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66 四試合目

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 四試合目、俺の対戦相手となったのはミナガルデの剣聖クロモリ・サクラとかいう少女だった。彼女も転移者の一人だな。黒髪を腰まで伸ばした巨乳の少女で、かなりレベルが高い娘だ。俺のハーレムに入れても全く問題がない美貌の持ち主である。

「あの、よろしくお願いします」
「ああ、よろしく。あんたも刀なんだな」
「そうですね。なぜか神器がこの形で顕現したので……」

 人が良さそうな娘だ。
 適当に追い詰めて降参させたいところだ。

「あの……」
「ん? まだ何か?」
「私は恋人を人質に取られてこの試合に臨んでいます。だから、本気であなたの命を狙っています。どうか、手加減はしないでください。私も死ぬまで戦うので」
「そうか。なら、俺も本気で行かせてもらう」

 そんな話をして間に、司会進行役のエンジという男が位置取りを決めた。
 あまり近くにいると斬られるからな。離れた距離から見守ってるんだろう。

「両者……礼!」
「よろしくお願いします」
「ああ、よろしく」

 剣を構える。

「試合始め!」

 始まると同時、俺は縮地を使って距離を縮めた。

「速いっ!」

 驚きながらもサクラは刀を合わせてきた。

「『永遠』の理!」
「な……」

 俺の動作が無限に引き延ばされていく。
 これは、遅延系のスキルか……!
 俺は『永遠』の理を権能によって破壊する。
 だが、サクラの攻撃はここからだったらしい。

「『永遠』よ! 無限の力を今ここに……! 燃え尽きなさい!」

 サクラの刀が蒼炎をまとった。
 天を焦がす程の爆炎を吹きあげた刀が振り下ろされる。
 観覧席は結界によって護られていたが、それがなかったら会場の席ごと破壊していただろう。

「最大火力……ッ!」
「コキュートス……」

 相性が悪かったな。
 俺の権能はあらゆるものを凍りつかせ、停止させる。
 サクラの神器も凍りつき、停止した。

「悪いな。俺は神器を止められるんだ」
「え、嘘……」

 力と自信に溢れていた少女が、神器を止められた瞬間、力なき少女へと変わる。

「私の……負け。嫌……嫌ぁぁぁ!」

 サクラは刀を放って逃げ出した。
 だが、どこにも逃げ場などない。
 俺はサクラの脚を停止させた。

 転んだ少女に跨り、彼女の唇にキスをする。

「ん……んぅぅぅ……」

(おい、聞こえるか?)

 念話を飛ばす。

(これは……何のつもりですか!)
(お前の彼氏を救ってやる。今、どこにいる)
(彼は……主賓席にいます。隷属の首輪をつけられて、身動きを封じられてます)
(そうか。悪いが、俺にもリスクのある行動だ。ただでは助けてやれない。何を差し出せる)
(全部、私の全てをあなたに……!)
(妻になってくれるか? 俺は強い女が欲しい)
(それで彼が助かるなら……)

 時間を停止させる。

 俺は主賓席に転移し、椅子にくくりつけられた彼氏を見つけた。
 自分の身も守れないとは情けない男だ。
 おかげで彼女は俺のモノになったが。

 彼氏君の時間停止を解いてやる。

「おい、起きろ」

 揺すって起こしてやる。
 意識を失ってたらしい。

「あ……え。ここは?」
「お前は捕まってたんだ。すぐに逃げろ」
「あんたが助けてくれたのか。なあ、サクラはどこにいるんだ!」
「彼女は大会に参加して、俺との試合に負けた。悪いが、彼女はもう俺のものだ」
「そんな……。くっ! 『正義』!」

 西洋剣を向けられる。

「おい、何のつもりだ。恩人に牙を剥くつもりか?」
「それでも、サクラの為なら……!」
「馬鹿め」

 俺は剣の効果を停止させ、彼の持つ記憶を一部破壊した。

「サク……ラ」
「お前にとってサクラは赤の他人だ。今後のことは知らんが、好きに生きろ」
「う……あ……」
「行けよ」
「ああ、すまない」

 恋人に関する記憶だけ消滅させた。しばらくは混乱するだろうが、いずれ落ち着くだろう。

 俺はサクラの元に戻り、跨ってキスをしながら時間停止を解除した。
 元の姿勢じゃないと怪しまれるから仕方ない。

「彼氏は逃がしたぞ」
「ありがとうございます……。このまま私を犯しますか?」
「いや、今は降参しろ。ここでお前を辱める気はない。その代わり、あとで抱くからな」
「ありがとうございます。せめて彼の見ていないところでお願いしますね? 私は降参します」

 観客からブーイングが上がるが、知ったことか。
 サクラは俺の女にしたんだ。
 セックスが見たいなら恋人でも作れ。
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