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case. 公爵令嬢
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─王妃とは、どのような存在とお考えになりますか?
王妃とは、もちろん国王の配偶者であり、王室の象徴的存在のひとりです。公務においては王室の立場を示すものとして重要な役割を担うと考えます。つまり、常に模範的かつ優雅に行動する必要があります。
また、王妃の公務には子供たちへの教育や慈善活動を通じた社会貢献が主な役割としてあります。
政務に直接関わりがある仕事は多くないですが、未来を担うものたちへの支援をするので非常に重要な役割と愚考いたします。
─慈善活動についてのお考えをお聞かせください。
そう、ですね。
慈善活動といいましても、さまざまな活動がありますので一概には申せませんし、政策に関わる内容はあまりお話しを出来ませんが••••••
例えば、孤児院への支援は貴族の努力義務として推奨されていますね。
支援とはただ金銭の援助を行えば良いというものではないと思います。••••••あまりこのようなことを申したくはないのですが、中には受け取った金銭を正しく使わない者もいらっしゃると聞きます。そうすれば、困窮にあえぐのは弱い立場の子供たちです。
支援をするのであれば、わかりやすく物品を支給する。または金銭での援助が必要であれば、立ち会いする人間を置くか、購入の履歴が確実に追えるように帳簿をつけさせ、確認を行う。もしかしましたら、より良い方法があるかもしれませんが、一番は支援する場合は支援のしっぱなしはしてはいけないことだと思いますわ。
ー身分制度は廃止すべきと思われますか・
!!ご訂正ください!そのような、不敬なご発言は•••
え?質問内容は、精査されている?
まぁ••••••はやとちりをいたしましたわ。見苦しい姿をお見せして申し訳ございません。•••いいえ、こちらこそ大変失礼いたしました。
ええと、身分制度についてでしたか。
身分制度は継続すべきと思います。遠い未来、いずれ廃止されるとしましても徐々にすべきではないでしょうか。
確かに、身分を笠に着て横柄に振る舞う者もいらっしゃいます。身分により、貧富の差が生まれてしまうことも事実ではあります。しかし、身分制度があることで王侯貴族も平民も守られると思いますわ。
平民であれば、生業は家業と同義として暮らしに根付いていると伺っております。選択肢の幅は狭まるかもしれませんあ、確実に仕事にありつけるのではないでしょうか。わたくし達王侯貴族が急に平民と同じように生活せよと申されましても、おそらく困窮するだけでしょう。
また、身分制度は秩序を保つ手段のひとつとも思います。上下関係があることで系統立った仕組みができるのではないでしょうか。
もちろん、多くの悪い点もございますがご質問の趣旨とは逸れてしまいますので。
少々脱線してしまった気がしますが、身分制度においては各々の役割をこなしながら、自らを守る盾にもなりますので、当面の廃止はあり得ないと考えますわ。
ー王太子殿下との婚約をどのようにお考えですか。
••••••え、あの、?
何を申しても不敬罪には問われない、ですか?ええ、正直に、申しても良い。ですか••••••では•••
王太子妃、ひいては王妃となることに不満はございません。ですが••••••ええ、近頃の殿下のお振舞いは少々目に余ると申しますか•••。
殿下に侍る方々も、本来であれば殿下を諌めるお立場のはずですが殿下に同調されてしまって、わたくしだけでなく、彼らの婚約者のご令嬢方も大変困惑しております。
彼女たちは、彼らのそばにいつも侍っているかのご令嬢が唆していると申しておりますが•••ええ、それも確かな事実としてありましょうが、殿下方の資質も問われるものと思います。
これまでにない珍しい言動や、平民の暮らしを知る良い機会というものは目を惹くものはあります。ですが、自身は婚約者がいらっしゃる御身で、異性と必要以上に近寄る行為はふけ•••はしたないとしか言いようがありません。
そもそも、この国では国王陛下でさえも例外を除き一夫一妻制でございますから、婚姻する前からというのは論外でございましょう。
必要であれば、然るべき手順に則り、誠意をもって対応すべきと思いますわ。現状のままでは、わたくしだけでなくかのご令嬢にも失礼でございましょう。
••••••だいぶ脱線してしまいましたわ。申し訳ございません。何を申したいかですが、ようは婚約を解消なり破棄するなりしていただいても構わないということですわ。もちろん正しい手順を踏んででございますが。
