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2話
しおりを挟む由鷹が縁側の奥の立て付けのいい雨戸を全開にすると、家の中に明るい太陽の光が降り注ぎ、畳に乱反射するようにして家の中全体が明るくなった。
雛子はその明るさを利用して家の中を見渡す。
畳の部屋、六畳間が四つと、台所。
あの扉の向こうはトイレや風呂場だろうか。
どこもかしこも使われた気配はあまりなく、ぴかぴかに磨かれていてとても綺麗だった。
雨戸の向こう側には、青々とした葉が生い茂る庭が広がっている。
雛子は草花にそんなに詳しいわけではないが、あれは紫陽花の葉だろうか、と、一番多く植えられている植物を見て思った。
梅雨時期は、きっと満開だったに違いない。
庭は言うほど広くはないが、サンダルをつっかけてうろうろできる程度の広さはあった。
雛子が床板がつるつるした縁側に立ってその庭を眺めていると、後ろから由鷹が雛子を呼んだ。
「おいで、雛子」
「はい、由鷹さん」
振り向いて、必ず目を見て返事をする。
由鷹が最初に決めたルールだ。
雛子はすっかりそれに慣れていた。
雛子が由鷹に促されて、縁側のすぐ側の畳に正座をすると、由鷹は雛子に向かい合ってあぐらをかき、持ってきた黒色の鞄を開いた。
中から取り出されたのは、数メートル、どれだけの長さなのかは、雛子には正確には分からないが、束にされた赤い縄だった。
「今からこれで何をするか、分かるか」
由鷹が雛子にその赤い縄束を渡す。
雛子は、思っていたよりも柔らかくて軽いその縄束を手のひらで、指先で恐る恐る触ってみながら、
「わたしを、縛るんですか」
と小さく答えた。
「そうだよ、雛子。これまでに縛られたことはあるのかい」
雛子が由鷹の問いに首を振ると、由鷹は満足気に目を細めた。
「いいかい、今から無用なお喋りは慎みなさい。興が削がれるからね。痛かったら、それだけは我慢せずにすぐに言うんだよ」
雛子がはいと返事をすると、由鷹は雛子のブラウスのボタンに手をかけた。
小さな白いボタンを、ぷちぷちとゆっくり、丁寧に外していく。
雛子はその由鷹の指を見つめながら、どんどん緊張をしてきた。
今から雛子は、由鷹の手によってすべて脱がされ裸にされて、この赤い縄を身体中に巻きつけられて縛られるのだ。
雛子は緊張の反面、それを想像するだけで興奮してきていた。
辱めを受ける。
期待。
ブラウスを脱がされ、スカートのホックを外され、ファスナーを降ろされる。
キャミソールを脱がされると、雛子の白い肌には真っ赤な下着だけが残った。
肩にかかるブラジャーの紐をするりと落とされ、背中のホックを外されると、それははらりと身体から剥がれて、雛子の柔らかい胸が顕になる。
由鷹がその柔らかな膨らみを片方撫でると、雛子の両胸はすぐにその刺激に反応し、つんと硬くなった。
軽く揉みしだかれただけで終わった胸はそのまま放置され、次には面積が極端に小さいティーバックに指を引っ掛けられる。
半分だけずらされて、膝立ちになるように言われて雛子が素直にそのまま膝立ちになると、由鷹は遠慮なく雛子の股に指を差し込んだ。
「あっ、」
と、雛子の喉から声が洩れる。
「もう濡らしているのか」
「ごめんなさい」
「いや、構わないよ。素直な身体だな、縛られることを想像して、興奮したのか」
雛子は自分のはしたなさが恥ずかしくなって、頬が急激に熱くなるのを感じた。
それでも、由鷹はそれ以上雛子のそこを触ることはなく、するりと赤い下着を取り払った。
すっかり裸になった雛子に、由鷹は赤い縄を巻きつけていく。
絡まることのないように、丁寧に二本に揃えられた縄でまず大きく輪を作り、それを雛子の首にかける。
それからまるで慣れた編み物でもするかのように、由鷹は雛子の白い身体に丁寧に縄をかけた。
へその下まで来ると、由鷹はいくらか距離を測りながら、縄に三つの玉を拵えた。
それを、雛子の股に潜らせ、良いところに当たるようにして軽く尻に挟んだ。
雛子はそれが堪らなくて、思わず声を上げて身体をくねらせた。
「気持ちいいのか」
と由鷹に訊かれ、羞恥でいっぱいになりながら、雛子ははいと答える。
まるで縄に愛撫をされているみたいだった。
由鷹はそんな雛子の様子に機嫌良さそうにふんと鼻を鳴らし、そのまま雛子の両手を背中に回させて、後ろ手に縛り上げた。
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