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23 聖剣解放
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「酷い勇者もいたもんだ。国を救う代わりに身体を寄こせなんてねー」
どこからともなく声が聴こえた。
「そんなに警戒しないでよ。私達は運命共同体なんだからさ」
白髪の美少女がソファに腰かけ、あぐらを組んでいる。
その姿は半透明で幽霊のようだ。
ここは……クアラの寝室か。
結局あの後、寝室に移動して二回戦をしたんだった。
体力を使い果たした彼女は隣でスヤスヤと寝息を立てており、カーテンから覗く月明かりもまだ暫くは夜闇を照らしていそうだ。
「お前は誰だ?」
「私はかつての剣聖だよ。契約が成立したからね。ハジメの頭の中に引っ越すことにしたんだ。言っとくけど、見えてるのは聖剣の所有者だけだから気をつけなよ。ユウスケみたいに変人扱いされたら可哀想だからね」
ケラケラと娘が嘲笑する。見た目十代半ばなのに剣聖だったのか。凄まじい才能の持ち主だったんだろうな。
「それで、聖剣を手に入れたらどうして剣聖様が俺の頭に引っ越してきたんだ?」
「落ち着いてるね。ユウスケの奴は取り乱してたけど、私が要望にこたえてオナニーショーを見せてやったら喜んで受けて入れてくれたよ」
「ユウスケの情報はいらない」
あいつ何してるんだ。
「改めて、私はシロナだ。かつての剣聖にして、剣に魂を移し変えられた被害者だよ」
剣に移された?
まさか、元は人間だったのか?
「私は王国の秘術によって生きながらにしてマジックアイテムに変えられたんだ。今は禁制の術だけど、昔はこんなのばっかりでさ。私みたいにちょっと才能のある奴はすぐに道具にされてたよ」
闇が深すぎる。人間を道具に変えるなんて正気なのか?
そんな技術が存在することに反吐が出る。
「できれば剣を破壊して私を解放して欲しいんだけど、そんなことできないだろうしね。聖剣の機能を説明してあげるよ」
「ずいぶん親切だな。無理矢理剣にされたのにやけに協力的だ」
「いろいろ教えてあげる代わりに友達になってくれたら嬉しいな……。大抵の奴は聖剣を扱えるようになったら私のことを無視し始めるんだ。自慰を見せろとかいうヘンタイも一定数いるけど、嫌になるよね。自分は道具なんだなって嫌でも自覚させられるから」
「俺でよかったら話し相手くらいにはなる」
「本当に?」
「それくらいならなんてことはない」
「あ、ありがとう」
シロナがはにかむ。
しかし、人と話せるだけで嬉しいなんて可哀想だな……。というか、俺の魔力量なら受肉させられるんじゃないか? 精霊が扱える魔法は俺も使える。アイスやフレアがこの地上で受肉したように、彼女もそうできるんじゃないか?
俺はさっそく考えを伝えてみた。
「え? 身体を貰えるかもしれないの?」
「ああ、やってみる価値はあると思う。こんな剣にずっと入れられてるのもしんどいだろ」
「あ……。ありがとう。ハジメ、本当にいい男だね。もし受肉できたら何でもするよ。私もハジメの女にしてもらえないかな」
シロナは美少女だ。容姿的に中の上であるのは間違いないし、十人が見たら九人は美人だと答えるだろう。
しかし、妖精のように美しいアイスやフレア、まるで聖女のように綺麗だったクアラと比べると、ほんの僅かではあるがタレ目で、質が劣るような……。いや、しかしシロナはアイスやフレアと同じように小柄で、俺的にはそれだけでも需要がある。
あと、栄養不足のせいか胸は小さめだが、太ももは良い感じにムッチリしててエロいかもしれない。この太もものムッチリさは決して太くはないが、やらしく見えるくらいの太さだ。これは芸術の域かもしれない。ランドセルを再現し、長めのソックスとか履かせたままやりたいと思う。
俺の視線を感じたのか、シロナが恥じらうように手で覆った。ガキが……分からせてやるぞ。
「受肉したらたっぷり可愛がらせてもらう。それが条件だ。奴隷にしてもいいか?」
「お兄さん最低だね。……でもいいよ。もう一回人の身体に戻れるならどんな望みだって受け入れる」
