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大陸を制覇した俺は大いなる支配者となり、並ぶものなき真の王となった。
しかし、俺は冥界の力を持った神だ。カルマオンラインの世界において、俺はアルカナとカイリ、二柱の神と並び立つことで力の均衡を保つこととした。まあ、ユウタを生かしてやってるのもバランス取りの一環だな。
俺の力が飛びぬけて強い状態だと、世界に死が溢れすぎてしまう。前世の俺が転生を選んだ理由も、強くなりすぎたが故に、世界を権能で侵してしまわないように――という願いからだったと聞いた。アルカナがそう言っていたんだ。まあ、今の俺からすれば軟弱な考えだと思うけどな。力が強くなりすぎたなら、いっそのこと手放してしまえばいい。今の俺には愛する女達がいる。彼女達がいれば、俺は例え力を失うことがあっても、構わないと思っている。
さて――
深夜、俺は久しぶりに分裂していた意識と身体を統合し、一人のタクマとなった。
某ネズミみたいにタイムスケジュールを組んで同じ時間軸の自分と会わないよう気を遣っていたが、自分に気を遣うのもだんだんとバカらしくなってきた。
いつまでこんな生活を続けているんだろうな……。
「いっそのこと逃げればいいんじゃねえか?」
耳に馴染んだ声が聞こえた。
「ガランか」
「親父と呼べよ、タクマ」
なんとなく、そろそろ会えるような気はしていた。俺の認めた男が、過去で消滅してそれっきりということはないと思っていた。腕っぷしの強そうな野性味溢れる男が、顎髭をなぜながら俺に微笑みかけてきた。悪戯に成功した子供のような表情だな。
「……俺を殺しにきたのか?」
「力試しはするつもりだが、そんなことをする為に帰ってきたんじゃねえよ」
「そんなこと……か。恨まれても仕方のないことをしたけどな。アルカナを寝取り、カイリも妻にした。あんたからすれば仇敵だ」
「ちいせえな。まあ、元々の俺はケツの穴の小さい男だったよ。だが、お前に分割されたお陰で、怒りや妬みなんて感情は克服することができた。今の俺には無限に湧きあがる愛情しかねえな」
ああ、確かに凄味を感じる。このガランは、強い。
神として力を得たからこそ見える世界がある。
俺、アルカナ、カイリ、ガラン――ついでにユウタもか。
本物の神となった俺達には、本物の感情だけがある。もしガランが俺を始末しにきたなら、戦いは既に終わっている頃だろう。
「それで、いい加減に用件を話してくれないか」
「せっかちなところは変わらないな。まあ、大したことじゃねえよ。カナミを俺にくれないか」
「……は?」
「もう散々抱いただろ。あいつのことは元々オナホとして育ててやったんだ。しかし、途中で育てるのに疲れてよ。お前に預けて死んだふりをしてたんだが、最近、思い出して覗いてみたらいい女に育っててなぁ」
「冗談にしては質が悪いな」
「だから冗談じゃねえっての。まあ、お前ももう分かってるんだろ? カルマオンラインは罪人の魂を使って作られたNPCの楽園だ。俺だって元々はNPC側だったんだ。しかし、俺は途中で目覚めた。自我を取り戻したんだ。でも、ここにいる連中は自分の罪に気づいちゃいない。だから、こんな未開で魔物が発生する鳥籠の世界に入れられてるんだよ。神の玩具にされてな」
結局――同じか。
何人か、ペラペラと俺に偉そうなご高説を垂れてくれた奴がいた。
連中に言わせれば、ここにあるのは紛い物だけらしい。
感情はあっても、神達の都合によって作られた被造物に過ぎないと。
残念だが、ここにいる女達は俺が守ってやらないといけない。
こういうクズ野郎達にいいようにされるからだ。
クリュウが言っていたが、神達は自分の管理する楽園の女達をコレクションと呼び、女を交換して楽しんでいるらしかった。
俺はクリュウに誘われて天国に脚を運んだこともあるが、男も女も神ってのはロクでもない連中だった。
『罪人の魂で作られてるから、好きにしていいんだって』
『感情がある? そりゃそうでしょ。じゃないと俺達が楽しめないしさ』
ああ、本当に、ウンザリだ。
「改めて言ってやるよ。この世界にいるのは全員、俺の女だ。もしも手を出すってなら、たとえあんたでも容赦はしない」
ガランが身の丈ほどもある大剣を抜き、俺に斬りかかる。
しかし、俺が念じると彼は足元から崩れ落ちた。
「へへ……。ひでえな。権能で一発かよ」
「親子の情を期待しているなら御門違いだ。あんたはカナミを捨てた。もう俺の親じゃない」
「いいねぇ……」
何がいいのか知らないが、ガランはそれ以上語ることはなかった。
結局、何をしにきたんだ?
