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落ちこぼれ

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 二人との一時を終えてトイレから戻ると、アロマが焚かれた部屋で全員が眠っていた。

「この匂いは……」

 遮断の魔法を行使して空間を隔てる。

「一歩も動くな。睡眠香が焚かれてる。それと、起きてるんだろルネ」
「あっさりバレてしまったわね」

 眠ってるフリをしていたルネが身を起こす。

「どういうこと? まさか、裏切ったの!?」
「裏切ると言うのは少し違うかしら。私は最初から心を許してなかったもの」

 褐色肌の妖艶な美女、ルネがクスクスと笑う。

「イネス、あなたも何か言いたそうね?」
「その余裕の正体は何かしら? エリク様を裏切って無事で済むとは思わないわ」
「さすがの観察眼と言ったところかしら。そうね、余裕の正体はこの部屋そのものにあるわ。部屋を一個吹っ飛ばせる爆弾を仕掛けておいたの」
「なんて馬鹿な真似を……。すぐに解除しなさい」
「嫌に決まってるでしょ? せっかく準備したのに、解除してしまったら意味がないわ」

 理由は分からないが、目的の方は分かる。
 俺は何かあった時の為に腰から提げていた剣を置いた。

「眠らせた連中は人質だろ? 俺を殺したいならさっさと殺せばいい」
「駄目よ! あなたがいなくなったら誰がこの村を守ってくれるの!」
「エリーヌの言うとおりよ。絶対に早まらないで……。何か方法はあるはず」

 俺は剣を置いて遮断した空間から出た。
 これでルネは俺に危害を加えることができる。
 二人が悲鳴のような声を出すが、俺にも譲れない一線がある。

「さあ、煮るなり焼くなり好きにしろ」
「さすがね。死ぬのが怖くないの?」
「一度経験してるからな。さあ、こんなことをした理由を言え」

 ルネとの睨み合いになる。
 根負けしたのか、彼女はポツポツと語り始めた。

「あなたが私の幸せな時間を壊したのよ。セリアは私の親友だった……」
「どういうことだ」
「あの娘は私のただ一人の友達だったわ。私の趣味のタロットカードに付き合ってくれて、いつも占いの結果を楽しそうに聞いてくれた。一緒に本を読んだり、未来の恋人について語り合ったり、なんでもない時間が幸せだったのよ。そう、あなたが現れるまでは……」
「話が見えない。何が言いたいのよ……」

 エリーヌが頭を抱えてる。それが癇に障ったらしい。
 ルネは鋭く彼女を睨みつけた。

「あなたみたいな陽キャはいいわね。いつも友達に囲まれて、どこにいっても上手く馴染める。エリク様とだっていい雰囲気なんでしょ? 悩みもなくて顔もよくて、あんたみたいなのが一番見ててイライラするわ……!」
「わ、私だって人並みに悩みくらいあるわよ! 胸が薄いこととか……」
「私の幸せな時間はあなたの登場で脆くも崩れ去った」
「聞きなさいよ!」

 エリーヌが暴れ出すのをイネスが鎮めてる。
 ドウドウドウと小声で囁きながら頭を撫でてた。
 飼い主と獣みたいだ。

「エリク様は領民となった娘達に出資したわね。やりたいことがあるなら挑戦してみろって。その一言でセリアは変わったわ。そばかすを気にして、人前に出るのが苦手だったあの娘が、雑貨屋をしたいって言い出したのよ。無理だって、失敗したらどうするんだって私は説得したわ。でも、あの娘は諦めなかった。あなたのせいであの娘は変わってしまったのよ……!」

 セリアか。……地味すぎてあまり記憶にないな。

「……全部聞いたけど、それって逆恨みじゃない。友達が夢に挑戦するなら普通応援するでしょ? そんな下らないことで領主代行を傷つけたら皆切れるわよ? エリク様ってイケメンだしお金持ってるし優しいし平民だからって差別しないし、良くも悪くも替えが利かないと思うのよ。やめときなさいって」
「私のことを馬鹿にして……! 起爆してやる!」
「待ってくれ。お前の気持ち、分かるんだよな」

 俺はルネの元に近づいていって、目線を合わせた。

 褐色の肌に巨乳、殺すには勿体ない容姿だ。
 性格が根暗なだけで、とんでもない美女だと思う。

「な、なによ。どうせ嘘なんでしょ。あなたみたいに何でも持ってる人と一緒にしないで」
「友達に置いていかれるのが怖かったんだろ?」
「……っ」

 俺はルネの手を握った。

「俺もそうだった。自分には何もないと思ってて、実際、何をやっても上手くいかないし長続きもしなかった」

 転生前、エロゲ―だけが生きがいで勉強も長続きはしなかった。おかげで受験も失敗してようやく行けたのは私立の三流高校だった。ネットで検索しても偏差値すら出てこない最底辺だったんだ。

「親からもずっとネチネチ言われてたんじゃないか?」
「う……」
「友達に親しい男ができて嫌な気分になったりしなかったか? 先に結婚とかされたくないもんな。ただでさえ友達も少ないのに」
「……何でわかるの?」
「そりゃ、俺も落ちこぼれだったからだよ。今は剣とか魔法とか、そういう武器があるけど、昔は何もなかった。全部諦めて、挑戦すらしなかった。でもな、人って意外な才能があったりするんだよ」
「でも、私には何も……」