「分かった。なら、成功を祈っててくれ」
俺は国全体を時間停止し、シロナを連れて城内の誰も使っていなかった貴賓室に移動した。今から使う魔法はあまり人に見せたくはない。人を作ったとか、そんな噂が広まったらどんな扱いを受けるか分からないからな。
「さっそくやってみるか」
「ちょっと待って。心の準備が」
「早く寝たいからさっさと終わらせよう」
「ちょっと待ってって!」
俺はアイスとフレアがこの地上に現れた時のことを思い出しながら、受肉を『再現』する為に魔力を消費する。
これは俺が作ったオリジナルの一つで、俺が今までに体験したものを『再現』する魔法だ。オリジナルの魔法を作る為には術式を収めた魔導書を一冊作成し、それを女神に申請して承認されるという工程を踏む必要がある。少し話が逸れたが、苦労して作っただけの価値はある魔法だと自負している。おかげで日本食だっていくらでも食べられるようになったし、応用も利く便利な術だ。
とはいえ、肉体を作るなんて初めてのことである。
過剰に魔力を送らないよう注意しながら魔法陣を生成し、眩い光の円の中にシロナの肉体を再現した。
「あ……ああああああっ!!!!」
「成功したみたいだな」
剣聖シロナの復活だ。魂を移したことで聖剣の機能は死んでおり、さすがに使い物にならなくなっていた。一応、形だけは所有しておくか。ちょっと勿体なかったかもしれないが、監禁される苦しみは俺も知っている。シロナの力にならないという選択肢は初めから存在しなかった。
『聖剣の解放クエストをクリアしました。クリア報酬として、『剣聖の加護』が適用されました。聖剣の機能を使用可能です。冒険を進めて最強の勇者を目指しましょう』
(ん? 結局力は手に入れたって認識でいいのか?)
この世界で何かを成し遂げると報酬がもらえる。
これも女神の仕業だろうな。
「ありがとうハジメ! すごい……。本当にすごい魔術師だ! こんなことできる奴なんて他に知らない! とにかくありがとう!」
喜ぶシロナを抱きしめる。もう好きにしていいよな?
「約束通り俺のモノになってもらうぞ」
「うん。喜んで奴隷にだってなるよ」
純粋な笑顔でそんなことを言われると良心が痛むよな。ただでさえシロナは幼い外見してるし。
「奴隷は冗談だ。やっと自由になれたのにそんなことするはずないだろ」
「ハジメ、いい男だね……」
言いながらシロナが跪く。
「私は生涯、騎士としてハジメ様に仕えます」
「分かった。じゃあ、さっそくしゃぶってくれるか」
「もう……エッチなんだから」
どこからともなく声が聴こえた。
「そんなに警戒しないでよ。私達は運命共同体なんだからさ」
白髪の美少女がソファに腰かけ、あぐらを組んでいる。
その姿は半透明で幽霊のようだ。
ここは……クアラの寝室か。
結局あの後、寝室に移動して二回戦をしたんだった。
体力を使い果たした彼女は隣でスヤスヤと寝息を立てており、カーテンから覗く月明かりもまだ暫くは夜闇を照らしていそうだ。
「お前は誰だ?」
「私はかつての剣聖だよ。契約が成立したからね。ハジメの頭の中に引っ越すことにしたんだ。言っとくけど、見えてるのは聖剣の所有者だけだから気をつけなよ。ユウスケみたいに変人扱いされたら可哀想だからね」
ケラケラと娘が嘲笑する。見た目十代半ばなのに剣聖だったのか。凄まじい才能の持ち主だったんだろうな。
「それで、聖剣を手に入れたらどうして剣聖様が俺の頭に引っ越してきたんだ?」
「落ち着いてるね。ユウスケの奴は取り乱してたけど、私が要望にこたえてオナニーショーを見せてやったら喜んで受けて入れてくれたよ」
「ユウスケの情報はいらない」
あいつ何してるんだ。
「改めて、私はシロナだ。かつての剣聖にして、剣に魂を移し変えられた被害者だよ」
剣に移された?
まさか、元は人間だったのか?
「私は王国の秘術によって生きながらにしてマジックアイテムに変えられたんだ。今は禁制の術だけど、昔はこんなのばっかりでさ。私みたいにちょっと才能のある奴はすぐに道具にされてたよ」
闇が深すぎる。人間を道具に変えるなんて正気なのか?