読めない男だったな。
俺はカナミを玉座に転移させた。
「ん……。どうしました? 急に」
「火がついたんだ。鎮めてくれ」
カナミの巨乳を揉みながら、真紅のカーペットの上に彼女を寝かせる。
「もう、急なんですから」
カナミの胸を吸いながら、穴を指で弄りまくる。
たっぷりと濡らしたあとは、馬乗りにさせてカナミに腰を振らせた。
カナミと手を握り合いながら、気持ちを高めていく。
幸せだった。
尽きることのない欲望は、俺にとって愛情の裏返しだ。
たっぷりとカナミを抱いたあと、俺は真紅のカーペットの上で大の字になった。
「兄さん、だらしないって怒られちゃいますよ?」
「いいんだよ。怒られたら謝ればいい。二人でな」
「私もですか?」
「当たり前だろ。妹なんだから」
カナミと手を握り合う。
大事な妹と、大事な妻達。
欲望は尽きることがないが、この家族がいればこの先も大丈夫だと思った。
拳を突き出して、掴むフリをする。
「どうしたんですか?」
「ゲームクリアだ」
カナミの腹部をさする。
愛する者達と生き続けよう。
永久に……。
しかし、俺は冥界の力を持った神だ。カルマオンラインの世界において、俺はアルカナとカイリ、二柱の神と並び立つことで力の均衡を保つこととした。まあ、ユウタを生かしてやってるのもバランス取りの一環だな。
俺の力が飛びぬけて強い状態だと、世界に死が溢れすぎてしまう。前世の俺が転生を選んだ理由も、強くなりすぎたが故に、世界を権能で侵してしまわないように――という願いからだったと聞いた。アルカナがそう言っていたんだ。まあ、今の俺からすれば軟弱な考えだと思うけどな。力が強くなりすぎたなら、いっそのこと手放してしまえばいい。今の俺には愛する女達がいる。彼女達がいれば、俺は例え力を失うことがあっても、構わないと思っている。
さて――
深夜、俺は久しぶりに分裂していた意識と身体を統合し、一人のタクマとなった。
某ネズミみたいにタイムスケジュールを組んで同じ時間軸の自分と会わないよう気を遣っていたが、自分に気を遣うのもだんだんとバカらしくなってきた。
いつまでこんな生活を続けているんだろうな……。
「いっそのこと逃げればいいんじゃねえか?」
耳に馴染んだ声が聞こえた。
「ガランか」
「親父と呼べよ、タクマ」
なんとなく、そろそろ会えるような気はしていた。俺の認めた男が、過去で消滅してそれっきりということはないと思っていた。腕っぷしの強そうな野性味溢れる男が、顎髭をなぜながら俺に微笑みかけてきた。悪戯に成功した子供のような表情だな。
「……俺を殺しにきたのか?」
「力試しはするつもりだが、そんなことをする為に帰ってきたんじゃねえよ」
「そんなこと……か。恨まれても仕方のないことをしたけどな。アルカナを寝取り、カイリも妻にした。あんたからすれば仇敵だ」
「ちいせえな。まあ、元々の俺はケツの穴の小さい男だったよ。だが、お前に分割されたお陰で、怒りや妬みなんて感情は克服することができた。今の俺には無限に湧きあがる愛情しかねえな」
ああ、確かに凄味を感じる。このガランは、強い。
神として力を得たからこそ見える世界がある。
俺、アルカナ、カイリ、ガラン――ついでにユウタもか。
本物の神となった俺達には、本物の感情だけがある。もしガランが俺を始末しにきたなら、戦いは既に終わっている頃だろう。
