ストーカーさんに攫われました

ムニエル

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異世界こんにちわ

14,ツノとご飯

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   亜希side

  


   うわぁー。

   こんないかにもグロテスクな料理なんか見た事ないんだけど……。


  「た、」

   「「「た?」」」

   「食べれるの?これって。」

   「あぁ、亜希のところでは見たことないだろうがこっちでは主食として食べられてるものだよ。」

  「……。(食えるのか……。)」


   ごくり。

  すぅはー。

   生唾を飲み込み深呼吸をする。


  「いた、だき……ます……。」


  途切れ途切れにいただきますを言う僕を3人はじっと見てくる。

  もう一度深呼吸をして、スープをすくう。 

  ごくり。

  ゆっくり、こぼさぬように口に含むと、ふわりと舌先になんとも形容し難い旨みがひろがった。


  「……!」

  
   次は、スープに浮かぶ肉のような塊をスープと一緒にスプーンの上にのせる。

  鼻先をかすめるこの香りは塊のおどろおどろしい見た目とは裏腹に食欲を掻き立てる匂いだった。
  
   口に含むと先程の旨みと塊の程よく油ののった身が口にいっぱいにひろがる。

   油と謎の肉塊と紫の何かがてかてかしているような見た目を裏切る味だ。


   「ふわぁぁぁ。美味しいっ!」

   「!口にあってよかった。」  

  
   シルさんはにこにこしながら他の料理も勧めてくる。

   

   みんなにこにこしてるなぁ。


  まぁ、こんなに料理が美味しかったら気持ちもわかるなぁ。

   うんうん。

  にしても、美味しい。

  シルさんに進められるままもぐもぐ食べる。

  美味しいっ!

  思わず笑顔になる。

  ムズッ。

   「?」

   「あれ?亜希ちゃんどうかした?」

   「いや、頭がむず痒くなって……。」

  さわっと髪をかきあげむず痒さを感じたところを触る。

   「……?」

   さわさわ。

   なんか硬いけど……?

   「これは……、角が生え始めたんですね。」

   いつの間にかすぐ後ろに来ていたミトリアさんが頭を見ながら言う。

   「え……?つの?」

   「つの!?もう?見して!ほんとーだ!早いねー、亜希ちゃんって魔力が強いのかな?」

   ディコルさんもこっちによってきて頭をジーッと見る。

   シルさんは、あれ?さっきまで目の前に座ってたのにいな……!

   後ろか!

  「ほんとだな。亜希につのか……、ボソッこれはこれでありだな。」

   本当に角が生えてるらしい。

  この世界に適応していってるってのは本当なんだろうなぁ。

  にしても、


   「ご飯食べてる時に角って生えるもんなの?」

  

  



  


    

   

  

   

  
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