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38 悪魔認定
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『受け継ぐ者クエストをクリアしました。クリア報酬として、『王の加護』が適用されます。『聖域』のスキルが使用可能となりました。聖域は自分が定めた法が適用される固有結界です。冒険を進めて最強の勇者を目指しましょう』
(これで五つ目の加護か……)
聖域を自分でも作れるようになった。使い道については後で考えよう。
「王の試練を乗り越えたのですね」
クアラはずっと待っていてくれたようだ。聖域に通じるゲートから出てきた俺を、安堵の笑顔と共に迎えてくれた。
「王の持つ剣を手に入れた。これで試練は合格だろう」
「さすがハジメ様ですね。ところで、こちらの方は……」
「兄さんの妹で、サイハラ・アカリと申します。私も転移者のようです」
「まさか、魔石も捧げてないのに召喚が起こるなど……。いえ、そもそも一人分の魔石しか捧げてないのにハジメ様が召喚されたこともおかしいのですが……」
ぶつぶつとクアラが喋っているが、意味はよく分からない。
「そういえば、今さらだけどこの国には魔術師がいないんだよな。どうやって俺とユウスケを召喚したんだ?」
「特定の条件下であれば、女神様が奇跡を起こしてくださるのです。千人の信者が一カ月間の祈祷をすることと、魔石を既定の数だけ捧げれば、勇者召喚の奇跡は起こります」
「なるほどな」
「あの、兄さん、こちらの綺麗な方は……」
「私はトリテア王国の女王、クアラ・ミア・トリテインです。そして、今はハジメ様の正妻という立場でもあります」
「兄さんが……結婚」
アカリは昔からブラコンをこじらせていた。少し心配だったが、彼女はもう一つのキーワードにも引っ掛かりを覚えたようだった。
「あの、正妻というのは……」
「それは、私達もユウスケさんのお嫁さんという意味です。試練の達成おめでとうございます」
(き……きてしまった)
アイスがいつものように悪気なく甘えてくる。一回りも年下の未成年な外見の女の子が、あきらかにおかしな距離感で嫁を自称しているのだ。妹にとっては地獄だろうと思って見てみれば、アカリの目が死んでいた。
「兄さんがこんな子供と結婚……嘘……ありえない……さすがに……」
「あたしとシロナも同じく嫁よ?」
もう一人のロリ……フレアがメスガキなシロナと共に転移してきた。彼女は「当ててんのよ」と言わんばかりに俺の背中にツルペタな胸をぶつけてくる。いつもだったら勃起してこのあと処理してもらう流れだが、そんなことをしていると妹にバレたくなかった。自制し、「本当に色々あったんだ」と言い訳をすることしかできない。
「アカリ、ここは異世界だからな。命を賭けたやり取りをするなかで、こういう運命を歩むことになったことだけは理解して欲しい」
「そうそう。ハジメは本当に頑張ったんだ。それに、私にとっては恩人でね。おかげで孤独から解放されたんだ。……皆、自分の気持ちでこの人の妻になったんだよ」
良いこと言ってるんだけどシロナはメスガキだ。
ロリ枠なんだ……! 『こんな幼い子と関係を?』妹の目はそう物語っていた。
「私は元性奴隷ですが、今は喜んで奉仕をしてます」
(エメリス……ッ!?)
「え、性奴隷って、兄さんに奉仕とかしてるんですか? こんなにお嫁さんがいるのに!?」
「そうですね。アイス様、フレア様、クアラ様、シロナ様というローテーションで朝の奉仕と夜伽の順番を回していますね。私は急に尿意を催した時やムラムラした時に便器として使用いただいてます。単純な回数だけならこのなかで一番――」
「こんな綺麗な人を便器とか、兄さんは人間ですか? 何様なんですか?」
「アカリ……! 言い訳のようだが、戦いに身を置いているとどうしても子孫を残したいという思いが強まるんだ。まさかその辺にいる子女を手当たり次第に抱くわけにもいかないからな。エメリスには大事な世話をしてもらってる」
「その辺にいる子女を抱いたことがないと? では、私のことはお忘れですか……?」
な、なぜ、リンネがここに……。
彼女は別邸の管理をしていたはずじゃ……!?
というか、会うの何か月ぶりだ!?
ユウスケから寝取って一回抱いて以来、完全に放置してたぞ!