 パチン、と指を弾いて寝室に移動する。

「へ? 何が起こったの?」
「転移魔法だ。あらかじめマーキングしておいた場所に移動できる」
「あの、どうして二人きりになったの? 私をここで殺すの?」
「愛してる」
「…………っ!」

 ルネと唇を重ねる。
 彼女は固まったまま動かない。

「可愛いな」
「……な、なんで。罰で殺すんじゃないの?」
「むしろ守りたくなった。全部俺に任せてくれ」
「あっ」

 パタンと倒れたルネのワンピースを引き裂く。
 豊満な胸がはだけて、メロンのようだ。
 俺は乳首に吸いついて、巨乳を揉みしだいた。

「はぁ……はぁ……嘘……夢でも見てるみたい」
「まだ現実感がないか? 俺のルネ」
「あ、あなたの……」
「ルネ、俺のことはまだ嫌いか?」
「分からない。だって、キスとかされたことないから」
「綺麗すぎて誰も手を出せなかったんだろうな」

 遠慮のない盗賊達は4人くらいでルネのことを取り合ってたが。
 認めたくないが、生き残った女達は上玉なんだよな。
 そばかすのあるセリアみたいな一部の男に受ける女はちゃんと生かしてるあたり、無駄に女を精査してたと思う。

「小指くらいから入れるぞ」
「ん……っ」

 興奮してきた。ルネは俺に身を委ねる気満々だ。

 指をヌルヌル動かしてオナニーをしてやると、ルネの息が荒くなってきた。
 そろそろ頃合いだな。

 俺はガチガチに勃起したペニスを割れ目に押し当てた。

「どうしよう。まだ心の準備が……」
「気を紛れさせるといい。ルネ、笑顔でピースしてみてくれ」
「へ? こう……?」

 俺はルネの股を開脚して挿入した。
 もう、我慢の限界だった。

「あ……ああああ……っ!」

(意外に入ったな……)

 ルネの爪が背中に食い込んできた。
 痛いが、この程度ならまだ可愛いものだ。

「ルネ、好きだ」
「はっあっんっ……」

 ルネはあまり反応がよくない。
 あまり自慰もしてなかったんだろうな。
 不慣れで、感じるとかはまだなさそうだ。

 これからたっぷり調教してやる。

「オ、オチンチンがごりごりしてる……!」
「はぁ……はぁ……ルネ……」
「気持ちいいの? 私の中……」
「ルネ……もう一回ピースしてくれ!」
「あ……こう?」

 ドピュ……と。俺はルネの中でイッてしまった。

「あの……今……もしかして」
「まだできるな?」
「は、はい……」

 ピストンを続ける。
 戸惑うルネが初心すぎて興奮する。

 パンパンパンと彼女の中を突く。
 先に限界を迎えたのは俺の方だった。

「うっ……」
「もう、終わった?」

 正直、今回は俺の完敗だった。

「気持ち良くしてやれなくてごめんな?」
「ううん。女としての自信はついたし……」

 嫁の中には最初から感度のいい子もいれば、そうじゃない子もたくさんいた。
 淫魔のスキルをオンにすれば楽ができるが、それじゃ俺の技術が上がらない。
 全員が気持ちよくなれるようこれからも腕を磨いていきたいところだ。

「なし崩し敵にセックスしてしまったけど、私の処遇はどうなるのかしら?」
「そうだな。一週間、俺の便器をやってもらう。それだけでいい」
「でも、爆弾の術式を……」
「ブラフなんだろ? 魔眼で見たけどあの部屋には何もなかった。女達を人質にして文句を言いたかっただけだ」
「お見通しだったのね。どうして付き合ってくれたの?」
「愛する妻達の不満を聞くのも俺の仕事だからな」

 ルネを抱いて額にキスをする。
 彼女は赤くなって自分から腕を回してきた。

「便器ってどんなことするの?」
「ムラムラしたらセックスする。フェラも覚えてもらわないとな」
「今してあげる」

 ルネがアイスキャンディみたいにペロペロ舐め始めた。

「こ、これは……」

 歯を当てないようにしつつ、口をすぼめて締まりもよくしてる。

「お前、才能があるぞ……っ」
「ふぉんふぉ?」

 誰にだって才能はある。
 ルネにはフェラの才能があったんだ……!

 嬉しそうにしゃぶるルネに敗けて、俺はまたしても彼女に射精してしまった。
 ルネの妖艶さに溺れてしまってる。褐色の肌を見てると興奮が強まるんだ。

「嬉しい……。私の身体、売り物になるかしら?」
「そんなことするくらいならニートでいろ。他の男に触れられたりしたら一生監禁するからな?」
「わ、分かったわ。私みたいなのでも愛してもらえるのね」
「お前は自分の魅力を理解しろ。ルネは俺の姫なんだからな」
「……は、はい」

 困ったような、嬉しいような。
 そんな彼女を腕の中に入れながら、俺はイネスとエリーヌの二人を放置してたことを思い出して血の気が引いた。

(やべ……。謝りにいかなきゃ)
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