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7 聖剣
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「オッサン、俺はこの国の英雄になって最高の異世界ライフを送るぜ」
「後悔しないように生きろよ」
「そのつもりだよ。女王様、さっさと聖剣グラムをください」
「では、封印を解きましょう」
女王に命じられ、兵士が鎖を巻かれた剣を運んでくる。
「これが聖剣グラム。意思を持った勇者の剣です。資格のない者が触れると神罰が下ります」
「え……?」
「少し大げさに言いましたが、手が弾かれるだけですよ」
相手を騙そうとする者特有の笑みを浮かべる女王様だ。
周回で分かってたけど、この女だけは信用しない方がいいだろう。
「なんだ、驚かすなよ」
人生経験の浅いユウスケはころっと笑顔に騙されてるけど、まあ忠告しても無駄だろうな。俺のことは舐めてるみたいだし。
『あれは魔剣の類いですね。強烈な負の感情を感じます』
頭の中にアイスの言葉が響いた。こんなこともできるんだな。
『人間の意識のようなものが混ざっているようです。邪法に頼らないとあんなものは作れません』
……負の感情を持った剣なんて使いたくないなと思った。
なんだか呪われそうだ。
「聖剣よ、目覚めなさい」
女王の一言で鎖が砕け散る。使える状態になった、ということだろう。
「思ったより軽じゃん」
ユウスケは剣を手に取り、軽く振った。
「勇者様、あなたはトリテア王国を照らす光になりました。どうか力をつけて邪神を葬ってください」
「いいぜ。あんたらが約束を守ってくれるならな」
「早く力を試したくて仕方がないご様子ですね。元帥、騎士団長に命じて彼に剣の指導をしてください」
「承知しました。ではユウスケ殿、こちらへ」
「何でもいいから斬らせてくれよ」
ユウスケは聖剣の訓練の為に謁見の間を退室した。
後に残された俺に、女王はニコリと微笑む。
「勇者が戦う魔人は、人類とは比べ物にならない程の力を持った怪物です。天才、神童と謳われた人類側の英雄が、今までに何人も葬られてきました。痛い損失でしたが、そこから学んだこともあります。人間は、一人では魔人に立ち向かうべきではない。それは勇者であったとしても、例外ではありません」
「つまり、俺に協力しろってことか」
「我々に協力して魔人を排除していただけるなら、どんなものだって差し出す覚悟があります」
「へえ。それは女王陛下自身だって例外じゃないのか?」
「魔人の王である邪神を倒せなたら、あなたこそがこの国の王に相応しいでしょう」
俺と女王の利害は一致している。
勇者の使命を果たせば、俺はどんな願いだって叶えてもらえる。
その為なら、敵とだって手は組める。
「あんたに協力するよ」
「ありがとうございます。きっとそう言ってくださると思っていました」
いつかこの女を跪かせて穢してやる。
女王が身を差し出すくらい強くなることを、俺は心に誓った。
「後悔しないように生きろよ」
「そのつもりだよ。女王様、さっさと聖剣グラムをください」
「では、封印を解きましょう」
女王に命じられ、兵士が鎖を巻かれた剣を運んでくる。
「これが聖剣グラム。意思を持った勇者の剣です。資格のない者が触れると神罰が下ります」
「え……?」
「少し大げさに言いましたが、手が弾かれるだけですよ」
相手を騙そうとする者特有の笑みを浮かべる女王様だ。
周回で分かってたけど、この女だけは信用しない方がいいだろう。
「なんだ、驚かすなよ」
人生経験の浅いユウスケはころっと笑顔に騙されてるけど、まあ忠告しても無駄だろうな。俺のことは舐めてるみたいだし。
『あれは魔剣の類いですね。強烈な負の感情を感じます』
頭の中にアイスの言葉が響いた。こんなこともできるんだな。
『人間の意識のようなものが混ざっているようです。邪法に頼らないとあんなものは作れません』
……負の感情を持った剣なんて使いたくないなと思った。
なんだか呪われそうだ。
「聖剣よ、目覚めなさい」
女王の一言で鎖が砕け散る。使える状態になった、ということだろう。
「思ったより軽じゃん」
ユウスケは剣を手に取り、軽く振った。
「勇者様、あなたはトリテア王国を照らす光になりました。どうか力をつけて邪神を葬ってください」
「いいぜ。あんたらが約束を守ってくれるならな」
「早く力を試したくて仕方がないご様子ですね。元帥、騎士団長に命じて彼に剣の指導をしてください」
「承知しました。ではユウスケ殿、こちらへ」
「何でもいいから斬らせてくれよ」
ユウスケは聖剣の訓練の為に謁見の間を退室した。
後に残された俺に、女王はニコリと微笑む。
「勇者が戦う魔人は、人類とは比べ物にならない程の力を持った怪物です。天才、神童と謳われた人類側の英雄が、今までに何人も葬られてきました。痛い損失でしたが、そこから学んだこともあります。人間は、一人では魔人に立ち向かうべきではない。それは勇者であったとしても、例外ではありません」
「つまり、俺に協力しろってことか」
「我々に協力して魔人を排除していただけるなら、どんなものだって差し出す覚悟があります」
「へえ。それは女王陛下自身だって例外じゃないのか?」
「魔人の王である邪神を倒せなたら、あなたこそがこの国の王に相応しいでしょう」
俺と女王の利害は一致している。
勇者の使命を果たせば、俺はどんな願いだって叶えてもらえる。
その為なら、敵とだって手は組める。
「あんたに協力するよ」
「ありがとうございます。きっとそう言ってくださると思っていました」
いつかこの女を跪かせて穢してやる。
女王が身を差し出すくらい強くなることを、俺は心に誓った。
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