白黒恋愛譚(BL)

詩猫

文字の大きさ
上 下
5 / 6
第2話 秋

5

しおりを挟む
あの日から数日がたった。
あの後、
「終わったぁ~~っっ!」
うーん、と言いながら悠燈が伸びをする。可愛い。
期末テスト最終日は、互いに得意な現代文で、なかなか楽しかった。
「むー。そんなこと思うのはお前だけだって!!」
いつものテレパシー能力(?)は健在だったが、気にせず話を続ける。
「そうなのか?」
「そうそう!フツーはテストなんてめんどくさいだけで、楽しくなんて思わないよー?」
「ん、まぁ、ほんとに普通の人ならめんどくさいよりも嫌だとかの感情の方が強いとは思いますけど。」
生徒会室の扉が開いて、書記の日向歩海が入ってきた。前髪を綺麗に目の上で切り揃え、少し長めの黒髪を綺麗にポニーテールにして、スカートの長さも規定の範囲というお手本のような格好は、流石生徒会に推薦されるだけのことはある。赤い縁のメガネから覗く瞳の大きな目は、恐らくオシャレとは無縁だろうが、いざすればこの学校で一握りの美少女であることを伺わせる。
そういえば、さっき日向が一般生徒はテストが嫌だといっていたが、そうなのか。以後覚えておこう。
「あれっあゆちゃんじゃん!ひっさしぶりー♪」
「ん、黒殿先輩、馴れ馴れしいです。ん、黒殿先輩、そして白宮先輩もお久しぶりです。」
「相っ変わらずちょっと面白い喋り方だね~」
「ん、そうですか?ん…私は敬語が元々苦手なので…」
「の割には俺よりめっちゃマシマシ~、だから、大丈夫だって!」
「ん、ほ、保証はないでしょう?!…ん、す、すみません声を荒らげてしまいました…。」
「大丈夫だよ、日向さん。その書類はあっちの僕の机の上に置いといてくれるかい?」
「わかりました、白宮先輩。」
その時の日向に、違和感を感じた。隣を見ると、悠燈は何にも気にしてなかったけど、少し引っかかった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

学園の支配者

白鳩 唯斗
BL
主人公の性格に難ありです。

真冬の痛悔

白鳩 唯斗
BL
 闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。  ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。  主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。  むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

愉快な生活

白鳩 唯斗
BL
王道学園で風紀副委員長を務める主人公のお話。

処理中です...