の言葉を思い出していた。その言葉は現実にはならなかった、確かに優夜は屋敷の外に先ほどまでいた。しかし、とてもそんな気持ちにならなかった。
俺も逃れられない鎖で繋がれている。この屋敷に、囚われたままだ。
車に乗り込む時も、アイツらは慎重だった。監禁部屋からの移動から目隠しとヘッドホンをさせられた。拘束され車椅子に座らされて運ばれたので、一度エレベーターに乗ったのはわかったが、後は検討がつかなかった。
帰りも同様にして戻された。体感ではあるが、戻る時間が行きと異なっていた気がする。車と同じで場所をあまり特定されたくないのだろう。
ガムテープが剥がされ、ヘッドホンが外される。ガムテープの痕のヒリヒリとした瞼を開ける。そこは、いつもの監禁部屋であった。
違うのはただひとつ。拘束用の椅子が一つ増え、そこに莉乃が座らされていることだ。莉乃はまだ眠っている。
「お疲れ様でした」
背後には蒼子と紅子の姿があった。
「感動の再会は、いかがですか」
紅子が、俺と莉乃を交互に見てニヤけている。
「言う通りにした。だから、和奏を解放しろ」
力を込めて言った。それに蒼子が答えた。
「もちろん、そのように」
これで和奏は救われるのだろうか。この忌まわしき屋敷での出来事は、消えてなくなるのか。
「身体を起こして座らせ、目と口も塞ぎなさい」
葉子の言うとおりにしてから、ガムテープをちぎり、莉乃の目元と口へ貼った。
「よくできました」
葉子はニヤニヤと笑いながら言う。そして優夜に自分の足首を縛り、口にガムテープを貼るように指示をした。来るときと同様にヘッドホンを付け、外れた手錠を確認して膝に置き、目にもテープを貼り。最後に後ろ手に自分で手錠を嵌めた。
結局、逃げ出すタイミングなど、一切なかった。呆気ないまま、莉乃を連れ去り、俺はまたあの屋敷に戻される。だがこれで、和奏は……
「貴方はもうこの屋敷から出ることはできません」
蒼子の言葉を思い出していた。その言葉は現実にはならなかった、確かに優夜は屋敷の外に先ほどまでいた。しかし、とてもそんな気持ちにならなかった。
俺も逃れられない鎖で繋がれている。この屋敷に、囚われたままだ。
車に乗り込む時も、アイツらは慎重だった。監禁部屋からの移動から目隠しとヘッドホンをさせられた。拘束され車椅子に座らされて運ばれたので、一度エレベーターに乗ったのはわかったが、後は検討がつかなかった。
帰りも同様にして戻された。体感ではあるが、戻る時間が行きと異なっていた気がする。車と同じで場所をあまり特定されたくないのだろう。
ガムテープが剥がされ、ヘッドホンが外される。ガムテープの痕のヒリヒリとした瞼を開ける。そこは、いつもの監禁部屋であった。
違うのはただひとつ。拘束用の椅子が一つ増え、そこに莉乃が座らされていることだ。莉乃はまだ眠っている。
「お疲れ様でした」
背後には蒼子と紅子の姿があった。
「感動の再会は、いかがですか」
紅子が、俺と莉乃を交互に見てニヤけている。
「言う通りにした。だから、和奏を解放しろ」
力を込めて言った。それに蒼子が答えた。
「もちろん、そのように」
これで和奏は救われるのだろうか。この忌まわしき屋敷での出来事は、消えてなくなるのか。
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