そんな技術が存在することに反吐が出る。
「できれば剣を破壊して私を解放して欲しいんだけど、そんなことできないだろうしね。聖剣の機能を説明してあげるよ」
「ずいぶん親切だな。無理矢理剣にされたのにやけに協力的だ」
「いろいろ教えてあげる代わりに友達になってくれたら嬉しいな……。大抵の奴は聖剣を扱えるようになったら私のことを無視し始めるんだ。自慰を見せろとかいうヘンタイも一定数いるけど、嫌になるよね。自分は道具なんだなって嫌でも自覚させられるから」
「俺でよかったら話し相手くらいにはなる」
「本当に?」
「それくらいならなんてことはない」
「あ、ありがとう」
シロナがはにかむ。
しかし、人と話せるだけで嬉しいなんて可哀想だな……。というか、俺の魔力量なら受肉させられるんじゃないか? 精霊が扱える魔法は俺も使える。アイスやフレアがこの地上で受肉したように、彼女もそうできるんじゃないか?
俺はさっそく考えを伝えてみた。
「え? 身体を貰えるかもしれないの?」
「ああ、やってみる価値はあると思う。こんな剣にずっと入れられてるのもしんどいだろ」
「あ……。ありがとう。ハジメ、本当にいい男だね。もし受肉できたら何でもするよ。私もハジメの女にしてもらえないかな」
シロナは美少女だ。容姿的に中の上であるのは間違いないし、十人が見たら九人は美人だと答えるだろう。
しかし、妖精のように美しいアイスやフレア、まるで聖女のように綺麗だったクアラと比べると、ほんの僅かではあるがタレ目で、質が劣るような……。いや、しかしシロナはアイスやフレアと同じように小柄で、俺的にはそれだけでも需要がある。
あと、栄養不足のせいか胸は小さめだが、太ももは良い感じにムッチリしててエロいかもしれない。この太もものムッチリさは決して太くはないが、やらしく見えるくらいの太さだ。これは芸術の域かもしれない。ランドセルを再現し、長めのソックスとか履かせたままやりたいと思う。
俺の視線を感じたのか、シロナが恥じらうように手で覆った。ガキが……分からせてやるぞ。
「受肉したらたっぷり可愛がらせてもらう。それが条件だ。奴隷にしてもいいか?」
「お兄さん最低だね。……でもいいよ。もう一回人の身体に戻れるならどんな望みだって受け入れる」
「分かった。なら、成功を祈っててくれ」
俺は国全体を時間停止し、シロナを連れて城内の誰も使っていなかった貴賓室に移動した。今から使う魔法はあまり人に見せたくはない。人を作ったとか、そんな噂が広まったらどんな扱いを受けるか分からないからな。
「さっそくやってみるか」
「ちょっと待って。心の準備が」
「早く寝たいからさっさと終わらせよう」
「ちょっと待ってって!」
俺はアイスとフレアがこの地上に現れた時のことを思い出しながら、受肉を『再現』する為に魔力を消費する。
これは俺が作ったオリジナルの一つで、俺が今までに体験したものを『再現』する魔法だ。オリジナルの魔法を作る為には術式を収めた魔導書を一冊作成し、それを女神に申請して承認されるという工程を踏む必要がある。少し話が逸れたが、苦労して作っただけの価値はある魔法だと自負している。おかげで日本食だっていくらでも食べられるようになったし、応用も利く便利な術だ。
とはいえ、肉体を作るなんて初めてのことである。
過剰に魔力を送らないよう注意しながら魔法陣を生成し、眩い光の円の中にシロナの肉体を再現した。
「あ……ああああああっ!!!!」
「成功したみたいだな」
剣聖シロナの復活だ。魂を移したことで聖剣の機能は死んでおり、さすがに使い物にならなくなっていた。一応、形だけは所有しておくか。ちょっと勿体なかったかもしれないが、監禁される苦しみは俺も知っている。シロナの力にならないという選択肢は初めから存在しなかった。
『聖剣の解放クエストをクリアしました。クリア報酬として、『剣聖の加護』が適用されました。聖剣の機能を使用可能です。冒険を進めて最強の勇者を目指しましょう』
(ん? 結局力は手に入れたって認識でいいのか?)
この世界で何かを成し遂げると報酬がもらえる。
これも女神の仕業だろうな。
「ありがとうハジメ! すごい……。本当にすごい魔術師だ! こんなことできる奴なんて他に知らない! とにかくありがとう!」
喜ぶシロナを抱きしめる。もう好きにしていいよな?
「約束通り俺のモノになってもらうぞ」
「うん。喜んで奴隷にだってなるよ」
純粋な笑顔でそんなことを言われると良心が痛むよな。ただでさえシロナは幼い外見してるし。
「奴隷は冗談だ。やっと自由になれたのにそんなことするはずないだろ」
「ハジメ、いい男だね……」
言いながらシロナが跪く。
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