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95 天秤の勇者

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 俺は森で『気配探知』を行い、強い力を感じ取った。
 まあ、強いと言ってもレベル80程度のプレイヤーの力だったが。

 そいつは黒いローブを羽織り、育てているらしいホーリードラゴンの子供に餌をやっているところだった。干し肉のようなものをやってニマニマと笑っている。

「かわいいでちゅねぇ」

 オッサンが猫なで声で餌をやっている場面というのは不気味だ。

「おい」

 話を聞こうとしたが、いきなり『オメガ』を放たれた。
 白と黒の閃光が問答無用で迫ってくる。
 話し合う気がゼロらしいな。

(まあ、こっちもやる気満々だから正解なんだが)

 俺はアクアスを抜き、即座に魔法を真っ二つにする。
 爆発が起こるが、俺もアクアスも無傷だった。

「初弾をかわされたのは初めてだ。君がラムネアの英雄、タクマかな?」
「そういうお前はエルフの姉妹を誘拐した新勇者か?」
「ああ、そうなるね。まさかこんなところで会えるとは思わなかった。もしかして私が一番乗りということになるのかな?」

 まるで悪びれた様子もない。
 ルナとアリアのことを何だと思ってるんだ。

「あの姉妹、どうなった? 男エルフ共の慰み者にでもなったのか?」
「俺が救った。お前、どういうつもりだ。捕まえて男エルフに引き渡すとか、やることが下劣すぎないか? 返答によっては容赦しないぞ」

 逃げる様子はないが、前もって『ミスト』を発動させて『転移』を防ぐことにする。貴重な情報源だからな。

 オッサンは慌てた素振りもなかった。

「私には下劣に振る舞う資格があるのだよ」
「クズのライセンスでも発行してもらったのか?」
「私はねぇ、君なんかより、よっぽど多くの世界を救ってきた英雄なのさ。かつては数えきれない程の正義を行ってきたよ。国を救い、世界を救い、数えきれない程の次元で英雄だった」
「胡散臭い話だな。そのお前がどうして神になってないんだ」

 神が勇者を誕生させるのは、そいつを新たな神にして自分はより高位の神に昇格する為だ。また、世界を創造することには信仰値を使う。神だってタダで勇者を生み出せるわけじゃないんだ。コストが掛かる以上、こいつが無数の次元で勇者になることなどありえないんじゃないか?

 俺の疑問に、男はあっさり答えた。

「タクマ、君がやっていたのはあくまで作り物の魔王を倒すことだ。しかし、私は地道に地球人として転生し、魂の徳を上げていくなかで、あるとき疑問に思って神に聞いたことがある。地球以外に人の住める星はないのかと。そうして、私は本物の異世界の存在を知ったのだよ。神にお膳立てされたわけじゃない、本物の異世界で、私は戦ってきたのだ」

 興味深い話だ。情報を引き抜いたら殺してやろうと思うが。

「それで、正義の味方だったあんたがここではなぜ悪に走る」
「一度でいいからこの力を好きに扱ってみたかったんだ。君は知っているかな? ここにいるのは地獄に落ちた魂を練り上げて作った、人間モドキなのだよ。ワタルとかいう神に確認したが、ここにいる連中はいたぶっても構わないらしい。そうした苦痛を受け入れることも含めて、罰を与えたことになるからだ。素晴らしい世界だと思わないか。ここでなら私は自由に生きられる」
「……殺すぞ」

 身勝手すぎる物言いに怒りがこみ上げてくる。

「あの姉妹がお前に何をした。ただ狩猟をしていただけの姉妹を拉致して男に引き渡して、それで力が振るえて満足だった? 戯言を抜かすのも大概にしろよ、このゴミ野郎が」
「……ひひっ。目の前で娘を奪われた族長の顔は見物だったなぁ」
「消えろ」

 神竜斬を発動し、アクアスから極光を放って男を消し飛ばすことにする。
 だが、俺の技が直撃する瞬間に、男がスキルを使った。

「見るがいい。『正義の天秤』を」

 男の背後に荘厳なる黄金天秤が現れる。

(なんだあのガンダムみたいに馬鹿でかい天秤は……)