「それで、いい加減に用件を話してくれないか」
「せっかちなところは変わらないな。まあ、大したことじゃねえよ。カナミを俺にくれないか」
「……は?」
「もう散々抱いただろ。あいつのことは元々オナホとして育ててやったんだ。しかし、途中で育てるのに疲れてよ。お前に預けて死んだふりをしてたんだが、最近、思い出して覗いてみたらいい女に育っててなぁ」
「冗談にしては質が悪いな」
「だから冗談じゃねえっての。まあ、お前ももう分かってるんだろ? カルマオンラインは罪人の魂を使って作られたNPCの楽園だ。俺だって元々はNPC側だったんだ。しかし、俺は途中で目覚めた。自我を取り戻したんだ。でも、ここにいる連中は自分の罪に気づいちゃいない。だから、こんな未開で魔物が発生する鳥籠の世界に入れられてるんだよ。神の玩具にされてな」
結局――同じか。
何人か、ペラペラと俺に偉そうなご高説を垂れてくれた奴がいた。
連中に言わせれば、ここにあるのは紛い物だけらしい。
感情はあっても、神達の都合によって作られた被造物に過ぎないと。
残念だが、ここにいる女達は俺が守ってやらないといけない。
こういうクズ野郎達にいいようにされるからだ。
クリュウが言っていたが、神達は自分の管理する楽園の女達をコレクションと呼び、女を交換して楽しんでいるらしかった。
俺はクリュウに誘われて天国に脚を運んだこともあるが、男も女も神ってのはロクでもない連中だった。
『罪人の魂で作られてるから、好きにしていいんだって』
『感情がある? そりゃそうでしょ。じゃないと俺達が楽しめないしさ』
ああ、本当に、ウンザリだ。
「改めて言ってやるよ。この世界にいるのは全員、俺の女だ。もしも手を出すってなら、たとえあんたでも容赦はしない」
ガランが身の丈ほどもある大剣を抜き、俺に斬りかかる。
しかし、俺が念じると彼は足元から崩れ落ちた。
「へへ……。ひでえな。権能で一発かよ」
「親子の情を期待しているなら御門違いだ。あんたはカナミを捨てた。もう俺の親じゃない」
「いいねぇ……」
何がいいのか知らないが、ガランはそれ以上語ることはなかった。
結局、何をしにきたんだ?
読めない男だったな。
俺はカナミを玉座に転移させた。
「ん……。どうしました? 急に」
「火がついたんだ。鎮めてくれ」
カナミの巨乳を揉みながら、真紅のカーペットの上に彼女を寝かせる。
「もう、急なんですから」
カナミの胸を吸いながら、穴を指で弄りまくる。
たっぷりと濡らしたあとは、馬乗りにさせてカナミに腰を振らせた。
カナミと手を握り合いながら、気持ちを高めていく。
幸せだった。
尽きることのない欲望は、俺にとって愛情の裏返しだ。
たっぷりとカナミを抱いたあと、俺は真紅のカーペットの上で大の字になった。
「兄さん、だらしないって怒られちゃいますよ?」
「いいんだよ。怒られたら謝ればいい。二人でな」
「私もですか?」
「当たり前だろ。妹なんだから」
カナミと手を握り合う。
大事な妹と、大事な妻達。
欲望は尽きることがないが、この家族がいればこの先も大丈夫だと思った。
拳を突き出して、掴むフリをする。
「どうしたんですか?」
「ゲームクリアだ」
カナミの腹部をさする。
愛する者達と生き続けよう。
永久に……。
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