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最終章 放置プレイ
19話 待ち合わせ
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※
数週間後、ミカとのプレイをする日が来た。
プライベート調教ということで、それなりに出費が大きい。待ち合わせ前に銀行で現金をおろした。待ち合わせ場所は意外にも一樹の家の駅から上り路線で数駅のところだった。この駅もそれなりに大きな住宅街だ。
待ち合わせ場所は駅ではなく、駅からしばらく歩いたところにある場所だった。通りには特に店がある訳でもなく、待ち合わせの目印はかろうしで近くにあった寂れた神社くらいだった。なぜこんな場所で待ち合わせをしたのだろう。昼下がり、空気は澄み日差しがあっても、空風が吹き抜ける冬の寒さは容赦ない。
しばらくしてミカが車で来た。レザーのライダースにデニムを合わせた姿が、とても似合っていた。ミカの車は意外にもとても庶民的な普通の乗用車だった。彼女なら外車でたむてもきっと似合うことだろう。
「こんにちは。助手席は荷物を積んでしまってるから、後ろに乗って」
窓を開けて、ミカは言った。その言葉に従い、後部座席に乗り込む。車内はフレグランスが効いていて、とても良い薫りがした。後部座席の片側には海外旅行にでも行くような大きなトランクが置かれた、助手席にももうひとつ置かれている。かなりの大荷物だ。
「今日は、よろしくお願いします」
「ええ。よろしく。緊張してる?」
「はい」
「ふふ、じゃあ行きましょうか」
他愛ない挨拶を交わし、ミカは車を発進させた。
「放置プレイがいいのね」
「は、はい」
いざ、面と向かって言われると、恥ずかしいものだ。
「どのくらいの時間、放置されるんですか」
「どれくらいがいい?」
「初めてで、全然わからなくて」
「初めてなら、三十分くらいでいいんじゃないかな」
三十分といわれると、短いように感じた。
「短いと思った? でも拘束されて動けなくなると、たった三十分でも長く感じるものよ」
「はぁ……そうなんですか」
支払う料金を考えると、プライベート調教はあまり気軽に頼めるものではない。だから、やるだけやってみたかった。
「私は本当にいなくなってしまうから、危険でもあるの。拘束されて猿轡もするから、何があっても助けは呼べない。だから、短いからといって油断しないこと」
たしかに、放置中に何かが起きたとしても、何もできない。万が一、火事や地震が起きたら。そう思うと、少し背筋が寒くなる。
「お茶飲む? 家で入れてきたの。そこに白い水筒があるでしょ、それ飲んでいいわよ」
開けると、薫りが漂ってくる。一樹が今まで嗅いだことのない薫りだ。
「私のは別にあるから、そのまま飲んでいいわ」
たしかに後部座席には、もうひとつ別に大きなステンレスの水筒がもうひとつあった。マグボトルは保温性が高いようで、まだ湯気が出ている。一樹は熱さに注意しながら、一口飲んだ。紅茶のようだが、味もまた飲んだことのないものであったが、美味しかった。
「ルイボスティーはじめて? 美味しいでしょ」
「はい、美味しいです。初めて飲みました」
後部座席の窓に貼られたスモーク越しの穏やかな日に照らされ、少し眠気も出てきていた。だが、寝そうになった時にミカが告げた。
「もうすぐ着くわ」
いつの間にか道は山道となり、道幅も狭くなっていた。対向車も前後にも車はいない。どこに行くのだろう。山道からさらに脇道に入る。アスファルトもなくなった道はガタガタと車を振動させた。
数週間後、ミカとのプレイをする日が来た。
プライベート調教ということで、それなりに出費が大きい。待ち合わせ前に銀行で現金をおろした。待ち合わせ場所は意外にも一樹の家の駅から上り路線で数駅のところだった。この駅もそれなりに大きな住宅街だ。
待ち合わせ場所は駅ではなく、駅からしばらく歩いたところにある場所だった。通りには特に店がある訳でもなく、待ち合わせの目印はかろうしで近くにあった寂れた神社くらいだった。なぜこんな場所で待ち合わせをしたのだろう。昼下がり、空気は澄み日差しがあっても、空風が吹き抜ける冬の寒さは容赦ない。
しばらくしてミカが車で来た。レザーのライダースにデニムを合わせた姿が、とても似合っていた。ミカの車は意外にもとても庶民的な普通の乗用車だった。彼女なら外車でたむてもきっと似合うことだろう。
「こんにちは。助手席は荷物を積んでしまってるから、後ろに乗って」
窓を開けて、ミカは言った。その言葉に従い、後部座席に乗り込む。車内はフレグランスが効いていて、とても良い薫りがした。後部座席の片側には海外旅行にでも行くような大きなトランクが置かれた、助手席にももうひとつ置かれている。かなりの大荷物だ。
「今日は、よろしくお願いします」
「ええ。よろしく。緊張してる?」
「はい」
「ふふ、じゃあ行きましょうか」
他愛ない挨拶を交わし、ミカは車を発進させた。
「放置プレイがいいのね」
「は、はい」
いざ、面と向かって言われると、恥ずかしいものだ。
「どのくらいの時間、放置されるんですか」
「どれくらいがいい?」
「初めてで、全然わからなくて」
「初めてなら、三十分くらいでいいんじゃないかな」
三十分といわれると、短いように感じた。
「短いと思った? でも拘束されて動けなくなると、たった三十分でも長く感じるものよ」
「はぁ……そうなんですか」
支払う料金を考えると、プライベート調教はあまり気軽に頼めるものではない。だから、やるだけやってみたかった。
「私は本当にいなくなってしまうから、危険でもあるの。拘束されて猿轡もするから、何があっても助けは呼べない。だから、短いからといって油断しないこと」
たしかに、放置中に何かが起きたとしても、何もできない。万が一、火事や地震が起きたら。そう思うと、少し背筋が寒くなる。
「お茶飲む? 家で入れてきたの。そこに白い水筒があるでしょ、それ飲んでいいわよ」
開けると、薫りが漂ってくる。一樹が今まで嗅いだことのない薫りだ。
「私のは別にあるから、そのまま飲んでいいわ」
たしかに後部座席には、もうひとつ別に大きなステンレスの水筒がもうひとつあった。マグボトルは保温性が高いようで、まだ湯気が出ている。一樹は熱さに注意しながら、一口飲んだ。紅茶のようだが、味もまた飲んだことのないものであったが、美味しかった。
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「もうすぐ着くわ」
いつの間にか道は山道となり、道幅も狭くなっていた。対向車も前後にも車はいない。どこに行くのだろう。山道からさらに脇道に入る。アスファルトもなくなった道はガタガタと車を振動させた。
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