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支合我背
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あの日から私へのお母様の虐待が始まった。メイドさんたちはクビが怖くて言えないようだ。そして私はお母様を殺す方法を見つけるためにこっそり家の外に出て、魔法をいろいろ試してみた。
まずは拘束する手、出ろ!!
強く念じたら私の足元から黒い手が数十本でできた。その手たちはウネウネと蠢いている。
じゃあ次は…
水よ出ろ!!
私の手から水が噴き出した。なるほど、泣くときはこの水をいい感じにつけて偽装しよう。便利だな。
ふと、物音がした。
ガサ、ガサガサ…
物音がだんだん大きくなってきた。
出てきたのはツキノワグマ…っぽい奴。
そのツキノワグマは襲ってきた。
魔法で拘束する。
炎出…
…そうだ、お母様を殺すのにコイツを使おう。
私は子供らしい笑顔でツキノワグマに近づいてしゃがんだ。
「くまさん,わたしと友達になってくれない?」
私が前呼んでいた異世界物の小説に意思疎通ができる動物がいたから、この熊も意思疎通ができるかもしれない。意思疎通ができないただの熊ならお母様と同じところに入れるのみ。
熊は澄んだ声で「いいよ」と答え、きれいなお姉さんになった。…人になることもできるのか…。
「よろしくね、くまさん!」
私は拘束をとく。
「よろしく。くまさん…ねぇ、私に名前つけてくれない?」
名前…か、まぁ適当に。
「無月はどうかな?」
「ムツキ…ありがとう!!えっと…あなたの名前は?」
私はニコッと笑う。
「わたしはファンシー・フェリーチェ。じゃあ帰ろう…あ、いっしょに来る?」
私と無月は談笑しながら屋敷へと帰った。一人は愛想笑い、一人は本当の笑顔で。
あとはコイツに私を大好きにならせればいい。
ね?哀れな熊さん。私を、愛して?
まずは拘束する手、出ろ!!
強く念じたら私の足元から黒い手が数十本でできた。その手たちはウネウネと蠢いている。
じゃあ次は…
水よ出ろ!!
私の手から水が噴き出した。なるほど、泣くときはこの水をいい感じにつけて偽装しよう。便利だな。
ふと、物音がした。
ガサ、ガサガサ…
物音がだんだん大きくなってきた。
出てきたのはツキノワグマ…っぽい奴。
そのツキノワグマは襲ってきた。
魔法で拘束する。
炎出…
…そうだ、お母様を殺すのにコイツを使おう。
私は子供らしい笑顔でツキノワグマに近づいてしゃがんだ。
「くまさん,わたしと友達になってくれない?」
私が前呼んでいた異世界物の小説に意思疎通ができる動物がいたから、この熊も意思疎通ができるかもしれない。意思疎通ができないただの熊ならお母様と同じところに入れるのみ。
熊は澄んだ声で「いいよ」と答え、きれいなお姉さんになった。…人になることもできるのか…。
「よろしくね、くまさん!」
私は拘束をとく。
「よろしく。くまさん…ねぇ、私に名前つけてくれない?」
名前…か、まぁ適当に。
「無月はどうかな?」
「ムツキ…ありがとう!!えっと…あなたの名前は?」
私はニコッと笑う。
「わたしはファンシー・フェリーチェ。じゃあ帰ろう…あ、いっしょに来る?」
私と無月は談笑しながら屋敷へと帰った。一人は愛想笑い、一人は本当の笑顔で。
あとはコイツに私を大好きにならせればいい。
ね?哀れな熊さん。私を、愛して?
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