「私の心が私を肯定する限り、君のスキルは効果を発揮しなくなる」

 バァン……! と、男に神竜斬が直撃し、爆煙が上がる。
 しかし、本当に掠り傷すらつけられなかった。なるほど、生半可なスキルは無効化されるわけか。

「素晴らしいスキルだろう。君も私を肯定して降参したまえ」

 あの黄金天秤はオッサンが正しさを自覚している限り、いかなる攻撃も受け付けない無敵のバフを与えるらしい。

「あんたの名前を聞いておきたい」
「私かね? マツオカ・シノブというものだよ」
「他にスキルはないのか?」
「……どういう意味だ」

 ピシッ……と天秤の表面に亀裂が入る。

「言葉通りだ。お前如きの力が『冥王』を防げると思ったか」

 あらゆるスキルは俺の前では無意味だ。
 『冥王』が無慈悲に発動し、黄金天秤を粉々に砕いていく。

「なんだ! 何をした!? スキルは何も使えないはずだ!」
「お前の中ではそういうルールなんだな。砕けろ」

 命じた瞬間、シノブの発動させたスキルは跡形もなく砕け散った。茫然としたシノブがパクパクと口を開閉しているが、本当の喪失はこれからだ。

「ところで、そのホーリードラゴンは雑食か? 俺が代わりに育ててやるが」
「私を育てたいの?」

 ん? 白いドラゴンが人化したな。身体はオトナだが、頭は幼稚な感じがする。
 色白で胸が大きく、髪は銀色だ。

「ひ、人前で人化するな! シロ!」

(安易な名前をつけてるな。そのまま貰ってやるが)

「ドラゴンってのは強い者に従う性質があるんだよな。なら、シノブを倒して俺に従わせてやるか」
「よせ! 彼女は私の娘だ! シロは関係ないだろう!」
「ドラゴンなどただのペットだろ。というか、他人様の娘は平気で捕まえて横流しできる癖に、自分の娘は大事にするのか?」
「黙れ……! 逃げろシロ!」
「ミスト発動中に逃げられるはずないだろ」

『旦那様には勝てんということを、ようやく悟ったようじゃのう』
『もう遅いがな』

 俺はシノブからコピーした『正義の天秤』を発動させる。
 俺の背後に出現した黄金天秤を見て、シロがヨチヨチと寄ってきた。
 ドラゴンの本能に従い、俺を強者と認めたようだ。

「タクマ? ……の方が強いじゃん。ねえ、私の新しい飼い主になってくれない?」
「構わないぞ。餌やりはメイドに任せるが。その代わり抱かせてもらおう」
「繁殖目的? メンドイ人間に拾われたー」
「か、勝手なことを……。アイシクル・ランス! ホーリー! メテオ……!」

 なりふり構わず魔法を撃たれるが、俺の発動させた『シールド』は突破できなかった。
 まあ、この辺りが異世界勇者の限界だろう。
 どんなに他所で鍛えても、郷に入っては郷に従えというようなルールがある。
 異なる世界のレベルや術式は持ち込んでも使えないモノが大半なのだ。
 多少戦いに慣れてる程度の異世界人に、俺が負けることなどありえない。

