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70 やり過ぎた男
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ヒカリを倒して大会の優勝候補となった俺だが、シロナとの戦いでは普通に敗れた。
「勝ったら一生エッチしてあげない」
「……なっ」
一瞬の思考停止。それが勝敗の分かれ目となった。シロナの腕が瞬いたように見えた直後、俺の首は地面に落ちていた。
「え……」
(すまんシロナ)
青くなった彼女の顔と視線があう。
だが、俺は何度でもやり直せる転移者だ。
まあ問題はないだろうと思われたが、死んだ俺に勧告されたのは『私、怒ってますよ』という女神の一言だった。
「私の勇者として好き勝手に暴れてたみたいですね。何回盛れば気が済むんですか?」
「いや、たくさん加護を渡してくれたから許してくれてると思ってやり過ぎた」
「あそこまで許すわけないでしょ!」
あの能面だったアイシスがキレ顔になってる。
「というか、さっさとエルゴガーデン倒せばよくないですか?」
「まだまだ俺の実力じゃ難しいだろ」
「いけてますよ! 能力的には星火燎原を使える時点で勝利確定です。天叢雲剣とかいうチート武技まであるんですからさっさと仕事してください!」
「すまなかった。すぐに戻してくれ」
「すぐには無理です。強くなりすぎて神認定されてるので地上には戻せません」
「なんだって?」
「気づいてなかったんですか? 私相手にもタメ語じゃないですか。普通の人間にそんな胆力はありません。あなたはもう神の域にいます」
そうだったのか。もう戻れないのか……。
「主神に掛け合ってみます。どうにかして戻すので、その時は絶対に邪神を倒してくださいね?」
「ああ、頼む」
当面、地上には戻れないか。もし主神が断ったら、力ずくでも戻りたいと思う。
「俺はどうすればいい?」
「私の家に住みますか?」
「……いいのか?」
「意味深に尋ねないでください。私とセックスしようとか考えないでくださいね」
「いや、考えるに決まってるだろ。抱きたい女は全て抱いてきたんだぞ」
「こんなクズを地上に送ってしまい申し訳ありませんでした」
「皆悦んでたから気にするな」
「クズですね!」
俺は確かにクズだが、中途半端はしない。
必ず地上に戻るつもりだ。
「ちなみにエルゴガーデンは女か?」
「メスです」
「そうか」
「なんで起ってるんですか!?」
ーー俺の性欲が世界を救うと信じてくれ。
「しばらくのあいださよならだ」
愛すべき女達との再会を予感して、俺は独り笑った。
「勝ったら一生エッチしてあげない」
「……なっ」
一瞬の思考停止。それが勝敗の分かれ目となった。シロナの腕が瞬いたように見えた直後、俺の首は地面に落ちていた。
「え……」
(すまんシロナ)
青くなった彼女の顔と視線があう。
だが、俺は何度でもやり直せる転移者だ。
まあ問題はないだろうと思われたが、死んだ俺に勧告されたのは『私、怒ってますよ』という女神の一言だった。
「私の勇者として好き勝手に暴れてたみたいですね。何回盛れば気が済むんですか?」
「いや、たくさん加護を渡してくれたから許してくれてると思ってやり過ぎた」
「あそこまで許すわけないでしょ!」
あの能面だったアイシスがキレ顔になってる。
「というか、さっさとエルゴガーデン倒せばよくないですか?」
「まだまだ俺の実力じゃ難しいだろ」
「いけてますよ! 能力的には星火燎原を使える時点で勝利確定です。天叢雲剣とかいうチート武技まであるんですからさっさと仕事してください!」
「すまなかった。すぐに戻してくれ」
「すぐには無理です。強くなりすぎて神認定されてるので地上には戻せません」
「なんだって?」
「気づいてなかったんですか? 私相手にもタメ語じゃないですか。普通の人間にそんな胆力はありません。あなたはもう神の域にいます」
そうだったのか。もう戻れないのか……。
「主神に掛け合ってみます。どうにかして戻すので、その時は絶対に邪神を倒してくださいね?」
「ああ、頼む」
当面、地上には戻れないか。もし主神が断ったら、力ずくでも戻りたいと思う。
「俺はどうすればいい?」
「私の家に住みますか?」
「……いいのか?」
「意味深に尋ねないでください。私とセックスしようとか考えないでくださいね」
「いや、考えるに決まってるだろ。抱きたい女は全て抱いてきたんだぞ」
「こんなクズを地上に送ってしまい申し訳ありませんでした」
「皆悦んでたから気にするな」
「クズですね!」
俺は確かにクズだが、中途半端はしない。
必ず地上に戻るつもりだ。
「ちなみにエルゴガーデンは女か?」
「メスです」
「そうか」
「なんで起ってるんですか!?」
ーー俺の性欲が世界を救うと信じてくれ。
「しばらくのあいださよならだ」
愛すべき女達との再会を予感して、俺は独り笑った。
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