少なくとも国の恥となるような愚行をしないでいただければと一臣民、一国民として思います。
王妃とは、もちろん国王の配偶者であり、王室の象徴的存在のひとりです。公務においては王室の立場を示すものとして重要な役割を担うと考えます。つまり、常に模範的かつ優雅に行動する必要があります。
また、王妃の公務には子供たちへの教育や慈善活動を通じた社会貢献が主な役割としてあります。
政務に直接関わりがある仕事は多くないですが、未来を担うものたちへの支援をするので非常に重要な役割と愚考いたします。
─慈善活動についてのお考えをお聞かせください。
そう、ですね。
慈善活動といいましても、さまざまな活動がありますので一概には申せませんし、政策に関わる内容はあまりお話しを出来ませんが••••••
例えば、孤児院への支援は貴族の努力義務として推奨されていますね。
支援とはただ金銭の援助を行えば良いというものではないと思います。••••••あまりこのようなことを申したくはないのですが、中には受け取った金銭を正しく使わない者もいらっしゃると聞きます。そうすれば、困窮にあえぐのは弱い立場の子供たちです。
支援をするのであれば、わかりやすく物品を支給する。または金銭での援助が必要であれば、立ち会いする人間を置くか、購入の履歴が確実に追えるように帳簿をつけさせ、確認を行う。もしかしましたら、より良い方法があるかもしれませんが、一番は支援する場合は支援のしっぱなしはしてはいけないことだと思いますわ。
ー身分制度は廃止すべきと思われますか・
!!ご訂正ください!そのような、不敬なご発言は•••
え?質問内容は、精査されている?
まぁ••••••はやとちりをいたしましたわ。見苦しい姿をお見せして申し訳ございません。•••いいえ、こちらこそ大変失礼いたしました。
ええと、身分制度についてでしたか。
身分制度は継続すべきと思います。遠い未来、いずれ廃止されるとしましても徐々にすべきではないでしょうか。
確かに、身分を笠に着て横柄に振る舞う者もいらっしゃいます。身分により、貧富の差が生まれてしまうことも事実ではあります。しかし、身分制度があることで王侯貴族も平民も守られると思いますわ。
平民であれば、生業は家業と同義として暮らしに根付いていると伺っております。選択肢の幅は狭まるかもしれませんあ、確実に仕事にありつけるのではないでしょうか。わたくし達王侯貴族が急に平民と同じように生活せよと申されましても、おそらく困窮するだけでしょう。
また、身分制度は秩序を保つ手段のひとつとも思います。上下関係があることで系統立った仕組みができるのではないでしょうか。
もちろん、多くの悪い点もございますがご質問の趣旨とは逸れてしまいますので。
少々脱線してしまった気がしますが、身分制度においては各々の役割をこなしながら、自らを守る盾にもなりますので、当面の廃止はあり得ないと考えますわ。
ー王太子殿下との婚約をどのようにお考えですか。
••••••え、あの、?
何を申しても不敬罪には問われない、ですか?ええ、正直に、申しても良い。ですか••••••では•••
王太子妃、ひいては王妃となることに不満はございません。ですが••••••ええ、近頃の殿下のお振舞いは少々目に余ると申しますか•••。
殿下に侍る方々も、本来であれば殿下を諌めるお立場のはずですが殿下に同調されてしまって、わたくしだけでなく、彼らの婚約者のご令嬢方も大変困惑しております。
彼女たちは、彼らのそばにいつも侍っているかのご令嬢が唆していると申しておりますが•••ええ、それも確かな事実としてありましょうが、殿下方の資質も問われるものと思います。
これまでにない珍しい言動や、平民の暮らしを知る良い機会というものは目を惹くものはあります。ですが、自身は婚約者がいらっしゃる御身で、異性と必要以上に近寄る行為はふけ•••はしたないとしか言いようがありません。
そもそも、この国では国王陛下でさえも例外を除き一夫一妻制でございますから、婚姻する前からというのは論外でございましょう。
必要であれば、然るべき手順に則り、誠意をもって対応すべきと思いますわ。現状のままでは、わたくしだけでなくかのご令嬢にも失礼でございましょう。
••••••だいぶ脱線してしまいましたわ。申し訳ございません。何を申したいかですが、ようは婚約を解消なり破棄するなりしていただいても構わないということですわ。もちろん正しい手順を踏んででございますが。
少なくとも国の恥となるような愚行をしないでいただければと一臣民、一国民として思います。
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