 俺は『硬化粘液』を散弾のように指先から撃ち、シノブを黙らせた。

 そして、ドラゴンを木陰に引っ張っていった。

「そこに手をつけ。今から俺のペットにしてやる」
「えー? 人間とエッチはしたくないかなぁ」

 手をつかせ、遠慮なくスカートをめくってケツを突き出させる。
 俺は穴の位置を確認し、後ろからペニスを挿入した。

「や、ちょっと、ドラゴンとセックスする人間とかいないしー」
「ここにいるだろうが」
「変態すぎぃ!」

 覆いかぶさり、でかい乳も形を変えるくらい揉んでやる。

「ンンンン……。ちょ、ドラゴン相手に本気で発情してる? エッチィ……」
「うるさい。ペットは黙って穴を使わせろ」
「フレアァ……ッ!」

 血迷ったシノブが自爆覚悟で『硬化粘液』に魔法を使った。
 意味はなかったけどな……。
 血まみれになってぐったりしただけだ。

 死なれたら面倒なのでエーテルの入った瓶を投げつける。
 シノブの頭に当たって割れた瓶からエーテルが零れ、傷を癒す。

「ナイスシュート……うひっ」

 尾てい骨からドラゴンの尾が生えていたので、興味本位で思いきり掴んでみる。
 するとギチッとマンコが締まった。

「尻尾を掴むと穴が締まるのか。尻尾を掴んだまま犯されると気持ちいいだろ?」
「アソコでチンポの形を感じられてぇ! いひぃ! 締まったマンコにズボズボされるのヤバ……ッ!」
「やめろぉぉぉ!」

 好き勝手に膣を使われるシロを見て、回復したシノブに激怒される。
 だが、何を怒っているんだ。

「お前だって同じことをしただろう。第一、シロはこんなに幸せそうにしてるじゃないか。おい、幸せか?」
「えへへぇ。マンコ幸せドラゴンだよぉ」

 こいつ、尻尾を掴まれて自分から腰を振ってるぞ。

「尻尾ギュってされるの気持ちいい! もっとパンパンしてぇ! 種づけしちゃおうよ!」

 パコパコと俺の股にケツを打ちつけてくる。

「浅ましいドラゴンめ……。しかし、異種姦もたまにはいいな。これからも気が向いたらオナホにしてやるぞ」
「外道がぁ……ッ!」
「誰に言ってるんだ。外道はお前の方だろ」

 繋がったままシロの頭に触れ、シノブとの記憶を消去してやる。
 これで俺専用のペットになったな。

「こんな気持ちいいの知らなかったぁぁぁ!」
「あーイクぞ」

 ビュッビュっと気持ちよくなる。
 シロの背中がビクビク跳ねてイッたらしいことが分かった。

 俺はペニスを引き抜いてキスをしてやった。

「ちゅ……えへへぇ。つがいになっちゃった」
「私の娘を返せぇぇぇ!」
「これで娘を奪われる痛みを知ることができたな。お前は人として成長できたんだ。良かったな?」

 シロの乳を揉みながら笑ってやる。

 特に意味はなかったがシロの頬を押さえるように固定し、ベロチュウもしてやった。

「れろぉ……じゅる……じゅ……んふっ」
「これからは俺のことをパパと呼べ。いいな?」
「うん、パパ大好き。一生パパのペットにしてね?」
「いいぞ。あと汚れたからペニスを綺麗にしてくれ」
「はーい。おほっ……じゅるるるる」

 お掃除フェラをするシロの頭を前後する。

「オゴッ……んふっんふっ……レロ……じゅるるる」
「いいな。舌を絡ませてみてくれ。そう、いい具合だ。口をすぼめろ」

 ひょっとこのような顔になったシロの口内でペニスをジュルジュルと吸わせ、俺は腰を叩きつけた。
 なかなかいい口マンコだな。

「よせぇぇぇぇ!!!」
「あー。またイク……」
「うぶっ」

 勢いよく出し過ぎて、えずいたシロの鼻から精液が垂れてきた。

「えへへ。パパ、私のお口に出し過ぎだよ。これじゃ掃除にならないじゃん」
「娘を返せぇぇぇ!」
「シロ、お前のパパは誰だ?」
「えへへ、タクマでしょ?」

 いい娘だ。死神とドラゴン、二児の父親になってしまったな。

 俺はペニスを片付けた後、意気消沈したシノブに『掌握』のスキルを使った。
 シノブはワタルに利用されてこの世界に来たらしい。

 他のプレイヤーのことはそんなに知らないらしく、ローグとキクチ・ユウタ、それと俺の知らない少女のプレイヤーを二人だけ知ってるくらいだった。

 ワタルが勇者を大量に送り込んだ目的は俺を殺すことらしいな。

「……さて、情報も手に入った。こっちも片づけるか」
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