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100 アルカナトークン

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 アルカナ状態を固定された彼女は、それでも統合した人格の仕事をこなす為、『アルカナトークン』というスキルで必要な女達を生成した。

 生成された『アルカナトークン』はアルカナの分身であると共に意識を共有した存在であり、あくまで本体はアルカナだが、その人格は当人と変わらず、記憶は本体にもフィードバックされているようだった。

 レイナが眉間に皺を寄せ、俺に抱かれている。

「あの、仕事をする為に生成されたので、エッチなことは控えていただけませんか?」
「お前も躾が必要なのか……?」
「もう、拗ねて甘えん坊ですね。タクマ様が拒絶されたと思い込んでるだけです。私達は心を鬼にして……んっ……んっ」

 正常位で彼女を抱き、胸に顔を埋めて甘える。

「レイナの身体……安心するな」
「しょうがないんですから。しばらく抱いててあげます」
「まったく、我ながら甘いわね」

 離れたところから、アルカナはドレス姿で俺達の行為を眺めている。
 族長の家を借りて、俺はレイナを抱いていた。

「レイナ……好きだ。愛してる」
「私も大好きですから、相思相愛ですね」

 レイナが頭を撫でてくれる。
 俺は安らぎを感じながら膣に出し切った。

「ふふ、今の私は妊娠しないのに、無駄撃ちしちゃいましたね。そんなに良かったですか?」
「レイナ、甘やかしすぎよ」
「傷ついてるタクマ様をヨチヨチってしてあげれば、私の一人勝ちになりますから。ね、タクマ様、私が一番好きですよね?」
「ああ……今はお前が一番だ」
「この男とお姫様は……」

 アルカナが不機嫌そうにした。

「まあ、今はいいけど。でもタクマ、これは飴と鞭なのよ。もしあなたが馬鹿げたことをしたら、『アルカナトークン』には消えてもらうから」
「大丈夫ですよね。タクマ様は私のことが大好きなんですから」
「ああ、肝に銘じておく」

 俺のオアシスに消えられたら困るからな。

「それで、これからのことなんですけど、私を連れてラクシア帝国へ行くという話でしたよね。お父様にも挨拶は済んでますし」
「ああ、ラクシャール二世に謁見し、コマネシオンを引き渡すよう要求するつもりだ。ついでにと言ったら何だが、大切なレイナとの婚姻についても報告する段取りだ。俺はラクシアにつくと宣言する形になるな」

 本当は皇帝から救援要請でも来ていれば話が早かったんだが、一応、イドルフ王から親善大使として俺を送りつける話になっている。帝国は了承し、既に謁見の日取り迄は決まったところだ。

「コマネシオンの身柄を引き渡してもらうこと。これが主なる目的よね。それと、マグマシードについても情報を収集すると」
「そうだ。そして、その為のタトナスによる帝都襲撃だ。揺さぶりは十分に掛けられたと思ってる。あとは新勇者の存在がどれくらい響くかといったところだが……うっ」

 アルカナと真面目な話をしていたら、レイナが俺のチンポを舐め始めた。

「いや、なんでこのタイミングなんだよ」
「結婚できるって聞いたら嬉しくなっちゃいました……ちゅむ」
「くっ……。アルカナ、俺は悪くないからな」
「ええ、分かってるわ。首輪をつけられてるから言い訳されると無性に腹が立つけど、この一件に関しては悪くないわね」

 怒られなくてよかった……。
 これ以上の失点は避けたいと思ってたからな。
 フェラで勃起してしまうのは生理現象だ。

 レイナはチュポチュポと楽しそうにチンポを口に含んでる。
 唾液を垂らして滑りを良くし、頭を高速で動かし始めた。

 レイナの頭が前後する度に快感が駆け巡り、俺は果てそうになる。

「いつの間に技術を磨いたんだ……」
「じゅるるるるるるる」

 姫が、一国の姫が俺のペニスを……。
 彼女の舌の動きに合わせて腰が浮き、ついに俺はアルカナの前で無様に精液を吐きだしてしまった……。

「はぁ……良かったぞ」
「アルカナがタクマ様を嫌っても、私はタクマ様の味方ですからね?」
「レイナ……愛してる。アルカナは俺に冷たいが、レイナだけが癒しだ」
「私にも首輪をつけていいですよ? タクマ様の心の安心が、私の最優先事項です」
「馬鹿なことを言うな。信頼するお前に首輪なんかつけるか……」
「ねえ、私、煽られてるの?」

 見るとアルカナが切れていた。
 物理的に部屋の温度が下がってる。

「私、あなたに強姦されて、新品なのに三発も中出しされて、首輪までつけられて、それでも見捨てないで傍にいるのよ? ねえ、そんな私に当てつけをして楽しい?」
「いや、当てつけとかはしてない。ただ、レイナ個人への感謝を伝えてるだけで……」
「私のことも好きだって言いなさいよ。例え一時的に嫌われていたとしても、誠意を尽くすのが男の役目でしょ? あまりふざけてると温厚な私でも切れるわ」