「皆様にお伺いを立て、本邸のメイドにしていただけないかと直談判に来ました。想い人から寝取られ、なのにずっと放置され、主人の戻らない屋敷を管理し、女としても見てもらえず……うっうっ……せめて奉仕をしろと命じてください! こんなに人生を無茶苦茶にされてるのに……ずっと放置だなんて……ううぅぅぅぅぅうううぅぅ」
「ごめんね。あんまり可哀想だから連れて来たんだよ。皆はいいって言ってる。だから、妹の前では決断しづらいだろうけど、リンネも本邸で迎えてあげられないかな? こんなタイミングになってごめんね?」
シロナ、最低なタイミングでの提案をありがとう。
「最低……兄さんは人でなしです!」
「待ってくれ! 日本とここは違うんだ! アカリの面倒は俺が見る。皆も、誤解をさせるような言い方はやめてほしい。それと、リンネは後で話そう」
「いいって……言ってくれなかった……うあぁぁぁん! 旦那様の寝取り魔! 鬼畜!」
「違う! いいとも! 二人の時間を作ろうという意味だ!」
「最低です。死んでください! 兄さんは人の皮を被った悪魔です!」
兄は死んだ……。
この日、一人の妹が兄を失った。
クズな兄貴でごめんな。
マジですまんかった……。
(これで五つ目の加護か……)
聖域を自分でも作れるようになった。使い道については後で考えよう。
「王の試練を乗り越えたのですね」
クアラはずっと待っていてくれたようだ。聖域に通じるゲートから出てきた俺を、安堵の笑顔と共に迎えてくれた。
「王の持つ剣を手に入れた。これで試練は合格だろう」
「さすがハジメ様ですね。ところで、こちらの方は……」
「兄さんの妹で、サイハラ・アカリと申します。私も転移者のようです」
「まさか、魔石も捧げてないのに召喚が起こるなど……。いえ、そもそも一人分の魔石しか捧げてないのにハジメ様が召喚されたこともおかしいのですが……」
ぶつぶつとクアラが喋っているが、意味はよく分からない。
「そういえば、今さらだけどこの国には魔術師がいないんだよな。どうやって俺とユウスケを召喚したんだ?」
「特定の条件下であれば、女神様が奇跡を起こしてくださるのです。千人の信者が一カ月間の祈祷をすることと、魔石を既定の数だけ捧げれば、勇者召喚の奇跡は起こります」
「なるほどな」
「あの、兄さん、こちらの綺麗な方は……」
「私はトリテア王国の女王、クアラ・ミア・トリテインです。そして、今はハジメ様の正妻という立場でもあります」
「兄さんが……結婚」
アカリは昔からブラコンをこじらせていた。少し心配だったが、彼女はもう一つのキーワードにも引っ掛かりを覚えたようだった。
「あの、正妻というのは……」
「それは、私達もユウスケさんのお嫁さんという意味です。試練の達成おめでとうございます」
(き……きてしまった)
アイスがいつものように悪気なく甘えてくる。一回りも年下の未成年な外見の女の子が、あきらかにおかしな距離感で嫁を自称しているのだ。妹にとっては地獄だろうと思って見てみれば、アカリの目が死んでいた。
「兄さんがこんな子供と結婚……嘘……ありえない……さすがに……」
「あたしとシロナも同じく嫁よ?」
もう一人のロリ……フレアがメスガキなシロナと共に転移してきた。彼女は「当ててんのよ」と言わんばかりに俺の背中にツルペタな胸をぶつけてくる。いつもだったら勃起してこのあと処理してもらう流れだが、そんなことをしていると妹にバレたくなかった。自制し、「本当に色々あったんだ」と言い訳をすることしかできない。
「アカリ、ここは異世界だからな。命を賭けたやり取りをするなかで、こういう運命を歩むことになったことだけは理解して欲しい」
「そうそう。ハジメは本当に頑張ったんだ。それに、私にとっては恩人でね。おかげで孤独から解放されたんだ。……皆、自分の気持ちでこの人の妻になったんだよ」
良いこと言ってるんだけどシロナはメスガキだ。
ロリ枠なんだ……! 『こんな幼い子と関係を?』妹の目はそう物語っていた。
「私は元性奴隷ですが、今は喜んで奉仕をしてます」
(エメリス……ッ!?)
「え、性奴隷って、兄さんに奉仕とかしてるんですか? こんなにお嫁さんがいるのに!?」
「そうですね。アイス様、フレア様、クアラ様、シロナ様というローテーションで朝の奉仕と夜伽の順番を回していますね。私は急に尿意を催した時やムラムラした時に便器として使用いただいてます。単純な回数だけならこのなかで一番――」
「こんな綺麗な人を便器とか、兄さんは人間ですか? 何様なんですか?」
「アカリ……! 言い訳のようだが、戦いに身を置いているとどうしても子孫を残したいという思いが強まるんだ。まさかその辺にいる子女を手当たり次第に抱くわけにもいかないからな。エメリスには大事な世話をしてもらってる」
「その辺にいる子女を抱いたことがないと? では、私のことはお忘れですか……?」
な、なぜ、リンネがここに……。
彼女は別邸の管理をしていたはずじゃ……!?
というか、会うの何か月ぶりだ!?
ユウスケから寝取って一回抱いて以来、完全に放置してたぞ!
「皆様にお伺いを立て、本邸のメイドにしていただけないかと直談判に来ました。想い人から寝取られ、なのにずっと放置され、主人の戻らない屋敷を管理し、女としても見てもらえず……うっうっ……せめて奉仕をしろと命じてください! こんなに人生を無茶苦茶にされてるのに……ずっと放置だなんて……ううぅぅぅぅぅうううぅぅ」
「ごめんね。あんまり可哀想だから連れて来たんだよ。皆はいいって言ってる。だから、妹の前では決断しづらいだろうけど、リンネも本邸で迎えてあげられないかな? こんなタイミングになってごめんね?」
シロナ、最低なタイミングでの提案をありがとう。
「最低……兄さんは人でなしです!」
「待ってくれ! 日本とここは違うんだ! アカリの面倒は俺が見る。皆も、誤解をさせるような言い方はやめてほしい。それと、リンネは後で話そう」
「いいって……言ってくれなかった……うあぁぁぁん! 旦那様の寝取り魔! 鬼畜!」
「違う! いいとも! 二人の時間を作ろうという意味だ!」
「最低です。死んでください! 兄さんは人の皮を被った悪魔です!」
兄は死んだ……。
この日、一人の妹が兄を失った。
クズな兄貴でごめんな。
マジですまんかった……。
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