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監禁九日目
監禁九日目① 瞬き
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目を覚ますと優夜は椅子に座らされていた。そこは、あのステージのあったダイニングのような部屋。ステージと向き合う端の席に座らされていた。
手を背もたれに回され縄で縛られている。縄は身体や脚に蔦のように絡みつき、優夜を椅子に固定していた。失禁によって濡らしたパンツとスウェットは、履き替えさせられているようだ。
左右の椅子には蒼子と紅子がいて、優夜を見て怪しげな笑みを浮かべていた。喋ろうとしたが、手拭いで厳重な猿轡がされていた。口の中に布を押し込まれているようで、全く喋れない。
ステージにはライトが点っていた。スポットライトの下には葉子の姿があった。まさにSMの女王様を思わせる、レザーのボンデージ姿をしている。
葉子はステージを降り、ピンヒールを鳴らして優夜のところへやってくる。そして言った。
「これから起こることは、瞬き厳禁ですわ」
そう言うと小さな器具を取り出した。それを優夜の目に着けた。バネのようなものが付いた金具。それによって優夜の目は見開かれ、瞬きができなくなってしまった。
それを確認すると小さく微笑み、葉子はステージに戻ると小さくお辞儀をした。
「さあ、始めましょう」
蒼子が言った。そして、振り向き、優夜を見る。
「貴方は、雨宮を殺しました。雨宮がどれだけ私たちに尽くしてくれた大切な存在か、わかりますか」
「そう、雨宮は私たちの面倒をずっと見てくれてた。親以上に愛してくれていた。そんな雨宮を貴方は殺したの」
人を拉致監禁して拷問していた奴らが、それを説くのか。しかし、猿轡によって反論することはできない。
「貴方には、私たちの気持ちを味わって貰います」
蒼子は淡々と言った。
ステージに居る葉子は鎖を持っていた。それは舞台袖に伸びている。その鎖を引っぱると、首輪をされた女の子が舞台袖から、たどたどしい足取りで現れた。目隠しとボールの付いた猿轡をされている。
その姿を見て優夜は猿轡の中で懸命な声を上げていた。
目隠しをされていてもわかる。その女の子は、間違いなく、旅行に行っていた筈の優夜の妹、和奏であった。
「和奏、なんでここに……まさかアイツら……妹まで……」
見開いて乾いた目から涙が出ていた。
制服を着て、目隠し、猿轡、首輪を付けられた妹、それを為す術なく見させられている兄。そして蒼子の言葉を思い出す。
「貴方には、私たちの気持ちを味わって貰います」
まさか……やめてくれ……
手を背もたれに回され縄で縛られている。縄は身体や脚に蔦のように絡みつき、優夜を椅子に固定していた。失禁によって濡らしたパンツとスウェットは、履き替えさせられているようだ。
左右の椅子には蒼子と紅子がいて、優夜を見て怪しげな笑みを浮かべていた。喋ろうとしたが、手拭いで厳重な猿轡がされていた。口の中に布を押し込まれているようで、全く喋れない。
ステージにはライトが点っていた。スポットライトの下には葉子の姿があった。まさにSMの女王様を思わせる、レザーのボンデージ姿をしている。
葉子はステージを降り、ピンヒールを鳴らして優夜のところへやってくる。そして言った。
「これから起こることは、瞬き厳禁ですわ」
そう言うと小さな器具を取り出した。それを優夜の目に着けた。バネのようなものが付いた金具。それによって優夜の目は見開かれ、瞬きができなくなってしまった。
それを確認すると小さく微笑み、葉子はステージに戻ると小さくお辞儀をした。
「さあ、始めましょう」
蒼子が言った。そして、振り向き、優夜を見る。
「貴方は、雨宮を殺しました。雨宮がどれだけ私たちに尽くしてくれた大切な存在か、わかりますか」
「そう、雨宮は私たちの面倒をずっと見てくれてた。親以上に愛してくれていた。そんな雨宮を貴方は殺したの」
人を拉致監禁して拷問していた奴らが、それを説くのか。しかし、猿轡によって反論することはできない。
「貴方には、私たちの気持ちを味わって貰います」
蒼子は淡々と言った。
ステージに居る葉子は鎖を持っていた。それは舞台袖に伸びている。その鎖を引っぱると、首輪をされた女の子が舞台袖から、たどたどしい足取りで現れた。目隠しとボールの付いた猿轡をされている。
その姿を見て優夜は猿轡の中で懸命な声を上げていた。
目隠しをされていてもわかる。その女の子は、間違いなく、旅行に行っていた筈の優夜の妹、和奏であった。
「和奏、なんでここに……まさかアイツら……妹まで……」
見開いて乾いた目から涙が出ていた。
制服を着て、目隠し、猿轡、首輪を付けられた妹、それを為す術なく見させられている兄。そして蒼子の言葉を思い出す。
「貴方には、私たちの気持ちを味わって貰います」
まさか……やめてくれ……
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