 え……。もう怒ってるじゃないか。
 というか、誕生した瞬間にはもう切れていた気が……。
 そう思いつつも、さすがに口にする勇気はない。

「あ、アルカナのことも大切だ。俺の心が弱いばかりに首輪などつけてしまって申し訳ない。本当に、好きで好きで仕方ないと思ってる。今は信用などできるはずもないが、必ず最後は幸せにする。だから、そんな顔をしないでくれ」
「10点ね。でも、そういう殊勝な態度でいれば、私も鬼じゃないの。チュウくらいしてあげる」

 そんなことを言って、アルカナは俺の頬にキスをした。

 なんだか、彼女の裏側を垣間見た気がした。

 なんだかんだ言って、俺は女に甘やかされてるよな。
 これからは信頼を裏切らないように生きたい。

「よし、一度帝国に行くか」
「情報収集はいいの?」

 こっちに転生してから俺も学んだことがある。
 それは、俺が寄り道をすると高確率で女が増えるということだ。

 そして、俺が女を寝取るとそれに伴って痛い目を見る男も結構出てきたりするので、下手に寄り道をするのはもうよそうと思った。

 この、限りなくアルカナ(女達)からの信頼が下がった状態で、下手を打つのは避けたい。

「真っ直ぐに帝国へ行く。そして、皇帝に謁見し、レイナとの結婚の報告と、コマネシオンの引き渡しを要求する。そのあと必要に応じてクレトに会ってマグマシードとコマネシオンの情報を更に探るが、余計なことはしない」
「急に優等生になったわね。でも、私もそれでいいと思う」

 ホッとする。アルカナに怒られずに次の行動を決められたぞ。

「トルニアとローネシアも出してくれるか? トルニアの弟子がコマネシオンに誘拐されたままだから助け出したい。あと、ローネシアは帝国の地理に明るいからな」
「構わないけど、ローネシアはタトナスの襲撃の時に顔が割れてるんじゃないの?」
「ペルソナで見た目を変えて戦姫だということも伏せれば大丈夫だろう」
「それもそうね。くれぐれもバレないよう気をつけてちょうだい」

 というわけで、トルニアとローネシアが出てきた。
 ローネシアの方はさっそく『ペルソナ』でショートカットになっている。
 中性的で可愛らしいな。

「えへへ、似合うかな? タクマ様」
「ああ、可愛いと思う。キスしていいか?」
「んー。じゃあ、ちょっとだけ」

 ローネシアがしがみついてキスをしてきた。
 俺と唇を合わせ、チュッチュッと甘えてくる。

 キスが終わると、照れくさそうに笑ってくれた。

(マジで天使だな……)

「あ、あの、タクマ様。私もいいですか?」

 ポニーテールの女商人、トルニアが成長中の胸の前で手を組んでいる。

「俺は構わないが、お前もキスを許してくれるのか?」
「それはもう……! その、タクマ様がエルフの村でしてしまったこととか、私も共有してます。いっぱい死人も出て……。でも、タクマ様は領主としても一生懸命でしたし、悪い勇者もいっぱい出てきて、他の神様に命を狙われたりもしてて、だから……その、ストレスがいっぱいだったと思うんです」

 ん? 彼女は俺を擁護してくれてるのか?

「トルニアは優しいな。まさか、アルカナと意識を統合しながら俺の心を案じてくれていたとは……」
「そんなの当然です! あ、あの、正直、アルカナは少しタクマ様に厳しいかなって思ったりしてます、私個人は……」
「ちょっと、トルニア、それはどういうこと? 私の意思は、全ての女達の意識を統合したものよ。そのなかには当然、あなたの心も含まれていた。いわば、あなたもタクマを糾弾した一人なのよ?」
「ごめんなさい。私、魔法のことは難しくて……」
「くっ……。レイナと言いローネシアと言いトルニアと言い、自分だけ甘い顔をして……」

 何やらアルカナが悶絶しているが、ローネシアとトルニアは二人で俺を挟んできた。

「お優しいタクマ様、私はクレトの奴隷だったところをタクマ様に救われたの。だから、何があってもタクマ様の味方だって信じて?」
「タクマ様、辛いことがあったら抱え込まずに相談してください。私も商会の長として、時には仲間を守る為に非情な決断を下したりします。他の、あまり社会経験がない娘達とは違って、私は分かってる側なので、何かあれば相談してください」
「ありがとう。二人は俺の味方だな」

 レイナも後ろから抱きついてきた。

「私もタクマ様の味方です。あなたがいなかったら私はアルジャンの性奴隷にされてました。私の今があるのはタクマ様のお陰。だから、私の未来もタクマ様とだけあります。もしアルカナがタクマ様を見捨てても、私だけは傍にいますから、そのこと、忘れないでくださいね?」

 三人の女に愛され、俺は久しく忘れていた充足感を感じた。
 こういうのが幸せなんだよな。

「我ながら、統合してないと途端に本性を曝け出すわね。私ばっか貧乏くじじゃない」

 アルカナが呆れているが、お陰で元気が出てきた。

 コマネシオン、待っていろよ。
 アルカナ達に怒られない程度に地獄を見せてやる。
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