兄に嫌われてる弟ですが誤解が解けたら十数年分溺愛されました(完)

勇気の円陣、夢を叶える為に！

　寝取られアイドルになりたい、恋人のいるメンバーだけを集めたアイドルユニット、寝取られガールズの初回コンサートは15,000人を収容できる会場で行われた。一億人の中から抽選でチケットを買えたファンの為にも、最高の寝取られシーンを見せていきたいと思う。

　バックダンサーの寝取り専門の青年隊も準備はバッチリだ。寝取られガールズには一人ずつバックダンサーがついていて、そのバックダンサーはアイドルの子のカレシである。

　カレシ達は恋人をファンから寝取る為、全力のパフォーマンスを約束してくれた。

「俺達、このコンサートが終わったら彼女と結婚するんです。だから、これが最後のコンサートになると思ってます。アイドルになりたいって彼女の夢、叶える為に未来を捨てて今日はコンサートに参加してます」
「頑張って恋人を寝取ってね！　彼女達を寝取れるのは、君達だけなんだから！」
「はい！」

　うん、いい返事。Coletteの寝取り役バックダンサー、ni-samaも準備万端かな？

「お兄……ni-samaは調子どう？」
「決まってる。age-ageだ」

　……出来上がってるな、お兄様！

　今日のお兄様はサングラスをかけて素顔を隠してる。
　皆、その正体には気づいておらず、僕のことを心配してくれてる。

「本当に大丈夫なんですか？　あんな、どこの馬の骨とも知れない奴に寝取られを任せるなんて」

　親友のアリサが耳打ちしてくるけど、平気だって。
　だって中身は……ふふ、これは皆に内緒なんだった。

「大丈夫。ni-samaはすごいから。きっとコンサートが始まったら度肝抜くと思うよ」
「そう？　Coletteが言うなら信用するけどさ。これがラストコンサートだし、私達も賭けてるから。半端なパフォーマンスしたら、Coletteの知り合いでも許さないから」

　皆、不安なのは分かる。
　でも、信じてよ。
　僕のお兄様は弟の為だったら奇跡だって起こすんだからね。

「じゃあ行くよ皆！　円陣組んで！　今日まで一か月、魔女に狙われてるなかで協力してくれてありがとう！　成功しても失敗しても、僕はやれて良かったって思えるよ！　でも、絶対に成功できるって信じてるから！　最高の寝取られで、ファンの皆が一生トラウマになるくらい寝取られていこう！」

　行くよ皆ー！

「寝取られー！」
「ファック・ミー！」