ストーカーさんに攫われました

ムニエル

文字の大きさ
上 下
18 / 27
異世界こんにちわ

18,あったかぁい

しおりを挟む
 

  亜希side


   

  「……。」

   遅いな……。

   シルさんどうしたんだろ……。

   あったかいなぁ……。

   ところで、僕なんでこんなまったりしてんだろ。 

   いや、状況的に帰れないのは何となく分かったしあっちに戻ったってしょうがないんだろうけど。

   父さん……、サイテーなお別れだったけど良く僕を育ててくれたよなぁ……。 

   母さんは、生まれてからこの方声しか聞いたことない。

   おそらく、僕は父さん似なんだろうと思う。

   外見そっくりだし、多少……いや結構性格に違いはあるんだけどね。

   そうやって感慨にふけっていたら、シルさんが扉からでてきた。

   「なっ!亜希冷えるよ?先に入ってって言ったのに。」

   「いや、入り方が分からなくて。」

   「あ、そっか。ごめんね。」

   そう言われてまた、背を押されながら進まされる。

   「ここで体を洗ってあそこで湯に浸かるんだよ。」

    「ほー……。」

   意外と日本の銭湯スタイルと変わらないらしい。

   











     体を洗い終わったので湯船に連れていかれる。  

   「はい、浸かって大丈夫だよ。」

   にっこりイケメンスマイルをこちらに向けて入るよう促される。

   「うん。ただ、その……なんとも言えないんだけど僕足が多分たわないかなぁ……って……。アハハ……ハ……。」

  「あ、ごめんね。そこまで配慮が足りてなかった……!」

   そう言うと、シルさんは僕を持ち上げて……!!?

   抱っこされた!この歳にもなって抱っこされた……!!?

   うわぁショック……。

   軽くパニックとショックに翻弄される。

  だが、そんなことお構い無しにシルさんは僕ごと湯に浸かる。

  恥ずゥいゥ……。

  「そのぉ……。この体勢恥ずかしいんだけど……。」

   「はっ……、あ、ごめッ、うぁ。」

   シルさんが慌てだし始めていたら、急に扉がバンっと開いた。

   そこには、ミトリアさんとディコルさんがたっていた。

   驚きで固まる僕とシルさんをおいて急いで体を洗ってこっちにつかつか歩いてくる。

   ひょいっとディコルさんに抱き上げられた。

   「はぁい。亜希ちゃんはこっちね~。」  

   「うぇっ……!?」

   「抜け駆け……という訳では無いでしょうが私達も亜希さんを狙うことにしましたので競走に参加させていただきます。」

   「なっ……!?」




  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

王太子からは逃げられない!

krm
BL
僕、ユーリは王家直属の魔法顧問補佐。 日々真面目に職務を全うしていた……はずなのに、どうしてこうなった!? すべては、王太子アルフレード様から「絶対に逃げられない」せい。 過剰なほどの支配欲を向けてくるアルフレード様は、僕が少しでも距離を取ろうとすると完璧な策略で逃走経路を封じてしまうのだ。 そんなある日、僕の手に謎の刻印が浮かび上がり、アルフレード様と協力して研究することに――!? それを機にますます距離を詰めてくるアルフレード様と、なんだかんだで彼を拒み切れない僕……。 逃げられない運命の中で巻き起こる、天才王太子×ツンデレ魔法顧問補佐のファンタジーラブコメ!

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

土地神になった少年の話【完結】

米派
BL
十五になったら土地神様にお仕えするのだと言われていた。けれど、土地神様にお仕えするために殺されたのに、そこには既に神はいなくなっていた。このままでは山が死に、麓にある村は飢饉に見舞われるだろう。――俺は土地神になることにした。

召喚されたアラサー元ヤンはのんびり異世界ライフを満喫……できません

七夜かなた
BL
門脇紫紋(かどわきしもん)(30歳 元暴走族総長 現農業従事者)は、偶然歩道橋の上ですれ違った女子校生と共に異世界に転移してしまった。 どうやら彼女は聖女として召喚されたらしい。 そして彼本人のステータスは、聖女を護る聖騎士になっていた。 仕方なく自分の役割を受け入れ、騎士として過ごすことになったが、最初は彼のことを警戒していた人々も、次第に彼に魅了されていく。昔から兄貴肌で、男に好かれていた彼の元には彼を慕う人々が集まってくる。 しかし、彼の思う好意と、相手の好意は何だか違うみたいで… イラストは樹 史桜(fumi-O)(@fumio3661)さんがXで上げていた名もなきスーツメンを贈呈してもらいました。

BL団地妻on vacation

夕凪
BL
BL団地妻第二弾。 団地妻の芦屋夫夫が団地を飛び出し、南の島でチョメチョメしてるお話です。 頭を空っぽにして薄目で読むぐらいがちょうどいいお話だと思います。 なんでも許せる人向けです。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...