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「服を脱ぎなさい」
と御主人様は子猫ちゃんに仰った。
いつもと同じ穏やかな口調だった。
部屋の中には、中央に深い緑色の生地を張った3人掛けのカウチソファと、それと対面するように大きな全身鏡。縦にも横にも幅があり、金の細やかな装飾が縁に施されている。そしてその全身鏡の横に、一人掛け用の黒く四角いソファが設えられている。
御主人様は何食わぬ顔をされたままその一人掛け用ソファに、ゆったりと腰掛けられた。いつも通りの緩やかな生成り色の衣服を、皺も気にされることなく背凭れに深く身体を預けられ、緩慢にその長い脚をお組みになる。
子猫ちゃんは言われるがまま、カウチソファの隣で身につけているものを一つひとつ床に落としていった。下着まで取り払うことに、もはや羞恥もない。殆ど毎日のように彼の前ではこの姿でいるのだから。
裸になった子猫ちゃんを一頻り眺めた御主人様は満足したように目を細められて、子猫ちゃんにカウチソファに座るように促された。子猫ちゃんが遠慮がちにその深い緑色のソファに腰を降ろすと、質の良い柔らかい素材が子猫ちゃんの尻を包んだ。
「鏡があるね」
「はい、御主人様」
子猫ちゃんが御主人様の問い掛けに答えると、御主人様はまたも満足したように目を細め、身体を前のめりになるようにして座り直された。膝に、肘をついて、子猫ちゃんに優しくお話し掛けになる。
「良い子だ。では子猫ちゃん。君は今から鏡の中の自分をきちんと見ていなさい」
「はい」
「脚を開いて」
子猫ちゃんが御主人様の言われる通りに膝を少し広げると、御主人様は違うよ、と仰った。
「踵をソファの上に乗せて、鏡で全部が見えるように開きなさい。穴まで全部だ」
「っ、」
子猫ちゃんは戸惑った。いくら毎日のようにそういうことをされているとはいえ、わざわざ自分のものをそんなに凝視したことはない。それでも子猫ちゃんは躊躇いがちに両の踵をソファに乗せ、脚を広げて見せた。
目の前の鏡に自分の細めの脛と、性器が映っている。自分の表情を直視することが出来ない。ふる、っと、緊張から少し先が震えた。
恥ずかしさを堪えながら、子猫ちゃんはちらりと御主人様の顔色を伺った。
「どんな気分かな」
「恥ずかしいです……」
「上手だよ。良い子だね、子猫ちゃん。そのまま自分の膝を自分で抱えていなさい」
子猫ちゃんが言われた通りに自分の膝に手を添えると、御主人様は頷かれて、またお話を続けられた。
「今日は、俺は君の肌には触れないよ。君も、自分のものには直接触らない。そのままの状態で、一人で上手に射精することが出来たら、今日のご褒美をあげよう」
「えっ、」
「まずはご褒美を決めよう。子猫ちゃん。今日のご褒美は、何が良い?」
子猫ちゃんは困惑した。こんな状態でどうやって達すれば良いのか。直接の刺激も与えて貰えず、こんなはしたない姿をずっと目の前で見ながら、または見られながら、自分は一体どうすれば良いのだろう。
今日のは流石に出来る気がしない。
子猫ちゃんが困り果てていると、御主人様はそんな子猫ちゃんに優しくお声を掛けられた。
「大丈夫。上手に出来るよ。気にせずご褒美を言ってごらん。何が欲しい?」
と御主人様は子猫ちゃんに仰った。
いつもと同じ穏やかな口調だった。
部屋の中には、中央に深い緑色の生地を張った3人掛けのカウチソファと、それと対面するように大きな全身鏡。縦にも横にも幅があり、金の細やかな装飾が縁に施されている。そしてその全身鏡の横に、一人掛け用の黒く四角いソファが設えられている。
御主人様は何食わぬ顔をされたままその一人掛け用ソファに、ゆったりと腰掛けられた。いつも通りの緩やかな生成り色の衣服を、皺も気にされることなく背凭れに深く身体を預けられ、緩慢にその長い脚をお組みになる。
子猫ちゃんは言われるがまま、カウチソファの隣で身につけているものを一つひとつ床に落としていった。下着まで取り払うことに、もはや羞恥もない。殆ど毎日のように彼の前ではこの姿でいるのだから。
裸になった子猫ちゃんを一頻り眺めた御主人様は満足したように目を細められて、子猫ちゃんにカウチソファに座るように促された。子猫ちゃんが遠慮がちにその深い緑色のソファに腰を降ろすと、質の良い柔らかい素材が子猫ちゃんの尻を包んだ。
「鏡があるね」
「はい、御主人様」
子猫ちゃんが御主人様の問い掛けに答えると、御主人様はまたも満足したように目を細め、身体を前のめりになるようにして座り直された。膝に、肘をついて、子猫ちゃんに優しくお話し掛けになる。
「良い子だ。では子猫ちゃん。君は今から鏡の中の自分をきちんと見ていなさい」
「はい」
「脚を開いて」
子猫ちゃんが御主人様の言われる通りに膝を少し広げると、御主人様は違うよ、と仰った。
「踵をソファの上に乗せて、鏡で全部が見えるように開きなさい。穴まで全部だ」
「っ、」
子猫ちゃんは戸惑った。いくら毎日のようにそういうことをされているとはいえ、わざわざ自分のものをそんなに凝視したことはない。それでも子猫ちゃんは躊躇いがちに両の踵をソファに乗せ、脚を広げて見せた。
目の前の鏡に自分の細めの脛と、性器が映っている。自分の表情を直視することが出来ない。ふる、っと、緊張から少し先が震えた。
恥ずかしさを堪えながら、子猫ちゃんはちらりと御主人様の顔色を伺った。
「どんな気分かな」
「恥ずかしいです……」
「上手だよ。良い子だね、子猫ちゃん。そのまま自分の膝を自分で抱えていなさい」
子猫ちゃんが言われた通りに自分の膝に手を添えると、御主人様は頷かれて、またお話を続けられた。
「今日は、俺は君の肌には触れないよ。君も、自分のものには直接触らない。そのままの状態で、一人で上手に射精することが出来たら、今日のご褒美をあげよう」
「えっ、」
「まずはご褒美を決めよう。子猫ちゃん。今日のご褒美は、何が良い?」
子猫ちゃんは困惑した。こんな状態でどうやって達すれば良いのか。直接の刺激も与えて貰えず、こんなはしたない姿をずっと目の前で見ながら、または見られながら、自分は一体どうすれば良いのだろう。
今日のは流石に出来る気がしない。
子猫ちゃんが困り果てていると、御主人様はそんな子猫ちゃんに優しくお声を掛けられた。
「大丈夫。上手に出来るよ。気にせずご褒美を言ってごらん。何が欲しい?」
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