巻き込まれ転移者の異世界ライフ。○○人の女を囲って幸せに生きる ~ざまぁで終わらせるわけないだろ~

みかん畑

文字の大きさ
上 下
7 / 69

7 聖剣

しおりを挟む
「オッサン、俺はこの国の英雄になって最高の異世界ライフを送るぜ」
「後悔しないように生きろよ」
「そのつもりだよ。女王様、さっさと聖剣グラムをください」
「では、封印を解きましょう」

 女王に命じられ、兵士が鎖を巻かれた剣を運んでくる。

「これが聖剣グラム。意思を持った勇者の剣です。資格のない者が触れると神罰が下ります」
「え……?」
「少し大げさに言いましたが、手が弾かれるだけですよ」

 相手を騙そうとする者特有の笑みを浮かべる女王様だ。
 周回で分かってたけど、この女だけは信用しない方がいいだろう。

「なんだ、驚かすなよ」

 人生経験の浅いユウスケはころっと笑顔に騙されてるけど、まあ忠告しても無駄だろうな。俺のことは舐めてるみたいだし。

『あれは魔剣の類いですね。強烈な負の感情を感じます』

 頭の中にアイスの言葉が響いた。こんなこともできるんだな。

『人間の意識のようなものが混ざっているようです。邪法に頼らないとあんなものは作れません』

 ……負の感情を持った剣なんて使いたくないなと思った。
 なんだか呪われそうだ。

「聖剣よ、目覚めなさい」

 女王の一言で鎖が砕け散る。使える状態になった、ということだろう。

「思ったより軽じゃん」

 ユウスケは剣を手に取り、軽く振った。

「勇者様、あなたはトリテア王国を照らす光になりました。どうか力をつけて邪神を葬ってください」
「いいぜ。あんたらが約束を守ってくれるならな」
「早く力を試したくて仕方がないご様子ですね。元帥、騎士団長に命じて彼に剣の指導をしてください」
「承知しました。ではユウスケ殿、こちらへ」
「何でもいいから斬らせてくれよ」

 ユウスケは聖剣の訓練の為に謁見の間を退室した。

 後に残された俺に、女王はニコリと微笑む。

「勇者が戦う魔人は、人類とは比べ物にならない程の力を持った怪物です。天才、神童と謳われた人類側の英雄が、今までに何人も葬られてきました。痛い損失でしたが、そこから学んだこともあります。人間は、一人では魔人に立ち向かうべきではない。それは勇者であったとしても、例外ではありません」
「つまり、俺に協力しろってことか」
「我々に協力して魔人を排除していただけるなら、どんなものだって差し出す覚悟があります」
「へえ。それは女王陛下自身だって例外じゃないのか?」
「魔人の王である邪神を倒せなたら、あなたこそがこの国の王に相応しいでしょう」

 俺と女王の利害は一致している。
 勇者の使命を果たせば、俺はどんな願いだって叶えてもらえる。
 その為なら、敵とだって手は組める。

「あんたに協力するよ」
「ありがとうございます。きっとそう言ってくださると思っていました」

 いつかこの女を跪かせて穢してやる。
 女王が身を差し出すくらい強くなることを、俺は心に誓った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

勇者のハーレムパーティー抜けさせてもらいます!〜やけになってワンナイトしたら溺愛されました〜

犬の下僕
恋愛
勇者に裏切られた主人公がワンナイトしたら溺愛される話です。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

処理中です...