白黒恋愛譚(BL)

詩猫

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第1話 期末

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「見て!あれ!生徒会長の白宮秋先輩!!」
「ほんとだ~!!あ、隣も黒殿悠燈先輩じゃん!やっぱいいね~、眼福、眼福~」
 
 なんでこんなやつと幼馴染なんだか…
僕の幼馴染は僕のそんな胸中なんてお構い無しに付いてくる。
(呑気なやつ)
この関係がバレる可能性なんて、考えてすらない。
「なあなあ、それで、この色にしたんだけどさー!!どーだ?!俺、似合ってる??!」
「…はぁ。お前の明るい髪色にはその茶色より、紺とかの方が合うと思う……って、そもそもその服装(髪型)は校則違反だろう?あと、あんまり僕にくっつかないでよね、暑苦しいんだから。というかお前はもう少し人事を尽くすということを覚えろ。どうせこの間の期末も赤点スレスレだったんだろう?普段から勉強して人事を尽くさないから、こういう自体に陥るんだ。大体お前は普段から…」
「あーーーっ!!きーこーえーまーせーんー!!!もう、なーんでそんなに小言が多いかなぁ」
(お前がだめすぎるからだ…)
「でも…」
不意に耳元で甘い声がして、足が硬直する。今振り返ったらやばい。それを知ってか知らずか、悠燈はそのまま耳元で囁いた。
「また、今日も勉強会………するんだろ?」
普通の勉強会なのに、なんでこんなやましく聞こえる言い方をするんだよ!
「っ…そ、それはお前が…っ」
あっ、僕も同レベルか。もういいや。
「面倒見てくれんでしょ?完璧超人の秋くん?」
…ほんとなんでこんなやつと付き合ってんだろ…

「……で、ここにこの公式を当てはめる…ってお前、飲み込み早いよな…僕が教える必要ないんじゃないの?」
どうしても、こいつにわざわざ教える必要性が感じられない。

とはいえテストの点が悪いのもまた事実…
(ってまて、俺はあいつの成績を口頭でしか聞いたことがないじゃあないか)
しかしだとしたらなんでわざわざこんな面倒くさいことを…?
(そんなことする時間があったら、2人でどこかに出かけた方がよっぽど有意義…)


「……くん、秋くん!」

ハッとして悠燈を見る。大分ご立腹でいらっしゃる。
「今、秋くんなんか違うこと考えてたでしょ?何考えてたの?」
「お前の成績について」
「ほんとにそれだけ?」
「それ以外にこの状況で考えることなんかないだろ?」
「むーーー…俺の第六感が、なんか違うって云ってるもん……」
めんどくさい。っていうかやっぱこいつ野性の勘だけは侮れないな。

「……いーよ。どのみち俺のことみたいだったし。」
ほんとなんでこいつそんなことまで分かんの?エスパー?
「違うしー!!俺と秋がお互いが大好きだからだしー!!そーしそーあい、ってやつだしねー!!」

……こいつ頭大丈夫??

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