ストーカーさんに攫われました

ムニエル

文字の大きさ
上 下
4 / 27
異世界こんにちわ

4,知らない天井と温かみ

しおりを挟む

   亜希side

  バッ!

  体にかけてあった布団を跳ね除け起き上がる。

  「あれ、?ふ、とん?」

  掠れた声で疑問を口に出す。

  僕………。

  というか、ここどこ?

  まるで、お姫様が寝るような天蓋付きのベットやこれまたお姫様が住んでそうな豪華な部屋に綺麗な(シルクだろうか?)でできているパジャマ?ぽい服。

  まじで、何が起こった。

 「 僕、僕は……さ、され、て、?」

   刺されたということをを認識してしまうとぶわりと気持ちの悪い汗が出てきた。

   吐き気が喉にこみ上がってくる。

   息が上手く吸えない。

   「カッハッ!ヒュッフッっ……!」

    苦しくて喉を掻きむしりながら涙を流す。

    そうやって数時間も苦しんでいたような気がしたがきっと数秒にも満たなかっただろう。

   突然、誰かが、

  「亜希ッ!!!」

   と切羽詰まった様に呼びながら部屋に入ってきた。

   涙で掠れてよく見えない視界に二人の男の形と男たちについている?であろうツノや尾が見える。

   コスプレ?

   少し苦しさを忘れかけたが息を上手く吸えないため、また苦しさが襲ってくる。

  「どっどうすればいいんだっ!?このままでは亜希が死んでしまう!」

  「ショックで上手く息を吸えないみたいです。背を優しくさすって安心させてください。」

  1人は焦り、もう1人は冷静でいる。
 
  そうして、焦った方の男は冷静な男に言われたとおり羽でも触るように背をさする。

  冷静な男も近寄ってきてゆっくり落ち着きなさいと言った。
 
 そうこうしているうちにゆっくりまだ少し呼吸が乱れているが息を吸えるようになってきた。

  「すぅはぁ。はぁはぁ。」

  体から力が抜ける。

  知らず知らずのうちに体が強ばっていたようだ。

  ぐったりと焦った方の男にもたれ掛かる。

  そして、一気に襲ってきた睡魔に抗いきれずにまた意識を手放した。

 

















   そういえば、路地で刺された時もこの優しい手に触られたような…………………。

  

  
 
   

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

王太子からは逃げられない!

krm
BL
僕、ユーリは王家直属の魔法顧問補佐。 日々真面目に職務を全うしていた……はずなのに、どうしてこうなった!? すべては、王太子アルフレード様から「絶対に逃げられない」せい。 過剰なほどの支配欲を向けてくるアルフレード様は、僕が少しでも距離を取ろうとすると完璧な策略で逃走経路を封じてしまうのだ。 そんなある日、僕の手に謎の刻印が浮かび上がり、アルフレード様と協力して研究することに――!? それを機にますます距離を詰めてくるアルフレード様と、なんだかんだで彼を拒み切れない僕……。 逃げられない運命の中で巻き起こる、天才王太子×ツンデレ魔法顧問補佐のファンタジーラブコメ!

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

土地神になった少年の話【完結】

米派
BL
十五になったら土地神様にお仕えするのだと言われていた。けれど、土地神様にお仕えするために殺されたのに、そこには既に神はいなくなっていた。このままでは山が死に、麓にある村は飢饉に見舞われるだろう。――俺は土地神になることにした。

召喚されたアラサー元ヤンはのんびり異世界ライフを満喫……できません

七夜かなた
BL
門脇紫紋(かどわきしもん)(30歳 元暴走族総長 現農業従事者)は、偶然歩道橋の上ですれ違った女子校生と共に異世界に転移してしまった。 どうやら彼女は聖女として召喚されたらしい。 そして彼本人のステータスは、聖女を護る聖騎士になっていた。 仕方なく自分の役割を受け入れ、騎士として過ごすことになったが、最初は彼のことを警戒していた人々も、次第に彼に魅了されていく。昔から兄貴肌で、男に好かれていた彼の元には彼を慕う人々が集まってくる。 しかし、彼の思う好意と、相手の好意は何だか違うみたいで… イラストは樹 史桜(fumi-O)(@fumio3661)さんがXで上げていた名もなきスーツメンを贈呈してもらいました。

BL団地妻on vacation

夕凪
BL
BL団地妻第二弾。 団地妻の芦屋夫夫が団地を飛び出し、南の島でチョメチョメしてるお話です。 頭を空っぽにして薄目で読むぐらいがちょうどいいお話だと思います。 なんでも許せる人向けです。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...